ジョン・J・ミアシャイマーの『大国政治の悲劇 改訂版』が出版されました。2001年に発表された原著は大変話題になり、2007年に邦訳版『大国政治の悲劇 米中は必ず衝突する!』が出た時もその刺激的な内容で議論を呼びました。 オフェンシブ・リアリズム(攻撃的現実主義)の観点から国際政治を分析した内容は、善悪などの道徳観を排除した冷徹なもので、国際政治の現実をありありと描き出したものです。分厚い本ではありますが、注釈なども含めてリアリズムを学ぶ上で教科書的な良著です。その一部は、当ブログでも紹介させていただきました。 【過去記事】 オフェンシブ・リアリズムから見る戦略論 今回の2014年改訂版は、中国の台頭を受けて加筆されたものです。実際、中国は2009~2010年に大規模な建艦期を迎え、その後の軍事力、とりわけ海軍力の発展は目覚ましいものがあります。この現状と未来をミアシャイマーはどう見ている