生物の大量絶滅期に起きる温暖化と寒冷化は、大規模な火山活動や小惑星衝突で地下にある堆積岩が加熱される温度と時間で決まるという仮説を、東北大学の海保邦夫名誉教授が唱えている。地球では過去に5回、生物が急激な気候変動によって大量絶滅した時期がある。恐竜が絶滅した約6600万年前は小惑星が衝突して、上空に舞い上がったちりなどが日光を遮って寒冷化したとされる。ただ、絶滅につながった気候変動の多くは詳し
火星の有機物、COが起源 30億年前、大気中から―東工大など 時事通信 社会部2024年05月15日07時08分配信 約30億年前の初期火星の想像図。海が存在し、大気中では有機物が一酸化炭素から作られ、地表に堆積していたと考えられる。(東京工業大、Lucy Kwok氏提供) 米航空宇宙局(NASA)の火星探査車による掘削調査で約30億年前の火星の堆積物から見つかった有機物は、大気中にあった一酸化炭素(CO)から生成されたことを東京工業大などの研究チームが突き止めた。初期の地球でも同様の仕組みが考えられるといい、生命の起源を解き明かす手掛かりになると期待される。論文は14日までに、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに掲載された。 〔写真特集〕火星の地表 火星の有機物に含まれる炭素は、植物の光合成から作られる地球の有機物と比べ、炭素13という同位体の比率が極端に少ない。ただ、その理由はよく分か
太陽表面で大規模な爆発現象「太陽フレア」が発生したのを受け、北海道でも空が赤く染まるなど、世界各地でオーロラが観測された。情報通信研究機構(NICT)によると、地球の磁気が乱れる「磁気嵐」が発生しており、数日続く見込みという。 米航空宇宙局(NASA)などの観測では、最大規模となる「Xクラス」のフレアが8~10日に計6回発生した。これに伴って高エネルギーの粒子が放出され、地球の磁場を激しくかき乱す磁気嵐が起きた。オーロラも発達し、普段は見られない低緯度でも見られたという。 NICTによると、短期間にこれほどのフレアが発生するのは18年以上ぶりという。北海道雄武町では11日午後8時ごろ、北北東の空がうっすらと赤黒く光っているのが肉眼でも確認できた。 オーロラが日本で見られたという記録は古くからあり、日本書紀は620年に「天に赤気(せっき)有り。長さ一丈余なり。形雉(きじ)尾に似れり」とある。
オーロラの影響でピンクに染まる空と、その光を映すオホーツク海。右は知床半島(20秒間露光)=北海道斜里町で2024年5月11日午後11時34分、貝塚太一撮影 太陽表面で起きる爆発現象「太陽フレア」が8日から繰り返し大規模に発生していることから、国立研究開発法人「情報通信研究機構」は11日、全地球測位システム(GPS)の位置情報や無線通信などに障害が発生する恐れがあるとして注意を呼び掛けた。この影響で非常に大きな磁場の乱れ「磁気嵐」が発生。北海道や東北、本州の日本海側など、各地でオーロラとみられる現象が観測された。 同機構によると、最大級の「Xクラス」の太陽フレアが8日から11日までに計7回発生。11日午前10時23分に発生した太陽フレアは、その中でも最大規模だった。3日間(72時間)で7回のXクラスが発生したのは、観測史上初めてという。
大地震前兆現象の仕組み解明 上空の電子変化、予知に期待―京都大 時事通信 社会部2024年04月19日14時01分配信 京都大の時計台=京都市左京区 地震の規模(マグニチュード)が6.0以上の大地震発生前に上空で電子の数が変化する現象について、京都大の研究グループは19日までに、プレートや断層の粘土に含まれる水分が地震前の微小な震動で帯電し、上空に電気が伝わることで生じると発表した。 津波、1分で沿岸到達か 東北大が分析―能登地震 京都大大学院の梅野健教授(数理工学)は「前兆現象の仕組みを科学的に示すことができた。大地震を予知して警戒を促すシステムの実現が期待できる」と話している。研究成果は3月、国際学術誌の電子版に掲載された。 東日本大震災や熊本地震、能登半島地震などでは、地表から約300キロ上空にある電子が集まる「電離圏」で、発生約1時間前に電子の数に変化が生じる現象が観測されている。
鳥島近くで海底噴火 昨年10月の津波原因か―海保 2024年04月01日14時28分配信 【図解】伊豆諸島・鳥島近海に海底火山噴火の痕跡 海上保安庁は1日までに、伊豆諸島・鳥島近くの海底火山「孀婦(そうふ)海山」で噴火が起き、新たに火口が形成されていたことが分かったと発表した。昨年10月9日に鳥島近海で発生した地震と津波の原因である可能性が極めて高いという。 海を経由した地震波で震度1~2 10月宮崎・鹿児島で観測―鳥島近海から伝わる・気象庁 同庁は今年1月に測量船「拓洋」で鳥島近海の海底地形を調査し、エネルギー・金属鉱物資源機構が2022年12月に調査したデータと比較した。その結果、鳥島南方にある孀婦海山のカルデラ内に直径約1.6キロの火口が新たに形成され、火口の北側斜面が長さ約4キロ、幅約1キロにわたって崩壊していることが判明した。 社会 台風・大雨・地震 最新情報 地震・噴火・津波
もし何億年も前の時代にタイムトラベルしたなら、地球はまるで映画『スター・ウォーズ』に出てくる惑星ホスのような姿をしていることだろう。凍りつくように寒く、陸地と海をほぼ隙間なく覆う果てしない氷の世界を、乾いた空気が吹き抜けていくのだ。「スノーボールアース」として知られるこうした全地球規模の凍結状態は、少なくとも2回、どちらも6億年以上前に発生している。世界が巨大な氷の球に変わってしまうなど、何か
能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市では、防潮堤や海沿いの岩礁がおよそ4メートル隆起したことが専門家の現地調査で確認されました。能登半島の北側では過去に大規模な地震が繰り返してできたとみられる階段状の地形があることから、専門家は「4メートルもの隆起はめったにないことで、数千年に1回の現象だ」と指摘しています。 目次 調査グループ 鹿磯漁港周辺でおよそ4メートル隆起を確認 【ドローン映像】輪島 門前町黒島町付近 今回の地震で石川県の能登半島の北側では海底が露出するほど地盤が隆起している地点が確認され、専門家による「令和6年能登半島地震 変動地形調査グループ」の調査では東西およそ90キロの範囲で陸域がおよそ4.4平方キロメートル海側に拡大したことが分かっています。 産業技術総合研究所地質調査総合センターの宍倉正展グループ長は、地盤の隆起が確認された輪島市門前町の鹿磯漁港周辺で調査を行い
原始惑星衝突の残骸か 地球マントル最下部の塊―国際チーム 2023年11月02日04時37分 約45億年前の地球に別の原始惑星が衝突した想像図(国際研究チーム、ヘルナン・カニェラス氏提供) 地球のマントルの最下部には、太陽系初期の約45億年前に火星サイズの原始惑星が衝突した残骸の塊が存在する可能性があると、米アリゾナ州立大などの国際研究チームが2日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。この衝突は「ジャイアント・インパクト」と呼ばれ、月の誕生につながったと考えられている。 活発な火山活動、大気も? 90光年先、地球サイズの惑星―国際チーム 地球内部は金属の核と岩石のマントル、地殻で構成される。マントル最下部には地震波が伝わる速さが周囲と違う領域が2カ所あることが知られ、古い海洋プレートが深く沈み込んで蓄積しているとの見方があった。 これに対し、研究チームはコンピューターで衝突のシミュレーショ
地球のまわりの磁場が乱れる「宇宙嵐」は、地球起源のプラズマによって発達する――。名古屋大などの国際研究チームが、そんな研究成果を発表した。 「太陽からきたプラズマが宇宙嵐を強める」とする通説を覆す内容だ。 太陽の表面で爆発が起きるなどして太陽風が強まると、地球のまわりの磁場が乱れて宇宙嵐(磁気嵐)が起きる。上空ではオーロラが活発になるほか人工衛星に悪影響があり、地上ではGPSや携帯電話の障害、大規模停電などの恐れがある。 こうした宇宙嵐は、太陽風で運ばれてくるプラズマ(水素イオンなど)が増えることで発達すると考えられてきた。 ただ、水素イオンが太陽から来たか、地球から出たものか見分けることができなかった。 今回、太陽風だけに含まれる…
「九尾の狐(きつね)伝説」で知られる栃木県那須町湯本の国指定名勝「殺生石」で、イノシシ8頭の死骸が見つかっていたことが9日分かった。群れで行動するうちに付近に迷い込み、硫化水素などの有毒な火山ガスを吸ったとみられる。殺生石周辺でタヌキといった動物の死骸が発見されることはあるが、関係者は「これだけまとまった動物の死骸は聞いたことがない」と驚いている。 殺生石園地を管理する環境省日光国立公園那須管理官事務所によると、7日午前10時20分ごろ、業務のために殺生石を訪れた同事務所職員が死骸を発見。8頭のうち成獣は3頭で一回り小さな幼獣が5頭。いずれも園地内で特に硫化水素や亜硫酸ガスの発生が多いとされる殺生石の右奥付近に横たわっていた。 同事務所は県などに相談し、豚熱感染によるものではないと判断。翌8日午前9時半から同事務所と那須町などの職員計8人で死骸の回収作業を行った。死骸は8日のうちに焼却処分
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諏訪湖の「釜穴」、メタンが原因 地下深くから湧き出る―海洋機構など 2022年06月15日16時08分 凍結した諏訪湖の湖面に現れた「釜穴」=2022年1月(海洋研究開発機構提供) 冬季の長野県の諏訪湖で湖面の氷に「釜穴」と呼ばれる大きな穴が生じるのは、湖底の地下深くから湧き出るメタンが原因であることが、海洋研究開発機構や信州大などのグループの研究で分かった。論文は15日、米化学会の学術誌に掲載された。 スマホ画面、なぜ割れる? 世界初、再現に成功―AGCなど 諏訪湖は湖面が凍り付いたときでも、直径数メートルから数十メートル程度の大穴が複数開く。湖底からのガスなどが原因と言われていたが、詳細は分かっていなかった。 研究グループは、活発に湧き出る場所のガスを採取して詳細に分析。その結果、地中深くにある炭素を起源とし、約4万年前に生成されたメタンを多く含むことが分かった。 湖底の表層でもメタン
地層に設置されたゴールデンスパイクを見学する小出譲治市長(右)や岡田誠・茨城大教授(手前)ら=千葉県市原市で2022年5月21日、浅見茂晴撮影 日本の地名が初めて地質時代の名称に用いられ、「チバニアン(千葉時代)」と命名されるきっかけとなった千葉県市原市田淵の地層に、世界標準と認定されたことを示す銘板「ゴールデンスパイク」が設置された。21日に記念式典が開かれ、関係者にお披露目された。 この地層は「千葉セクション」と呼ばれ、約77万年前に地球のN極とS極が最後に逆転した痕跡が残っている。国際地質科学連合(IUGS)は2020年、磁場が反転する前の時代「カラブリアン」との境目が最も観察しやすい場所として「国際標準模式地」(GSSP)に認定。このことがきっかけとなり、77万4000年~12万9000年前の「新生代第四紀中期更新世」は「チバニアン」と命名された。 GSSPには、慣例でゴールデンス
東京湾アクアラインの海底トンネル。右側斜面に一定間隔でミュー粒子の検出器が設置されている=田中宏幸・東京大教授提供 2021年9月末~10月初めに台風16号が日本列島沖合を北上した際、気圧の変化などで生じる「気象津波」が東京湾で起きていたことが、田中宏幸・東京大教授ら研究チームの解析で分かった。物質を通り抜ける素粒子(ミュー粒子)を用いて津波を観測したのは世界初という。気象津波では今年1月、トンガ沖の火山噴火で約8000キロ離れた日本に1メートル超の津波が及んだ原因として注目されている。 田中教授は「気象津波は世界中どこでも起き得る。各国の海底トンネルに観測機器を設置すればメカニズム解明につながるだろう」としている。
トンガ海底火山の噴火で、漁船が転覆するなどの被害が出た=高知県室戸市で2022年1月16日午前10時24分、本社ヘリから撮影 南太平洋のトンガ沖で1月に起きた海底火山の噴火により、日本各地で起きた潮位の上昇。その「正体」はよくわかっていなかったが、気象庁は4月にまとめた報告書で、「ラム波」という大気中の現象が原因の一つだとした。いったいどんな現象なのか。 日本時間の1月15日、フンガ・トンガ・フンガ・ハアパイ火山が、噴煙が高さ30キロに達する大規模な噴火を起こした。その約8時間後から日本の太平洋沿岸で潮位変化が観測され、鹿児島県奄美市や岩手県久慈市で1メートルを超えた。気象庁は16日未明、太平洋沿岸の各地に津波注意報や津波警報を発表。養殖施設の損傷や漁船約30隻が転覆するなどの被害が出た。 不思議だった特徴が二つある。①最初の潮位変化が、通常の津波の到達予測よりも3~4時間早かった②それよ
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