カズオ・イシグロの「信頼できない語り手」とは | 渡辺由佳里 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

＜社会的、政治的な選択ではなく正統派の作家イシグロがノーベル文学賞を受賞したことには、大きな意味がある＞ 10月5日、長崎生まれのイギリス人作家カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞した。本人にとっても意外だったらしく、英ガーディアン紙によると、最初は今はやりの「偽ニュース」ではないかと疑ったくらいだという。 イシグロは、1982年に27歳で作家デビューしてから62歳の現在まで長編小説は7作しか刊行していない。専業の小説家としては寡作なほうだ。 しかし、『遠い山なみの光』（A Pale View of Hills）と『忘れられた巨人』（The Buried Giant）以外の長編小説はすべて著名な文学賞の最終候補になっており、1989年刊の『日の名残り』（The Remains of the Day）は世界的に権威があるブッカー賞を受賞した。 イギリス貴族の主人への忠誠心と義務を優先して

[karatte]

"たいていの人が、自分の体験について語るとき普通にやっているように語り手を描いているだけです。というのは、人生で重要な時期を振り返って説明を求められたとしたら、誰でも『信頼できなく』なりがちです"

[cj3029412]

おそらく二重三重の含意が。我々が自分史を語るときの作法のこと。作家が、自分語りをする主人公を描く隠微のこと。それらを「信頼できない語り手」と括り、解釈を世界に委ねる味わい。村上も作家は大抵は嘘つきと。

[ornith]

読みたくなった。／“読者の私たちも「信頼できない語り手」として毎日を生きている。イシグロ作品は、私たちが自分自身や自分の人生について抱いている幻想や、自分についている嘘についても考えさせてくれる”

[vndn]

死体があったのに無かったことにしてた某ミステリ思い出した

[lady_joker]

信頼できない語り手というとアクロイド殺しが思いつく

[mayumiura]

昨年のボブ・ディラン受賞後の論争には、自分の文学観もいい意味で揺さぶられたけれど、今年こうして正統派が受賞して、どこかほっとした気分も。イシグロ作品に限らず、落ち着いて読書の秋ができそうな。

[K-Ono]

語り手が信頼されるとそれってセカイ系なんだろかなーって。

[h0714k]

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[itouhiro]

「イシグロの作品は信頼できない語り手で知られる。語り手自身が自分の人生や取り囲む世界について必ずしも真実を語らない。現実から目を背ける／知らない。物語進行で真実が顕わに。読者の感情を揺すぶる」

[bokmal]

「信頼できない語り手」て聞くとつい「信用できない噺家」と言いたくなってしまう。

[mekurayanagi]

“人は、自分自身に対しても『信頼できない』ものです。というか、ことに自分に対してそうではないでしょうか。私は（信頼できない語り手）を文芸的なテクニックだとは思っていません”

[akihiko810]

イシグロの作品は「信頼できない語り手（unreliable narrator）」で知られている。つまり、語り手自身が自分の人生や自分を取り囲む世界についてかならずしも真実を語っていないのだ。現実を知らされていない場合もある。

[tweakk]

読まないでおく

[geopolitics]

神が死んだあと個人による世界の創造（近代の始まり）だけど、その個人はまだら模様の記憶なので信じられるとは限らない。『藪の中』も三人の語り手が別々のことを言う。

[kurumiwallnut]

読者をなんとも言えない宙ぶらりん状態にさせるよね。

[eos2323]

太宰なんかだとほぼ自分史だから信用できない

[uza_momo]

そこで集合知の出番だったんだけどな。

[yoshihiroueda]

「信頼できない語り手」という概念に気づかせるのはテクニックなんだろう。読んで見たくなる。

[ueshin]

ナショナリズムで村上春樹の受賞を望む日本人に、日本人をやめた作家に賞が与えられる財団のメッセージ。

[a1ot]

“「無駄にした人生」職業人生と愛や結婚という個人的な人生。手遅れになるまで現実から目を背けてきたことに気付かされる。強烈な現実に、足元をすくわれたような目眩いと絶望を感じさせられる”

[tanayuki00]

神の視点を与えられず登場人物と一緒に追体験するタイプの語り口を「信頼できない語り手」というのか。なるほど。

[cloudliner_tweets]

「私は、自分自身が現実的だと感じるかたち、つまり、たいていの人が、自分の体験について語るとき普通にやっているように語り手を描いているだけ」

[fab-lab]

“unreliable narrator”　読者が小説を読み解くときには、語り手の視点に頼るしかない。物語が進むにつれ、馴染みある日常世界の下に隠されていた暗い深淵のような真実が顕わに　/ The Sound and the Fury

[jassmaz]

元祖信頼出来ない語り手は「藪の中」な。

[nisisinjuku]

理由のない自信に裏打ちされて生きているが、信頼できない語り手って表現は今の若い世代にしっくりくるのかもな。もう少しみんな脳天気に行きてもいいと思うんだぜ？

[yuichi0613]

"たいていの人が、自分の体験について語るとき普通にやっているように語り手を描いているだけです。というのは、人生で重要な時期を振り返って説明を求められたとしたら、誰でも『信頼できなく』なりがちです"

[popmusik3141]

“「信頼できない語り手（unreliable narrator）」で知られている。つまり、語り手自身が自分の人生や自分を取り囲む世界についてかならずしも真実を語っていないのだ。現実から目を背けている場合もあれば、現実を知らさ