記事一覧 一酸化窒素で放射線に“免疫” 福井大准教授が学会賞 (2012年12月1日午前7時08分) 「被ばく事故で失われる命を救いたい」と話す松本准教授=永平寺町の福井大松岡キャンパス 放射線を浴びたヒトなどの細胞は、ある条件下で放射線に対する“免疫”を持つようになる―。あまり知られていない現象だが、福井大高エネルギー医学研究センターの松本英樹准教授(56)=放射線生物学=は、この現象の鍵が一酸化窒素であることを突き止め、大量被ばく時の救急処置薬への応用を研究している。一連の成果で、本年度の日本放射線影響学会(会員約1千人)学会賞を受賞した。 細胞が放射線に対して抵抗性を持つ反応は「放射線適応応答」と呼ばれる。ワクチンで人体に病気への免疫ができるように、低線量の放射線を浴びた細胞が、次に高線量の放射線を浴びた際に死ににくくなる現象だ。1980年代に報告されていたが、詳しい仕組みはは分か