【ベルリン=中谷和義】ドイツ南部ミュンヘンの裁判所は11日、ナチスの強制収容所で2万9000人のユダヤ人虐殺に加担した戦犯容疑で、ウクライナ出身で米国在住のジョン・デミャニュク容疑者(88)に逮捕状を出したことを明らかにした。 第2次大戦中の1943年3月から9月、ポーランドのソビボル強制収容所でユダヤ人虐殺にかかわった疑いがかかっている。検察当局は「彼がドイツに到着し次第、尋問し、裁判にかける」としている。 同容疑者に対しては、1988年に、別の強制収容所で「イワン雷帝」と恐れられた看守だったとして、イスラエルの裁判所が死刑判決を下したが、93年に別人とわかり、判決が取り消された。