「信濃大町を訪れてまず感じたのは、圧倒的な水の流れ。この列島を形づくってきた、さまざまな自然の要素の存在でした」と語るのは、北アルプス国際芸術祭総合ディレクターを務める北川フラムさん。芸術祭の舞台は、フォッサマグナの西辺にあたる糸魚川静岡構造線上に広がります。西は広大な北アルプス、東は千メートル級の山々が連なり、山に挟まれた盆地に高瀬川や鹿島川が流れます。作品の設置場所は、ダムや湖、川の源流、山と谷、そして市街地と多様で、「100人100様の、これまで見たことのないユニークな作品が集まりました」と北川ディレクター。その言葉通り、重層的で場の空気を一変させる、機知に富んだ作品を見ることができます。