岩手日報企画 「再興への道」－いわて東日本大震災 検証と提言

東日本大震災で、本県沿岸の企業は大きな打撃を受けた。特に約１万３千社のうち半数以上の約７千社が被災した中小企業の復興は緒に就いたばかりだ。一方、延長されていた被災者の雇用保険（失業手当）給付が来年１月から切れ始め、被災者は内陸などへの流出や生活保護の受給を余儀なくされかねない。今後本格化する住宅再建には多額の資金が必要となるだけに、いかに安定した収入を確保できるかが復興の大きな鍵となる。雇用復興に向けた被災地の課題を追う。 「これで、一つ希望が持てました」 陸前高田市竹駒町の伊藤光輝さん（２５）は１７日、パソコン操作の資格「マイクロソフト オフィス スペシャリスト（ＭＯＳ）」の試験に合格した。 ３月１１日、勤めていたホテルが津波で全壊し、同日付で解雇された。その後、死亡した父光高さんを弔い、地域の人たちと行方不明者を捜し回った。 やっと落ち着いたのは９月末。同市のスクールマインズ（佐藤一行