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顔を憎んで鼻を切れば、唇も消える: 死刑の理由 井上薫
「死刑の理由」は、平成七年から平成十四年のあいだに死刑が確定したすべての囚人の判決文を集めた本だ... 「死刑の理由」は、平成七年から平成十四年のあいだに死刑が確定したすべての囚人の判決文を集めた本だ。ぜんぶで四十三件。そのひとつひとつの判決書、第一審、控訴審、上告審の各量刑理由を全文収録している。実名が出ているわけではないが、獄中で「無知の涙」などを著した、連続ピストル射殺事件の永山則夫や、連合赤軍事件の永田洋子、北海道庁爆破事件の被告の判決文も記載されている。編集はおそらく最小限に抑えてられているのだろう、判決文の他に余計な記述はない。そこがとても良い。読み応えのある資料が一冊にまとまった、無駄のない本に仕上がっている。この本によれば、死刑囚の大多数を占めるのは貧乏で学のない小卒や中卒の人、少年院や刑務所に出たり入ったりを若い頃から繰り返している人、仮出獄してすぐまた事件を起こした無期懲役囚だという。そういえば「良心をもたない人たち(マーサ・スタウト著、木村博江訳)」というサイコパスをテ
2008/02/14 リンク