理化学研究所と国立極地研究所による研究グループは、南極のアイスコアを分析することで、過去2000年に渡る火山噴火の歴史を明らかにした。 大規模な火山噴火が起きると、硫酸エアロゾルが大気中に舞い上がり、1~3年程度の一時的な寒冷化をもたらす。その歴史を知るためには、南極などのアイスコアを分析することが必要だが、これまでは高い精度で解析がおこなわれていなかった。 今回の研究では、10年以上の期間をかけて南極から26本のアイスコアを採取し、イオンクロマトグラフを用いて硫酸硫黄濃度を測定した。その結果、過去2000に渡る火山噴火が時間分解能1年という高精度で明らかになった。また、新しい研究成果を過去のデータと比較したところ、1257年のサマラス火山噴火と1458年のクワエ火山噴火による硫酸塩の量は50%も過大評価されていたことや、寒冷化の影響度合いは20~30%過大に見積もられていたことなども判明