人間国宝に内定した五街道雲助さんが語る落語の真髄 「きめ細かく作り込まないと、お客さまの心は動かせない」：東京新聞 TOKYO Web

東京の下町、墨田区本所生まれ。寄席通いに注ぎ込み明治大中退後、迫力ある芸に魅了され十代目金原亭馬生（きんげんていばしょう）に入門した。師匠が早世したこともあり、人情噺は作り込み、滑稽噺は刈り込んで面白くするすべは独自に作り上げたが、「役を演じるんじゃない。役の心を演じるんだ」との師の教えが芸の支えになった。 名人・三遊亭円朝の「牡丹灯籠（ぼたんどうろう）」など怪談噺で見せる気迫と対照的に、趣味のパソコン作りには喜々として取り組む。「気を抜いて間違いに気づかないでいると、出来上がった時に機械は動いてくれない。人情噺も同じ。神経を研ぎ澄まし、きめ細かく作り込まないと、お客さまの心は動かせないのです」と話す。（ライター・神野栄子）