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「特に同意できない時、私はあなた方の声に耳を傾けるだろう」――。 2008年11月４日深夜、第44代アメリカ合衆国大統領に当選したバラク・オバマ上院議員は地元シカゴでの勝利宣言でこう述べた。一度聞いただけでは国内に向けたようにも思えるメッセージだが、実はこの言葉にオバマ次期大統領の対外政策に関する哲学も込められている。 オバマ次期大統領の外交哲学 かつて、このコラムではオバマ次期大統領の外交政策・哲学について二度に渡って触れてきた。まず、「オバマ外交を先読みする」では安倍晋三元首相が訪米した際のオバマ自身による声明などを基に日米同盟重視路線に変わりはないと指摘した。その際の声明内容は以下の通りである。 独自のアイデンティティー、ビジョンを持つ「普通の国」としての日本の複雑な現実を受け止めることが重要であり、そうした日本を――いくつかの違いを乗り越えて――米国の真のパートナー、友人と