事故収束に向けて作業が続く福島第1原発では、作業員の過酷な環境が問題となっている。放射性物質(放射能)を防ぐ防護服などの重装備に加え、高温多湿な現場の状況、貧弱な生活環境が疲労度を高める。東電は改善を進めてきたが、事故後初めて作業員が死亡したことに、改めて作業員の健康管理の把握や、作業環境の見直しが求められそうだ。防護服「サウナ状態」 同原発で作業にあたっているのは、東電社員335人と協力会社の1604人で計1939人。1日の作業時間は現場の放射線量などによって変わるが、原則4、5日勤務して2日休みを取るローテーションだ。 作業内容は、機器や配管などの運搬や設置、瓦礫(がれき)の撤去などさまざま。作業員は作業服の上にポリエチレン製の防護服を着用し、放射性物質を吸い込まないためのフィルター付き全面マスクを付ける。放射線量が特に高い原子炉建屋内では空気ボンベ(約13キロ)も背負わなくてはならな