トヨタ中興の祖、逝く＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース

手元に１枚の名刺がある。四隅が丸まったその紙片には「トヨタ自動車名誉会長 豊田英二」と記されている。自動車担当記者だった平成７年初めに記者懇談会でもらったものだ。背広の胸ポケットから引っ張り出し、くしゃくしゃの笑顔と一緒に差し出されたそれは、ほんのり温かかった。 英二氏は創業期のトヨタを知る最後のひとりだった。トヨタグループの創始者、豊田佐吉氏の弟・平吉氏の次男として、大正２年、愛知県西春日井郡金城村（現・名古屋市西区堀端町）に生まれた。東京帝大（現・東大）を卒業すると、いとこで佐吉氏の息子の豊田喜一郎氏に誘われて学生時代から手伝っていた豊田自動織機の自動車部に入社。分離独立したトヨタ自動車工業に移り、昭和４２～５７年に社長、５７～平成４年にトヨタ自動車の会長を務めた。 功績は、枚挙にいとまがない。国産初の本格的乗用車「クラウン」の開発を指示。トヨタの効率経営の代名詞でもある「カンバン方式

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