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OUTSIDE IN TOKYO / ダーレン・アロノフスキー 『ブラック・スワン』レビュー
悪魔の呪いによって白鳥に姿を変えられたお姫様は、王子の真実の愛によってのみ救われるという「白鳥の... 悪魔の呪いによって白鳥に姿を変えられたお姫様は、王子の真実の愛によってのみ救われるという「白鳥の湖」のストーリーとドストエフスキーの「分身」で描かれたドッペルペンガーをベースにし、芸術上の達成と欲望、そのために支払う代償を描いた『赤い靴』(48)の禍々しさを出発点に、バレエ・ダンサーの超人的変身願望へのオブセッションを黒という唯一無比の色に集約してみせた『ブラック・スワン』は、名作イギリス映画では"ロンドンの胃袋"コヴェント・ガーデンに息づいていた猥雑さを、やさぐれた21世紀の魔都ニューヨークへと舞台を移し、バレエ・カンパニーに君臨する芸術監督ルロイ(ヴァンサン・カッセル)が、優等生バレエ・ダンサー、ニナ(ナタリー・ポートマン)を性的放埒と退廃的誘惑の道へと心身ともに追い込んでいく、デモリッシュな刺激に満ちたサイコ・スリラーである。 ダーレン・アロノフスキー監督にしてみれば、主人公を精神錯
2024/04/30 リンク