人間とロボットが手を携え、力を合わせて仕事をする。そんな未来社会の構図が、自動車工場などの製造ラインでは現実になりつつある。産業用ロボット製造大手のファナックが3月に発売する協働型の「緑のロボット」は、これまで人間とロボットを隔ててきた安全柵を、独自の安全対策をほどこすことで乗り越えた。開発現場を指揮した同社の稲葉清典専務(37)に聞いた。 ――「緑のロボット」の開発の経緯は。 2013年秋、会社の組織改革にあわせて、ロボット事業本部の下に専門の開発チームを立ち上げた。ソフトウェア、制御装置などの要素技術を含めた総合的な力が必要で、全社を巻き込むプロジェクトになると考えたからだ。1年半かけて開発し、発売にこぎつけた。 ――開発でとくに力を入れた点は。 技術開発でいえばセンサーだ。人と一緒に働くのだから、危害を加えないよう、人に接触したら必ず止まらなければならない。そのため、力をきめ細かく検