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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (146)

  • 女の機嫌の直し方

    男が書いたら炎上必至、女の機嫌の直し方。 胸に手を当て思い当たるトコロ多々あり、ヒヤヒヤしながら読む。と口論になったとき、論点を紙に整理しはじめたら激怒されたことを思い出す。「知性に性差はあるのか?」を書いたとき、女性読者から一方的に批判されたことを思い出す。 書のエッセンスは2chコピペ「車のエンジンがかからないの…」であり、ゆうメンタルクリニック「男と女の会話は違う!」にある。先に"正解"を書いておこう→「正しいのは常に女性であり、男性から共感をもって寄り添うべき」。この"正解"の裏付けと、実践的な対話を含めて解説したのが、書になる。 冒頭はこう始まっている。 女の何が厄介って、些細なことで、いきなりキレることだよな。それと、すでに謝った過去の失態を、何度も蒸し返して、なじること。 著者は脳科学コメンテーター。なかなか面白い肩書で、「男性脳」「女性脳」という言葉を使いながら、主に

    女の機嫌の直し方
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    fiblio 2017/05/31
  • 『タンパク質の一生』はスゴ本

    物質がいかに生物になるか、その精妙なプロセスを垣間見ることができるスゴ。 ヒトの体には、60兆個の細胞があり、それぞれ80億個のタンパク質を持っているという。書は、細胞というミクロコスモスで繰り広げられるタンパク質の、誕生から死までを追いかけると共に、品質管理や輸送のメカニズム、プリオン病やアルツハイマー病といった構造異変による病態を紹介する。今までバラバラだった知識がつながるとともに、既知で未知を理解することができて嬉しくなる。 いちばん大きな収穫は、DNAの遺伝情報から複雑なタンパク質ができあがる仕組みを知ることができたことだ。タンパク質を構成する要素は、アミノ酸だ。アミノ酸は、アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)を持った化合物で、わずか20種類でタンパク質を構成している。 では、どうやってアミノ酸を並べることで複雑な機能を持つタンパク質ができあがるか? 書を読むま

    『タンパク質の一生』はスゴ本
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    fiblio 2017/05/12
  • 読まずに死んだらもったいない48作品

    「こんなに面白いのに、読んでないのは損してる」というがある。「面白い」のところには、「タメになる」「心が洗われる」などが入る。徹夜保証の小説だったり、良く生きるための教養書だったり、完結するまで死ねない漫画だったりする。 5/8締め切りで、シミルボンの[「とワタシ」選手権]で募集している。わたしが選考するので、楽しみでならないのだが、待ちきれなくてスゴオフのテーマにした。スゴオフとは、お薦め作品をまったり熱く語り合う読書会なのだが、まさに「読まずに死ねるか!」級の、とっておきが集まった。 まずわたしから。読書猿『アイデア大全』を強力に推す。考えるヒント集みたいな顔つきだが、今晩の献立から一生を賭すに事業学業の進め方まで、なんにでも応用できる。これは、問題解決のための人類の叡智を結集したもの。即効を謳う安直なサプリメントのようなではない。すぐ効くはすぐ効かなくなる。そうではなく、

    読まずに死んだらもったいない48作品
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    fiblio 2017/05/02
  • 文学の一つかみの砂金『文学理論講義』

    「なぜ学ぶのか?」に対する太宰治の回答が、なかなか素敵だ。 学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ。これだ。これが貴いのだ。勉強しなければいかん。 太宰治『正義と微笑』 学問分野は様々だし、知はアップデートされる。だが、それでも残り続ける砂金というかエッセンスは必ずある。ネット検索に任せて学びを止めるのは、もったいないことだ。 ピーター・バリー『文学理論講義』は、文学における一つかみの砂金に相当する。これは、文学に携わる人にとってのご褒美のような一冊で、文学理論のエッセンスがぎゅっと濃縮されている。これまでの教科書だったイーグルトン『文学とは何か』になり代わる、新しいスタンダードだといえる。 あらゆる知と同じく、文学も守破離のプロセスを経る。すなわち、先達から学び、そこに疑いを抱き、独自

    文学の一つかみの砂金『文学理論講義』
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    fiblio 2017/04/04
  • 最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

    飛行船墜落や原発事故、ビル倒壊など50あまりの事例を紹介。誰がどのように引き起こしたか、い止めたか、人的要因とメカニズムをドキュメンタリータッチで描く。 もちろん、大惨事を引き起こした事故の「情報」だけなら、失敗知識データベース[参照]を見ればよい。書とほぼ同じネタは得られる。しかし、著者が現場を見、生き残った関係者にインタビューしてたどり着いた「知見」や「生きた教訓」は、書から掘り起こすべし。 「そんな大惨事を起こすような巨大システムに関わってないよ」という人には、もっと身近なやつをどうぞ → 「なぜAT車のアクセルとブレーキの踏み間違いが起きるのか?」あるいは「飛行機事故から生還するため、乗ったら最初に確認すること」は、立ち読みでもいいので押さえておこう(後者は目からウロコだった)。 システム開発屋であるわたしの場合とは、比較しようがない。わたしが携わるシステムが止まっても、新聞

    最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか
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    fiblio 2017/03/30
  • 「健康の不在」から健康を考える3冊

    失って初めて分かるもの、それは健康。 風邪で苦しんでるとき、ひどい二日酔いのとき、健康のありがたみが身に沁る。そして、「もっと自分の身体を大事にしよう」と決意するのだが、喉もと過ぎればなんとやら、決意が続いた例なし。普段はあたりまえのように享受しているが、いずれ「あたりまえ」ではなくなるのに。 また、「健康」は最重要なものであり、これに反したり外れたりするものはノーマルではない、という考えがある。確かに健康であることは大切だが、それを強要するのは違う気がする。「健康のためなら死んでもいい」というスローガンや、「健常者」という言葉に違和感を覚える。 今回は、この手垢にまみれた「健康」に、疑いの目を向けてみよう。ずばり健康をテーマにしたは沢山あるが、ここでは、「健康の不在」をテーマに健康をあぶりだしてみよう。 まず直球から。トルストイ『イワン・イリイチの死』を読めば、思わずわが身を抱きしめた

    「健康の不在」から健康を考える3冊
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    fiblio 2017/03/30
  • 読書猿『アイデア大全』はスゴ本

    アイデアとは、新しい世界の見方である。 既知から離れて/組み替えて/類推して/拡張して、異なる認識のやり直しをする、それがアイデアを生み出すということだ。だから、アイデアを創出する新しいツールを手に入れるということは、いわば新しい目を手に入れることだ。 『アイデア大全』には、創造力とブレイクスルーを生み出す42のツールが紹介されている。書を読むことで、いわば42の新しい目を手に入れることになる。書が類書と違うのは、「アイデアの求められ方」によってツールを使い分けている点にある。 すなわち、「0を1にする」プロセスと、「1をnにする」プロセスを分けている。更地の、何もないところから生み出す方法と、所与のコアから展開していくやり方と、明確に分けて構成されている。おかげで、抱えている問題について、どれくらい把握しているかによって、アプローチを切り替えることができる。アイデアツールは沢山あるが

    読書猿『アイデア大全』はスゴ本
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    fiblio 2017/02/06
    書評ブログ界で燦然と輝く両巨頭によるコラボの図。読書猿くるぶしさん本をスゴ本dainさんが華麗に評し、推奨する光景。この組み合わせは反則。
  • 科学の面白さ・楽しさを伝える100冊 「科学道100冊」

    科学の面白さ・素晴らしさを届ける企画として、「科学道100冊」が公開されている。これは、科学者の生き方や考え方を伝えるために、100冊のが選ばれている。 ミソは「いわゆる理系」に閉じないところ。もちろん分野ごとの啓蒙書もあるが、「世界の見え方の変遷」を鳥瞰する科学史、センス・オブ・ワンダーを喚起する小説漫画、知的好奇心を刺激する図鑑など、いろいろ揃えている。 例えば、ディックの電気羊やパワーズ『オルフェオ』が「科学の」として並んでいる。これ、選者のメッセージが込められているんだろう誰だろうと見たら、編集工学研究所だった。松岡正剛さんの名前を前面にしてないのは、硬すぎず深すぎずが意図されているのだろう。 この100冊からいくつか選んでみた。さいきん微生物にハマっているわたしとしては、そっち系を入れて欲しかったが、ないものねだりかも。 生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問について

    科学の面白さ・楽しさを伝える100冊 「科学道100冊」
  • 読み始めたら最後、あなたを絶対寝かせない徹夜小説まとめ

    読み始めたら、徹夜を覚悟する小説がある。 いきなり心臓をワシ掴みにされたり、直感が大好物だと告げたり、いくらも読まないのに、「これは当たりだ!」と小躍りしたくなる。 嬉しいことに、この予感は高確率で当たる。だが恐ろしいことに、それは高確率で平日の夜だったりする。ここでは、翌日の寝不足を犠牲にして掘り当てた、「徹夜保証の小説=徹夜小説」を紹介する。 ただし、2つだけ約束してほしい。ひとつめ、複数巻に渡るものは、全巻そろえてから読み始めること。上巻だけ買えばいいなんて甘く見てると、サクっと読みきってしまい、翌朝まで禁断症状に苦しむことになるだろう。ふたつめ、明日の予定がない夜に読み始めること。さもなくば、寝不足の頭を抱える破目になるだろう。2つとも経験したから言える、読み始めたら最後、絶対寝かせてくれない。だから約束だぞ。 『ガダラの豚』中島らも 2ちゃんねらが絶賛してたので、うっかり手にして

    読み始めたら最後、あなたを絶対寝かせない徹夜小説まとめ
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    fiblio 2017/01/26
  • 女の子の匂いを再現する

    女の子の匂いをご存知だろうか? 漂ってくる「匂い」というより、すれ違うときにクる「あの感じ」といったほうがいい。あるいは、部屋に入ったとき、女の子がいる(いた)空気のようなもの。大事なのはカッコ()の中で、視覚的ものではない。「さっきまで女の子がいた部屋」でも分かるし、建物内ならある程度たどるのは可能だ。 最初は、私の変態的妄想力が産み出した幻臭かと思った。「女の子って、どうしてあんなにいい匂いがするのだろう」と悶々したことがある。が、同志の意見を総合し、私の経験を重ねると、どうやら妄想ではなさそうだ。 それは、いわゆる「せっけんの香り」だろうか。石鹸そのものに限らず、中高生が滴らせているシャンプーやボディケア香や、デオドラントのメチルフェノール系の匂いなどが相当する。そうした、後付けの合成香料をもって、我々は「女の子の匂い」とみなしているのだろうか。 たとえば、「ビオレさらさらパウダーシ

    女の子の匂いを再現する
  • 『石蹴り遊び』読書会が面白かった

    コルタサルの奇妙な小説『石蹴り遊び』の読書会に行ったら、目からウロコが飛び跳ねていった。主催のuporekeさん、ありがとうございました。 何が面白いかというと、様々な「読み」に会えること。一冊の小説から受け取ったものをお互いに見せ合って伝え合うのが良い。「そう感じたのはなぜ?」とか「ここからあれにつなげたのか!」などとおしゃべりすることが、なんと楽しいことか。たしかに読書は孤独な営みだが、小説というひとつの幻想を共有することで、慰められる思いがする。まるで、極寒の深夜に、焚き火を囲んでいるかのような高揚感と一体感を分かち合える。 そして『石蹴り遊び』。作者はフリオ・コルタサル。わたしの場合、『南部高速道路』から入ったので、コルタサルは短篇の名手という第一印象だった(ちなみに『南部高速道路』は傑作なので読むべし)。600頁近い、ちょっとした鈍器並みの『石蹴り遊び』は、なかなか骨の折れる読書

    『石蹴り遊び』読書会が面白かった
  • 『土と内臓』はスゴ本

    人体をトポロジー的に見ると、消化器官を中心とした「管」となる。もちろん胃や腸には逆流防止のための弁が備えられているが、位相幾何学的には「外」の環境だ。 この見方を推し進め、内臓をぐるりと裏返しにしてみる。くつ下を裏返すように、内側を外側にするのだ(このグロい思考実験は、クライヴ・バーカーのホラー小説でやったことがある)。裏返しにされた小腸や大腸を見ると、そこに植物の根と極めてよく似た構造と営みを見出すことができる。「水分や栄養素を吸収する」相似だけでなく、そこに棲む微生物との共生関係により、健康や成長面で重要な物質がやり取りされている。根と腸は、微生物とのコミュニケーションや分子取引をする市場なのだ。 書の結論は、微生物を中心とした人体の腸と植物の根の相似型であり、これに頭をガツンとやられた。ばらばらに得てきた知識が書で一つにまとまるとともに、わたし自身が囚われていた先入観がぐるりと―

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    fiblio 2017/01/15
  • 円城塔訳『雨月物語』が完全にジャパニーズ・ホラー

    雨月物語は、語り調子で畳みかけるように怖い石川淳『新釈雨月物語』が決定版だった。が、円城塔が上書きした! 硬い語りを残しつつ、きっちり小説に仕立ててある。こいつは怖いぞ嬉しいぞ。ジャパニーズ・ホラーの金字塔『吉備津の窯』はこれで読むと吉。 ジャパニーズ・ホラーの最大の特徴は、「わけが分からない恐怖」だろう。殺人鬼とかウイルス感染といった物理的に対応できる原因が引き起こす欧米ホラーと違い、真相が分からない。わけが分からないまま恐ろしい思いをし、原因を探してみても、「呪怨」や「穢れ」といった言葉で示すしかない「なにか」で終わる。文字通り、この世のものではないのだから、物理的な対処は効かない。「なにか」が過ぎ去るまで震えているしかないのだ(あるいは、取り憑き殺されるまで)。 たとえば、スゴオフで出会った『残穢』(小野不由美)なんてそう。「怖すぎて最後まで読めませんでした」「もう触るのもイヤ」と

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    fiblio 2017/01/09
  • この本がスゴい!2016

    人生は短く、積読山は高い。 せめては「死ぬまでに読みたいリスト」を消化しようとするのだが、無駄なあがき。割り込み割り込みで順番がおかしくなる。読了した一冊に引きずられ、リストは何度も書き直される。 重要なのは、「あとで読む」は読まないこと。「あとで読む」つもりでリツイート・ブックマークしても読まないように、あとで読もうと思って読んだ試しはない。だから、チャンスは読もうと思ったそのときしかない。実際に手にとって、一頁でも目次でもいいから喰らいつく。勢いに任せて読みきることもあれば、質量と体力により泣く泣く中断するもある。かくして積読山は標高を増す。 ここでは、2016年に読んだうち、「これは!」というものを選んだ。ネットを通じて知り合った読書仲間がお薦めするが多く、それに応じてわたしのアンテナが変化するのが楽しい。わたし一人では、数学経済学歴史学、進化医学や認知科学の良を探し出せな

    この本がスゴい!2016
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    fiblio 2016/12/01
  • 最も信頼できるのはブッカー賞『世界の8大文学賞』

    ノーベル文学賞や芥川賞、ブッカー賞などの受賞作品から「これは!」というものを選び、作家や翻訳家、書評家が全部読んだ上で実現した鼎談。おかげで積読山がさらに高くなる一方、わたしの偏見が解消された。 というのも、常々思っていた「芥川賞って新人賞なのに勘違いしている人いる?」が喝破されてたから。日最高の文学賞みたいに考えてる粗忽者は少なからずいる(ただし、これ読んでる人は該当しないはず)。だが、芸術性の高い作品に与えられる賞だと考えていると、書で足元をすくわれる。最近の傾向は変わってきているようだ。 普通なら、芥川賞は芸術性、直木賞はエンタメだと考えがちだが、東山彰良『流』をぶつけてくる。これは日語で書かれてはいるけれど、日になじみのない世界が描かれている。中国語を使ってポリフォニックな雰囲気を演出しつつ、言語的越境のような冒険が試みられているらしい。そういうものが平気な顔をして受賞して

    最も信頼できるのはブッカー賞『世界の8大文学賞』
  • 魅力的なキャラを創る11の方法と99の属性『性格類語辞典 -ポジティブ編- 』

    どうすれば面白いキャラクターができるだろう? 小説映画、ドラマやアニメに登場する魅力的な人物を創るには、どうしたらよいか? 作家、漫画家、脚家……物語をつくるあらゆる人のお悩みに効く一冊。「キャラが立つ」「キャラに深みがある」と言うけれど、どうすればそうなるのか、具体的な11の方法と閃きを促す99の属性がカタログ化されている。素材と手順がセットになったキャラのレシピ集として拾い読みしてもいいし、魅力的なキャラを設計するデザインパターン(虎の巻)として通読するのもあり。 たとえば冒頭。読者をすばやく強力に引きつけるには最初が肝心だが、その手法は沢山ある。主人公の苦難を描いたり、一か八かという瞬間で始めてもいい。ミステリアスな幕開けで、何が起こるのか興味をかきたてるようにしてもいい。重要なのは冒頭の「次」を読んでもらうことであり、そのために早い段階で読み手とキャラクターの間に絆を作る必要が

    魅力的なキャラを創る11の方法と99の属性『性格類語辞典 -ポジティブ編- 』
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    fiblio 2016/09/08
  • 「君の名は。」の重要な疑問(ネタバレ)

    映画観てきた。すばらしくよかった。「男女が入れ替わる」古典的なネタから、よもやこんなにも美しい物語を見せてくれるとは。「シン・ゴジラ」が濃厚な庵野ワールドなら、「君の名は。」は適度な新海マイルドだな。いつもと違うと思ってたら、このつぶやきで納得。 シン・ゴジラ「制作委員会方式を排除して 監督の好き勝手にやらせて大正解」 君の名は。「制作委員会方式にして ともすれば暴走しがちな監督の趣味性をコントロールして大正解」 — 吉岡 平@日々是口実w (@torinakisa) 2016年9月4日 観た人のつぶやきを見ると、各々の興味が透けて面白い。「彗星の軌道がおかしい」「電車の音がおかしい」「その地形でヤマビコは出ない」「トイレはなぜ○○だけ?(ジェンダー的な問題)」「X68000」など、ツッコミどころが各人のリアリティラインになるのかも。実写よりも生々しく美しい映像を眺めていると辛口になるのは

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    fiblio 2016/09/06
  • わかりやすいデザインの教科書『ノンデザイナーズデザインブック 第4版』

    企画書、提案書、レポート、プレゼンのスライドなど、資料を作るあらゆる人にお薦めしたい名著『ノンデザイナーズデザインブック』の新版が出たので、あらためてお薦めする。 かつては「新人にお薦め」と言っていたが、新人でも知ってる人は知ってるし、お歳を召してもダメな人は一定数いる。なのでこれは、社会経験というよりも、「知っているか否か」だけなのだ。何を知っているかというと、「伝えたいことを明確で分かりやすくアレンジするには、どこに目を向ければいいか」である。もっと具体的に言うと、上司や指導者から「おまえの資料はイマイチだ、なぜならココが○○だから……」という試行錯誤したことがあるか否かだ。 この「変更前」「変更後」を比べるのは、ものすごく勉強になる。なぜなら、自分が作った「変更前」だけを眺めても、イマイチなのは分かるが、どこがイマイチなのか言葉にできない(指差せない)から。上司からダメ出しをらって

    わかりやすいデザインの教科書『ノンデザイナーズデザインブック 第4版』
  • 「NEW GAME!」の涼風青葉は何を読んでいるのか?

    「NEW GAME!」いいよね。ゲーム会社で頑張る女の子を描いたコミック&アニメは、痛勤電車と朝残業で消耗したおっさんを癒してくれる。 主人公は涼風青葉18歳、上司も同僚もかわいい女の子で、画面から男臭を抹消しているサービス精神もいい。来は「おっさんが作っておっさんが消費する」のだから、男が出てこないファンタジーなのは合点承知だ。しかし、「激務すぎて疲労のあまり、おっさんが互いを美少女としてしか認識できなくなった」説を見かけてしまい、以後そのような目が混じるようになった自分が情けない。そして今回は、それを補強するような記事になってしまって申し訳ない。 なぜなら、これから彼女たちが何を読んでいるかを紹介するから。青葉の職場はブースによって仕切られており、各人の席には様々なやオブジェが並んでいる。そういう背景から彼女たちの趣味を想像するのは愉しい。特に好きなのは、仕事上の資料を除いた個人の

    「NEW GAME!」の涼風青葉は何を読んでいるのか?
  • 本を読まずに文学する『遠読』

    司馬遼太郎の『峠』に、「彫るように読む」という表現が出てくる。越後長岡藩家老・河井継之助の読書スタイルだ。一画一字、目に刻みつけるように読むやりかたで、わたしの知る限り、との距離が最も近い精読(close reading)である。原典とゼロ距離で向き合い、くりかえし味読・咀嚼し、心胆を練るような読書だ。 遠読(distant reading)は、その対立概念になる。著者の造語で、「野心的な読みはテクストからの距離に正比例する」と焚きつける。著者はフランコ・モレッティ、スタンフォード大学文学部教授でマルチリンガルで、ゴリゴリの文学読みで、膨大な文献を背景に煽ってくる。 つまりこうだ、いわゆるカノン(正典)を精読するだけで世界文学を語るには限界がある。コンピュータや統計手法を用いたデータ解析を行い、文学を自然科学や社会学のモデルでとらえ直すことができないか。そこでは、との距離こそが知を得る

    本を読まずに文学する『遠読』
    fiblio
    fiblio 2016/08/05
    “本を読まずに文学する遊び方が詰まった一冊。”