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編み狂う – 水牛のように
多くの人が、糸と針があれば編み物ができると思っている。しかし私は、それが間違いだとよく知っている... 多くの人が、糸と針があれば編み物ができると思っている。しかし私は、それが間違いだとよく知っている。ほんとうのことを言うなら、「時間」と「私」があれば編み物はできる。それがわかるまでに40年近くかかった。これは、進化の結果である。 私も人類の一員なので多少の人格があるのだが、その中に「編み人格」というような部分があり、40年にわたって進化をとげたのはこの部分だ。外から見てもわからないが、この人格が目的に応じて体をマイナーチェンジさせ、今や、相当に変てこな哺乳類みたいな形になっている。全体像を描くことは困難だが、つきつめれば管のような形状だ。そして、糸と針はすでに身体に取り込まれ、身体の一部になっている。足は使わないので退化し、逆に目は激しく使うので、品の悪いコマーシャルで有名になったメガネ型ルーペで武装している。脳のひだには、編み目記号しか刻まれていない。この人格が、条件さえそろえば座り込ん
2020/09/23 リンク