南極海の調査捕鯨妨害をめぐり、国際刑事警察機構(ICPO)が国際手配している反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の創設者、ポール・ワトソン容疑者(64)について、日本政府が逃亡先のフランス政府に対し、身柄を拘束して日本へ引き渡すよう要請していたことが分かった。 反捕鯨国の一員でもあるフランスは昨夏、ワトソン容疑者の入国を認めた。日本政府は今年に入り捜査員をパリに派遣、フランス当局と協議した。フランスは日本の正式要請を受け、容疑者の処遇を内部で検討しているとみられる。 容疑者はパリに滞在しながら、世界中のSS支持者らに対し、和歌山県太地町のイルカ漁や調査捕鯨に圧力を加えるよう指示しており、問題は日仏間の懸案事項となる可能性がある。 日本の海上保安庁は2010年、調査捕鯨妨害事件の共犯としてワトソン容疑者を立件。12年5月にドイツで身柄拘束されたが、保釈中に当局の監視の目をかいくぐり国外に逃亡し