「米国在住のボニー・アンダーソンという女性は75歳のときに転倒し、背骨にヒビが入ってしまった。彼女は背中の痛みに悩まされ、立ち上がることもできなくなりました。 しかし数ヵ月後、彼女は骨のヒビにセメントを入れる『椎体形成術』の手術を受け、劇的な回復を見せます。痛みは消え、元気を取り戻しました。趣味のゴルフも再開した。 ところが驚くべきことに、この治療は『偽の手術』だったのです。医師は手術の振りをしただけで、実際は骨にセメントは入れていません。ボニーは『効果の高い治療を受けた』と信じるだけで、症状を回復させたのです。このように、メンタルの状態が健康に強く影響する例は数多く見られます」 こう話すのは『「病は気から」を科学する』を上梓したイギリスの科学ジャーナリスト、ジョー・マーチャント氏だ。 日本でも古くより「病は気から」と言われるが、マーチャント氏が示す例からもわかるとおり、これは単なる故事で