X-37Bにまつわる虚構と真実 X-37Bはミッション内容に謎が多いこと、また「米空軍のスペースプレーン」という怪しい響きも手伝い、その目的を巡っては多くの憶測がなされてきた。だが、その多くはナンセンスなものばかりだ。 例えば「軌道上にいる他国の軍事衛星などを偵察しているのでは」という説がある。これは英国の歴史ある宇宙開発の広報・普及団体「英国惑星間協会」(The British Interplanetary Society)が2012年、その機関紙の中で「X-37B OTV-2が、中国の宇宙ステーション『天宮一号』を偵察した」と題する論考を掲載したことが発端となり、さらにそれを真に受けた英国の放送局BBCがニュースとして報じたことで、大きく広まることとなった。 この憶測の根拠は「X-37Bの軌道が『天宮一号』に近いため」ということであった。確かに両機の軌道の高度や軌道傾斜角は近かった。し
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