ショウジョウバエの脳の幹細胞。緑色/赤色/黄色が新しいニューロンを生成している Credit: Andrea Brand/Leo Otsuki <ケンブリッジ大学の研究者が、再生能力を持つ脳の休止幹細胞を発見。脳の自己治癒力を高める方法が存在する可能性が出てきた> 脳は、自己治癒力に乏しく、かつては、脳卒中やアルツハイマー病などによって一度損傷を受けると再生しないと考えられていた。しかし、昨今、脳科学の進歩によって、損傷された脳を修復する、いわゆる再生医学の研究が、積極的にすすめられている。 そして、このほど、細胞の自己複製能力と別の種類の細胞に分化する能力を合わせもつ「幹細胞」のなかに、脳の損傷や疾患から再生する力を持つものが存在することがわかった。 高い再生能力を持つ、新たな脳の休止幹細胞を発見 英ケンブリッジ大学ガードン研究所の研究プロジェクトは、2018年4月、学術雑誌「サイエンス