被災の神社再建 資金集め苦慮 | 河北新報オンラインニュース

東日本大震災や火災で社殿を失った東北の神社が、再建資金集めに苦慮している。費用は億単位に上るほか、被災に伴って氏子の数が減っており、自力再建は夢のまた夢。「神頼みにも限界がある」と悲鳴が上がっている。 ＜津波で社殿全壊＞ 宮城県女川町を代表する白山神社は、２０１１年の震災の津波で全壊した。社は特殊建築のため再建は約７０平方メートルの本殿だけで約８０００万円、総額は約１億５０００万円かかる。 政教分離のため行政の支援は得られない。氏子制度は経済的なつながりが薄く、寄付金は「気持ち程度」をお願いするだけ。手元にあるのは保険金など計３０００万円。氏子総代は１１年秋に再建実行委員会を設け、寄付集めに奔走した。 約８００人いた氏子は震災の犠牲になったり、転出したりして数を減らした。残った人も仮設暮らしで協力を頼みづらい。佐藤良一委員長（７０）は「億なんて夢のような金。本当に頭を抱えた」と振り返