地球の周りを飛び回る「宇宙ごみ」が国際宇宙ステーション(ISS)に衝突する恐れのある事態が相次いでいる。人類が生んだ厄介者は増加の一途で、宇宙開発のリスクを高めている。今年は日本人初のISS船長を務める若田光一さん(49)が出発するが、ごみ問題の解決策は見つかっていない。(草下健夫) 60万個 米航空宇宙局(NASA)は昨年9月、ロシアの人工衛星とインドのロケットの破片がISSに衝突する恐れが高まったと発表。1カ月後には、軌道投入に失敗したロシアの衛星が衝突する恐れが指摘された。 ISSには当時、星(ほし)出(で)彰彦さん(44)が滞在中だった。いずれも危険は低いと分かったが、ごみが大きな脅威となっている現実を突き付けた。 宇宙ごみは故障や寿命などで不用になった人工衛星の残骸や破片。高度約800キロ付近を中心に周回し、1センチ以上のごみは約60万個に及ぶ。弾丸よりはるかに速い毎秒約8キロで