asahi.com（朝日新聞社）：パーキンソン病の元官僚「譲り合いマーク」広めたい - 社会

斉藤恒孝さん＝東京都千代田区譲り合いマークの案 難病や障害、妊娠などで、電車の優先席に座りたいけれど、自分からは言い出しにくい――。こうした人がマークを身につけて意思を示す運動をパーキンソン病患者らの団体が進めている。きっかけは、同病の患者でもある元自治官僚の斉藤恒孝（つねたか）さん（６５）の電車内での体験だった。 はじめは体のささいな変化だった。自治省から宮内庁に出向し、審議官を務めていた９６年秋、思うように字が書けなくなった。病院で診察を受けると、初期のパーキンソン病と診断された。「人生を、少し短く設計し直さないといけないのかな」と思った。 上司には言えず、親しい友人にだけ病気を打ち明け、仕事を続けた。 宮内庁では、筆での記帳や、天皇、皇后両陛下を先導する仕事もある。００年３月、「もう務まらない」と退職した。病気を打ち明けると、上司に「君が、足を引きずっているのは気づいていた」