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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (51)

  • どうやって「10000時間」の英語学習を楽しい時間に変えるのか?──『英語は10000時間でモノになる ~ハードワークで挫折しない「日本語断ち」の実践法~』 - 基本読書

    英語は10000時間でモノになる ~ハードワークで挫折しない「日語断ち」の実践法~ 作者:橋 大也技術評論社Amazonこの『英語は10000時間でモノになる』は、長年「情報考学」というサイトで書評を書いていた橋大也さんによる英語学習である。英語学習はありふれた存在だが、書の特徴が何かといえば、「10000時間」というキーワードに集約される。 英語学習は「楽して」とか「これだけ覚えればいい」とか、省力化して英語を使えるようになろう、という発想が多いが、書の場合その主張しているメソッドは、「10000時間やれ!」と全然楽じゃないのである。その時間があればギターでもピアノでもイラストでもフランス語でもなんでもモノになるじゃろがい! とツッコミを入れたくもなる。だが、書が良いのは、「では、どうやってその困難な10000時間の英語学習を現実的に達成できるのか」についてつらつらと書

    どうやって「10000時間」の英語学習を楽しい時間に変えるのか?──『英語は10000時間でモノになる ~ハードワークで挫折しない「日本語断ち」の実践法~』 - 基本読書
  • 『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本を刊行します。 - 基本読書

    「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門 作者:冬木 糸一ダイヤモンド社Amazonこのブログ「基読書」を書いている冬木糸一です。3月1日に、『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』というをダイヤモンド社から刊行することになったので、その告知文を下記につらつらと書いていきます。このブログの読者にはまず楽しんでもらえる内容なので、ぜひ告知分だけでも読んでいってください。 の外観。440ページ超えなのでけっこう分厚い SF超入門とは何なのか 「SF超入門」と銘打っているわけなので、当然SFに入門するためのになる。歴史や作家など入門といっても無数の入り口があるわけだけれども、今回はいわゆるSF小説のガイド的な内容になっている。ただ、「SF初心者はこれを読め!」といって初心者向けを語る、ガイド記事を拡張した内容とは異なるアプローチでを選んでいる。 たとえば

    『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本を刊行します。 - 基本読書
  • 今年も早川書房1500作品が50%割引の超大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクション中心にオススメを紹介する - 基本読書

    早川書房の1500作品が最大50%割引という大型の電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメを紹介しよう。早川書房は定期的にセールをやるが、1500点級のセールを前回やったのは去年の6月頭なので、年に一回のセールとなる。これ以上安くなることはないと思われるので、この機会に買っておくといいだろう。 https://amzn.to/3n4rZ2Famzn.to 上が対象作品のリストになる。最初は、SFとノンフィクションを中心に、前回のセールには含まれていなかった新作&おもしろかったものを中心に紹介していこう。 まずは目玉商品といえるSF作品から プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー早川書房Amazonまずは目玉商品から行くが、なんといっても『火星の人』(映画版は『オデッセイ』)の著者であるアンディ・ウィアーによる『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(邦では

    今年も早川書房1500作品が50%割引の超大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクション中心にオススメを紹介する - 基本読書
  • 初心者から再読者まで、森博嗣の多様で自由な世界を示す10冊を紹介する! - 基本読書

    の雑誌に寄稿した「森博嗣の10冊」原稿を転載します。ちょこちょこブログ用に書き換えてます。あと、そんなにひねったラインナップにはなってないかと。強いていえば『スカイ・クロラ』が入ってないことぐらいかな。大好きな作品ですが、『ヴォイド〜』と迷ってこちらを選択しました。 はじめに 森博嗣は一九九六年にミステリィ作品『すべてがFになる』で第一回メフィスト賞を受賞してデビューし、その後破竹の勢いでシリーズ作品を刊行。デビュージャンルのミステリィの枠を超え、エッセイ、日記シリーズ、SF、幻想、絵、詩集、趣味の庭園鉄道やジャイロモノレールについて書かれたノンフィクションまで、数多のジャンル・テーマの作品を開拓し続けてきた。総作品数は文庫化などの重複を除いてさえも二〇〇を超える。そんな作家なので一〇冊の選定は困難を極めるのだが、今回はできるかぎり間口を広く、森博嗣の多様な側面を紹介してみたい。 ミス

    初心者から再読者まで、森博嗣の多様で自由な世界を示す10冊を紹介する! - 基本読書
  • 2021年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書

    2021年も終わろうとしているので、今年刊行されたの中でも特におもしろかった・記憶に残ったノンフィクションを振り返っていこうかと。昨年に引き続き今年もの雑誌の新刊ノンフィクションガイドを担当していたので、冊数はノンフィクションだけで200冊ぐらいは(数えているわけではないけど)読んでいるはず。 とはいえ、無限にピックアップしても仕方ないので、10冊目安に紹介していこう。 まずは科学書から 彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学 作者:キース・クーパー河出書房新社Amazon科学系のノンフィクションの中でも宇宙系から取り上げていくと、まず紹介したいのはキース・クーパーによる『彼らはどこにいるのか: 地球外知的生命をめぐる最新科学』。今年は中国最大のファーストコンタクトSF『三体』三部作が完結し、年末に邦訳が刊行されたアンディ・ウィアー最新作もファーストコンタクトSFの傑作で

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    fiblio 2021/12/22
  • 早川書房の1500作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたのでオススメを紹介する - 基本読書

    三体Ⅱ 黒暗森林(上) 作者:劉 慈欣早川書房Amazon早川書房の1500作品が最大50%割引という大型の電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメの作品を一部紹介してみよう。早川書房は定期的に電子書籍セールをやるが、前回の大規模なものは確か2020年3月頃の1000点セールだったので、セール対象は増えていることになる。なんと、先日完結したばかりの『三体』も、さすがに完結巻は対象ではないけれども第二部までがセール対象。 amzn.to まずはSFから紹介する。 三体 作者:劉 慈欣早川書房Amazonまずは早川といえばSFということで、SFから紹介してみよう。目を引くのはやっぱり『三体』である。先日三部作全体の紹介を書いたばかりだが、文化大革命からはじまり異種知性とのファースト・コンタクトが描かれる比較的現実路線の一巻。ファースト・コンタクト後、人類最高峰の知性が異種知性に

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    fiblio 2021/06/03
  • 書評・感想記事の書き方について - 基本読書

    なんとなく、一度僕の書評・感想記事の書き方についてまとめておこうかと思った。先日下記のようなブログに関する記事を寄稿したところ、幾人かがこれに触発されてブログを書いてくれたようで、個人的に嬉しかったから、というのが大きい。 blog.hatenablog.com 書評(でも感想でもなんでもいいんだが)の書き方の正解を教えるとかそういうわけではなく、単純に僕がどうやって記事を書いているのか、書くときに何を考えているのか、ということの簡単なまとめである。人によって感想ブログといっても書き方は全然違うはずで、書き方の違いを見比べてみるのもおもしろいんじゃないか。 手順 当たり前だが一度通読する。その時点でブログに書くかどうかを検討して(書かないことも多い。あまりおもしろくないな、と思ったり、おもしろいと思ってもタイミングを逃すこともあるし、書きづらくてスルーしてしまうこともある)、載せる、となっ

    書評・感想記事の書き方について - 基本読書
  • 2020年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書

    2020年ももうすぐ終わるので、読んでおもしろかったノンフィクションを振り返っていこうかと。今年はまるっとの雑誌でノンフィクションの新刊ガイドを担当しており、例年よりもたくさん読んだような、あまり変わらないような。とはいえ、おもしろいノンフィクションには山ほど出会ったので、思い出しながら書いていく。 まずは科学系から! LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界 作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント発売日: 2020/09/01メディア: Kindle版科学系のノンフィクションの中で最もおもしろかったのはなにかといえば、デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラントによる『LIFESPAN 老いなき世界』になる。シンクレアは老化の原因と若返りの方法に関する世界的な権威で、老化は克服できる病であり、克服すべきだ、とこのの中で強烈に主張している。ほとんどすべての

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    fiblio 2020/12/17
  • Kindle読み上げでたくさん本を読む - 基本読書

    この何ヶ月かKindle読み上げを利用してけっこうな冊数を読んでいて、なかなかいいぞとかこれは難しいぞという知見が貯まってきたのでここらでいったん共有したい。Kindle読み上げとは何なのかといえば、Kindleのアプリケーションに存在する読み上げ機能を使って音声でを読むというただそれだけのことであり、別に特段のスキルも準備も必要ない(最低限スマホかタブレットは欲しいところだけれども)。設定方法については面倒なのでこの記事では解説しない。Kindle読み上げで検索スべし。 katsumakazuyo.hatenablog.com この記事では方法よりも「そもそもどんなが読み上げに向いているのか?」とかの使用感を中心にしていこうと思う。僕自身も人がやっている(勝間和代さんとか)のを見かけてやってみたのだけれども、正直最初は半信半疑であった。ていうか音声で聞いてたら読み終えるのに時間かか

    Kindle読み上げでたくさん本を読む - 基本読書
  • 頭がおかしくなるほどおもしろかった──《アイアマンガー》三部作 - 基本読書

    堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1) 作者: エドワード・ケアリー,古屋美登里出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/09/30メディア: 単行この商品を含むブログ (17件) を見るエドワード・ケアリー《アイアマンガー》三部作が先日発売の『肺都』によって完結したが、これが当に凄い物語だった。奇しくも『肺都』が昨年最後に読了したとなったけれども、そんなことは無関係に問答無用で『肺都』が17年のベストだ。それどころか《アイアマンガー三部作》は、人生においてこれ程の熱量の物語にあと何度出会えるのだろうか……と考え込まずにはいられない、破壊的な小説作品なのだ。 人間を突き動かさずにはいられない特異なリズムがこの物語全体を貫いている。劇作家でもある著者による台詞、会話劇は一つ一つの発言が声の大きさ、息の吐く音まで聞こえてきそうな(凄まじい翻訳の力もあるの

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    fiblio 2018/01/02
  • 読書によって夫婦の相互理解は深まるのだろうか?──『読書で離婚を考えた。』 - 基本読書

    読書離婚を考えた。 作者: 円城塔,田辺青蛙出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2017/06/22メディア: 単行この商品を含むブログを見る円城塔、田辺青蛙の小説家夫婦が、課題を出し合い交互にそのについてのエッセイを連載することによって、夫婦の相互理解につとめる──そんなコンセプトではじまったWeb連載が一冊にまとまったのが書である。かたや理系で、わけのわからない抽象的な小説を書くと評判の円城塔さん、かたやホラー・怪談作家で読むとしては実話に近いものを好む傾向がある田辺青蛙さんと、書くものも読書傾向もさっぱり合わない二人だが、はたして読書で相互理解は進むのか!? 攻撃としての相互理解 ……といえば、相互理解はなかなか進まない! そもそも好きなんか数百冊読むような人たちが集まったところでお互いの趣味領域が一致することは稀である。 その上、確かにスタート時点ではコンセプトが「読

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    fiblio 2017/06/30
  • 神林長平の魅力はどこにあるのかしらん? - 基本読書

    はじめに 戦闘妖精雪風、敵は海賊シリーズが有名だが一般の人間にまでは知られていない神林長平。しかしなお根強いファンが大勢いる(はず)。もはや日SF作家クラブの会長であって、もうちょっとなんかこう、色々あってもええんじゃないかな? と思うのだが話題になることが少ない。Wikipediaも驚くほど簡潔な内容しか書いていないし。Amazonのレビューも10を超える事がほとんどない。最近新作を出していないということもあるが(正義の眼が出た時は久しぶりの敵は海賊シリーズだということでネットでも盛り上がった)ひょっとしたらあまり読まれてないんじゃないのかしらん? と思い、とりあえず魅力でも語ってみるかと思った次第である。そもそもこの魅力、神林長平の場合非常にわかりづらい。何故わかりづらいのかさえもわからない。その辺も含めてちょっと。 神林長平作品を読んでいて誰もが一度は思う事がある。 どれもこれも同

    神林長平の魅力はどこにあるのかしらん? - 基本読書
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    fiblio 2017/06/01
  • ファンにはたまらん一冊──『村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事』 - 基本読書

    村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事 作者: 村上春樹出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/03/17メディア: 単行この商品を含むブログ (3件) を見るこれまで村上春樹さんが訳してきたをひとつひとつ取り上げながら(概ね70冊ぐらいかな)、人が簡単なコメントを残していくスタイルで構成された一冊である。 簡単なといっても多いものだと800文字、少なくてもだいたい400字ぐらいはあり、そのほとんどが当時の思い出話であったり、著者と交流した際の思い出話であったり書評のような文章でなかなかに読み応えがある。僕はけっこう春樹翻訳を読んできたと思うけれども、「おお、こんなのが出てたんだなあ」と意外な一冊もあったりして、こうやってまとまってくれると拾いこぼしを防げるので大変ありがたい。 村上春樹翻訳で記憶に強く残っているのはレイモンド・カーヴァー関連の(の中でも個人的には大聖堂)、テ

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  • 人工知能本読みすぎて飽きたけどその中でも記憶に残っている本を紹介する - 基本読書

    この数年人工知能バブルかってぐらい人工知能関連が出まくっていて、最初の頃は律儀に一冊一冊読んでいたもんだが、だんだん飽きてきた(そりゃ読みまくってるんだからそうだ)。やれ人工知能仕事が奪われるだとか奪われない仕事はなんだとかの話は定番だが、定番すぎてそうそう新しい解釈が出てくるわけではない。消える仕事は消えるし、残る仕事の分野もだいたい明らかになってきている。 とはいえそれでも読んでいると「おお、これは視点が良いな」と思えるものもあり、そういうのは読んでいて楽しい。その書き手はやっぱり基的には専門的な知識を持っている人たちだ。認知ロボット工学者であったり、AI研究所に勤めていたり、機械学習の専門家だったりする。最後のはまた特殊事例といえるが、稿ではそうした人工知能飽きた僕の中で記憶に残っているをいくつか紹介してみようと思う。 まずは基的なところを教えてくれる一冊 シンギュラリ

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    fiblio 2017/03/15
  • 2016年のベストSF──『SFが読みたい! 2017年版』 - 基本読書

    SFが読みたい! 2017年版 作者: S‐Fマガジン編集部出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/02/09メディア: ムックこの商品を含むブログ (6件) を見る2016年のベストSFランキングであるSFが読みたい2017年版が出た。海外篇も日篇の結果も傾向がみてとれておもしろい結果なんじゃないかな。たとえば日篇でいうと、なんとトップ10の中に早川書房の物が一冊も入っていない。これは大森さんいわく1998年以来の出来事だというけれども、状況は大きく違いますね。 日篇の結果について これは僕も出ている2010年代前期総括座談会の大森さんの発言の引用になるけれど、『九八年の「ベストSF」国内篇は、早川書房のどころか、SFと謳って出たが一冊もなかったけど、一六年は、『夢見る葦笛』『スペース金融道』『カメリ』みたいなど真ん中のSFが出てるし、《創元SF叢書》みたいな専門

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  • 東京創元社編集者の本語り──『ぼくのミステリ・クロニクル』 - 基本読書

    ぼくのミステリ・クロニクル 作者: 戸川安宣,空犬太郎出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2016/11/17メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る北村薫、有栖川有栖、宮部みゆきなどそうそうたる面々をデビューさせ、東京創元社で編集から社長、会長までつとめた名編集者戸川安宣さんへのインタビューである。幼少期からとの関わりを語っていくが、やはりおもしろくなっていくのは多数の名のしれたプレイヤーが頻出する大学入学以後だろう。僕なんかはミステリ史や東京創元社の歴史も知らなかったから(二回倒産してる事とか)、あくまでも東京創元社での出来事が中心とは言え時代の空気や流れを感じ取れるのもよかった。 戸川さんのやってきたことは今も書籍や作家たちのデビューした結果として具体的に残っているわけだし、ここで僕がことさらにその経歴を讃え上げる意味もないだろう。となるとこれ以後は「こんなエ

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    fiblio 2017/01/20
    「北村薫、有栖川有栖、宮部みゆきなどそうそうたる面々をデビューさせ、東京創元社で編集から社長、会長までつとめた名編集者戸川安宣さんへのインタビュー本」
  • あてにならない記憶──『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 - 基本読書

    脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議 作者: ジュリア・ショウ,服部由美出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/12/14メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るサイエンスノンフィクションでイラストがついているのは珍しいので警戒しながら読み始めたのだがこれがおもしろい! 記憶科学の中でも、主にいったん記憶した内容を人がいかに都合よく書き換えるのかといった過誤記憶の分野(研究者は少ないらしい)を専門的に研究するジュリア・ショウによる一般向け解説書である。 赤ん坊の頃の記憶は存在するのか? たとえばいったいどのようなものが過誤記憶なのか? といえばその類例は幅広いが、有名所でいえば「赤ちゃんの頃の記憶がある」というのは基的にありえなく、過誤記憶だとされている。『成人が乳児期、幼年期の記憶を正確に思い出せないことは、以前から研究により明らかに

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    fiblio 2017/01/04
  • 2016年のおもしろかった本、ゲーム、映画を振り返る - 基本読書

    はじめに 2016年ももうすぐ終わりです。これまで年の区切りに意味があるとは思えず年間ベストとかもあんまり書いてなかったんだけど、今年はなんだかいろんなことがあったなあ……と思いながらズラズラとリストアップしてみたら、簡単に書いておきたくなったので残しておきます。良いがいっぱい出て、当に楽しい一年だった。 小説 〈セルフ・クラフト・ワールド〉三部作 セルフ・クラフト・ワールド 1 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 芝村裕吏出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/11/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る今年読んだSF小説の中でベストといったらまずこれが浮かぶ。1巻、2巻、3巻を違った方法で語り、違った魅せ方をしながら凄まじい密度で駆け抜けてみせた。芝村裕吏が仮想現実を書くというだけで興奮しきっていたが、その期待を超えてきた作品。 huyukiitoichi.h

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    fiblio 2016/12/25
  • 科学と科学者との地位に関する一つの個人的な哲学──『若き科学者へ』 - 基本読書

    若き科学者へ【新版】 作者: ピーター・B・メダワー,結城浩(解説),鎮目恭夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/07/21メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る書は1960年にノーベル生理学・医学賞を受賞したメダワーが書いた「科学者の心得」みたいなだ。人がいうところをそのまま引用すると『書は世界における科学と科学者との地位に関する一つの個人的な「哲学」を具体化している。』、まあつまりは「科学者というものについての個人的な意見です」ということになる。原書刊行は1979年で、日でも1981年に同じくみすず書房から刊行されているが、今回結城浩さんによる解説も付してあらためて現代に出し直されている。 なぜいま1981年に出たを出し直しているのかといえば、昨今の科学プロセス上における不正事件などを受け、「科学的方法論、科学者としての在り方」を見なおそうと

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    fiblio 2016/08/14
  • 我らは納豆に選ばれし民ではない──『謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉』 - 基本読書

    謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日納豆〉 作者: 高野秀行出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/04/27メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見るなんと高野秀行さんの新刊のテーマは「納豆」である。 なんと、と書いたがこれまで高野秀行さんは何冊も関係のを書いてきているのであって、そこに驚いたわけではない。「納豆に一冊費やせるほどの何かがあるのか?」という驚きだったわけだけれども、たしかに読んでみると一冊でも書ききれていないほど納豆には掘るべき場所が存在する。起源はよくわからないから探究の楽しみがあるし、ミャンマーに中国韓国からブータンと様々な国で作られている納豆は何がどうちがうのか、味などはどうなのか、料理への用いられ方などなど。 その上アジアの納豆事情は先入観をぶち壊していくようなおもしろさがある。納豆といえば「日独自のべ物」という印象、「我らは納豆

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    fiblio 2016/05/09