サイト半跏思惟 エッセイ１ 京大11月祭

●大混雑 「福井さん、30分前ですけど、そろそろ行きますか？」 後輩のＯ君は僕に声をかけてきた。もうそんな時間か。周りを見まわすと、それほど盛況ではない学園祭の占いコーナーに、お客さんはもういなくなっていた。僕はうなずいて、コートを羽織った。 京都大学の秋は、11月祭でひと区切りとなる。月末の勤労感謝の日と、それに一番近い日曜日を挟む４日間がその期間だ。この年は、24日の日曜日が最終日に当たっていた。僕たち「京大神話伝説研究会」は、例年のごとく――といってもこれが４年目という歴史の浅いサークルだが――タロットその他の占い屋で小銭を稼ぐのが常である。 外部リンク ⇒ 京都大学11月祭公式ホームページ 神話伝説研究会といいながらも、宗教やオカルトは信じないというメンバーが多いのが面白いところで、それでいて学祭後の飲み代を稼ぐためなら平然と占いをこなしてしまうという奇妙な面々だった。しかもそれが

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オウム真理教徒のエッセイ