中国農村に9兆円、政治主導の「理想」都市 ゼロから建設 「北京にも余地あるのに…」歪みの指摘も：東京新聞 TOKYO Web

「われわれは真っ白い紙に、言葉にできないほどすてきな都市を建設している」。2月上旬、首都北京の南約100キロにある新都市・雄安新区に完成したばかりの巨大会議場に、新区開発を担う企業「中国雄安集団」の田金昌（でんきんしょう）会長の声が響いた。数キロ四方にわたってオフィスビルやマンションの建設が進み、北京と新区を結ぶ高速鉄道や高速道路の一部は既に開通している。 新区は北京の過密化を緩和しようと、習近平（しゅうきんぺい）国家主席が2017年に打ち出した「千年の計」だ。北京と隣接する河北省の農村地帯2000平方キロに「非首都機能」を移すという壮大な計画で、昨年10月までに4600億元（約9兆1500億円）が注ぎ込まれた。自動運転などの最新技術を導入し、環境にも優しいモデル都市を目指す。 しかし、内陸部にゼロから新都市を造る計画を懸念する声も多い。政府系シンクタンクの経済専門家は「北京郊外や天津市に