asahi.com（朝日新聞社）：「自傷する私」と向き合って 岡田敦さん - 文化トピックス - 文化

「自傷する私」と向き合って 岡田敦さん2008年6月27日16時38分 印刷 ソーシャルブックマーク リストカットの女性（左）を撮影する岡田敦さん＝０５年２月、東京・中野の東京工芸大、高波淳撮影 リストカットをした無数の切り傷が走る手首。裸の体。あるいは顔。どれも、いまの私……。１０〜２０代の女性たちの姿を真正面から静かにとらえた岡田敦さん（２８）の写真集『Ｉ ａｍ』（赤々（あかあか）舎）がこの春、第３３回木村伊兵衛写真賞を受賞した。なぜ彼女たちは生身の姿をカメラの前にさらしたのか。 ■岡田さん 答えの出ない「生きる意味」問い続け ０５年２月上旬、東京都中野区にある東京工芸大学内のスタジオ。全裸の女性（２０）のスリムな体は、少年のようだ。ライトを浴びながら、両腕の包帯をゆっくりほどく。「昨日も切っちゃって」。はにかみながら一番下のガーゼを取ると、透きとおるような白い肌に無数の傷が現れた。