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数理ファイナンス[MathematicalFinance]
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数理ファイナンス[MathematicalFinance]
(1)概要 ウォール街でもっとも有名な日本人は誰かという問いに、どこかの大手の金融機関のトップやト... (1)概要 ウォール街でもっとも有名な日本人は誰かという問いに、どこかの大手の金融機関のトップやトレーダでもなく数学者の伊藤ではないかという答えは一時期よく聞かされた話しだが、確かにR.マートンが初めて活用したといわれる伊藤の補題はファイナンスの中で非常に大きな重要性を持つ。伊藤積分に関する理論は極めて興味深く、ファイナンスへの応用は後発であって確率論の域を超えて物理や工学の中で活用され、偏微分方程式との関係などにも発展している。 伊藤の理論の定義や主要な結論はまったくエレガントで明快であるが、根拠とする数学は非常に高度であるため、なかなか理論的な枠組みから把握することは難しい。一方でファイナンスだけでなく多方面で適応された理由は、根拠とする数学にさほどこだわることなく結論の応用が比較的簡明に行えることである。そこでこの項では数学的な理論構築をはずして、いきなり応用の手法から入っていきたい