1.遺跡は語る かつて巨椋池が広がっていた地域で、近年の発掘調査によって、市田斉当坊遺跡、佐山遺跡、さらに南の尼垣外遺跡(いずれも久御山町内)など南岸に近接する多くの遺跡が確認されました。特に注目されたのは、現状の地面から4~5メートルも掘り込まれたところ、つまり干拓地と変わらない高さに古代の生活が営まれていたことです。これらによって、巨椋池の歴史的景観に対する漠然としたイメージが少しずつ変わり始めています。古代の水面は思い描いていたよりもはるかに狭く、少なくともいつもこの地に満々と水が湛えられていたわけではなかったようです。水の流れはいく筋にも分かれて一帯を巡り、大きな水害にも周期的に見舞われたものの、最近の発掘成果から考えると、古代のこの地域における常時の水は落ちついていて、比較的安定した生活が営まれていたと推測されます。 市田斎当坊遺跡 2.宇治川架橋 淀川から遡上して、山城、近江そ