国立天文台などは、生命に必須の元素であるリンが新星爆発でできたとする説を発表した。新星爆発は恒星進化の最終段階にあたる白色わい星の表面で起きる。これまでリンは、質量が大きい恒星が寿命を迎える超新星爆発で生まれたとされてきた。ただ銀河系内のリンの総量に比べて生産量が少ないため
東京大学などはオーロラの一種で夜空が淡く明滅する「脈動オーロラ」の発生のメカニズムを解明した。探査衛星「あらせ」による観測で突き止めた。地球を取り巻く宇宙空間の環境を深く理解するのに役立つ成果だ。英科学誌ネイチャー(電子版)に15日掲載される。脈動オーロラは、カーテン状に明るく輝くタイプのオーロラが夕方から真夜中にかけて夜空を舞った後、朝方にかけて出現する。東大の笠原慧准教授らは、北極域の上空
以前より 湧き出す熱水や 水の氷 などが観察されていた「 準惑星ケレス 」ですが、今回新たに研究者によって「 有機化合物 」の存在が確認されました。有機化合物は地上の生命体に必要不可欠なことから、今後は同準惑星での生命探査への期待が高まります。 今回の有機化合物は、 探査機「ドーン」 の可視・赤外マッピング分光計によって観測されました。ケレスでは以前から塩分やアンモニアなども観測されており、サウスウエスト・リサーチ・インスティチュートのシニアリサーチサイエンティストのSimone Marchi氏は「ケレスは生命に必要な重要な成分を含んでいる」と声明にて語っているのです。 また、有機化合物が発見されたのはケレスの北半球に位置する、Ernutetクレーターのそば。有機化合物の組成はまだはっきりしませんが、タールに近いグループに含まれると予測されています。また研究者は、この有機物は隕石などで
南米チリのラ・シーヤ天文台上空に輝く天の川銀河(2012年1月11日撮影、資料写真)。(c)AFP/HANDOUT/ESO/Z. BARDON 【6月15日 AFP】星間空間の生物学研究に重要な意味を持つ有機分子がこのほど発見されたと専門家らが14日、発表した。発見は、ある「長年の謎」を解く鍵となる可能性を秘めているという。 人間と同様に、宇宙を構成する有機分子にも、キラリティー(掌性)として知られる「右利き」や「左利き」といった性質がある。地球上の分子の多くは「左利き」だが、その理由は不明となっている。 このほど発見された星間分子は、太陽系外で発見されたものとしては最も複雑で、星間空間で発見された初のキラル分子だ。 米国立電波天文台(NRAO)は声明を発表し、酸化プロピレン分子が「銀河系中央付近のちりとガスの巨大な星形成領域の中で」見つかったと述べた。 科学者らは超高感度の電波望遠鏡を用
欧州宇宙機関(ESO)の無人探査機「ロゼッタ」が捉えた67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の画像(2014年9月19日撮影)。(c)AFP/ESA/Rosetta/NAVCAM 【10月29日 AFP】欧州宇宙機関(ESA)の無人探査機「ロゼッタ(Rosetta)」を伴い8月に太陽に接近通過した彗星(すいせい)に、予想外の大量の酸素が存在することが分かったとの研究結果が28日、発表された。 米ミシガン大学(University of Michigan)の科学者、アンドレ・ビーラー(Andre Bieler)氏は、今回の発見は「大きな驚き」であり、太陽系形成に関する通説を覆すものだと述べている。 観測データは、67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/Churyumov-Gerasimenko)を取り巻くガス中の酸素分子(O2)が、彗星が形成される「以前か、その最中」に存在していたこ
大量のアルコールを噴きだしていることがわかったラブジョイ彗星(今年1月撮影、和歌山県のみさと天文台提供) 【ワシントン=三井誠】米航空宇宙局(NASA)は23日、太陽に今年初めに最接近して話題になった「ラブジョイ彗星(すいせい)」が噴き出すガスには21種類の有機分子が含まれるとする研究結果を発表した。 NASAによると、有機物はこれまでも別の彗星で見つかっていたが、今回は、飲む酒の成分であるアルコール(エチルアルコール)を初めて確認した。その量は、太陽に接近しているときには毎秒でワインボトル500本分にもなるという。NASAは「(愛と喜びの言葉をつなげた)ラブジョイという名前にふさわしい」とコメントしている。 研究チームは今年1月、スペインにある大型望遠鏡を使って、ラブジョイ彗星の大気をマイクロ波と呼ばれる電波で観測し、含まれている分子の種類や量を推定した。
隕石(いんせき)の衝突でできたロシア・シベリア地表の巨大クレーターで見つかったダイヤモンドが、極めて硬い「ナノ多結晶ダイヤモンド」と分かったとの研究成果を、愛媛大地球深部ダイナミクス研究センターのチームがまとめ、このほど英科学誌電子版に発表した。チームによると、約3500万年前の隕石衝突時の超高圧と高温により、地表付近にあった炭素の塊「単結晶グラファイト」が変化しダイヤになったとみられる。ナ
宇宙閉鎖空間における生命維持のためには、酸素の供給と二酸化炭素(CO2)の除去が必要不可欠です。私たちの研究グループでは、燃料電池を用いてCO2を有効利用する新しい研究を進めています。第一段階では、CO2を還元しながら発電する新規な燃料電池の研究と、それを用いる次世代空気再生システムの開発を行っています。第二段階では、CO2を還元して資源化する究極の炭素循環システムを目指します。本稿では、私たちの取り組みについて紹介します。 宇宙閉鎖空間とCO2の除去 CO2は地球上ではほぼ無尽蔵に存在し、自然界で循環しています。CO2固定化の典型例が光合成ですが、化石燃料の使用による大気中CO2濃度の増加は、CO2固定化を上回る勢いです。それによる大気組成の変化が、地球温暖化の要因としてたびたび取り上げられていることは周知の通りです。 地上の生活空間におけるCO2濃度は現状で0.03%程度ですが、これが
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と中外製薬は20日、国際宇宙ステーション「きぼう」の日本実験棟で、微小重力環境を利用したたんぱく質の高品質結晶の生成実験を行うと発表した。重力が小さい状況ではたんぱく質がきれいな形で結晶化する。中外製薬が得意とする抗体医薬で
理化学研究所(理研)と東京大学の2者は10月4日、大阪大学・核物理研究センター、東北大学、東京理科大学、立教大学、会津大学、日本原子力研究開発機構、伊・レニュアーロ研究所との国際共同研究により、質量54(陽子20・中性子34)という重いカルシウムの放射性同位体「54Ca」の研究から、新しい魔法数「34」を発見したことを理研 東京連絡事務所にて共同で発表した。今回は、その模様をお伝えする。 成果は、理研 仁科加速器研究センター 櫻井RI物理研究室のDavid Steppenbeck(デービッド・ステッペンベック)元国際特別研究員(現・東大 原子核科学研究センター 特任研究員)、同・武内聡協力研究員らの国際共同研究チームによるもの(画像1・2)。また研究の詳細な内容は、日本時間10月10日付けで英科学誌「Nature」に掲載された。 記者会見は、以上の2名に加え、東大 原子核科学研究センターの
物質を構成する原子に含まれる「原子核」は、中性子や陽子が特定の数の場合に安定するため、その数は物理学の世界で「魔法数」と呼ばれています。 この「魔法数」はこれまで、2や8など10種類だけが知られていましたが、理化学研究所などの研究グループが11番目の「魔法数」を見つけ、イギリスの科学誌「ネイチャー」で発表しました。 物質を構成する原子の中心には「原子核」があります。 その「原子核」が安定するのは、中の陽子と中性子が特定の数の場合で、その数は物理学の世界で「魔法数」と呼ばれています。 これまで魔法数は、2から126まで10種類が確認されていて、例えば中性子と陽子の数がともに「魔法数」の2であるヘリウムは非常に安定しています。 また、8も「魔法数」の1つで、中性子と陽子がともに8つある酸素の原子核も安定性が際立っています。 こうしたなか、理化学研究所と東京大学などの研究グループが加速器と呼ばれ
【瀬川茂子】レアアースを使い、温度によって色が変わる塗料「カメレオン発光体」を開発したと、北海道大の長谷川靖哉教授らのグループが10日発表した。250度からマイナス100度までの幅広い温度を検知する温度計として使うことができるという。 グループは、2種類のレアアースを組み込んだ高分子を開発。紫外線を当てると低温では緑、中温は黄色、高温は赤く輝く。 温度によって発光強度が変わる塗料は、宇宙船が大気に突入する際の表面温度を観察する研究などに使われているが、これまでは150度程度で分解し、高温では使用できなかった。今回開発した塗料は、250度からマイナス100度まで1度の差もわかり、300度でも耐えられる。 航空機や自動車の表面に塗り、超高速で動かす実験で、機体の表面温度がどうなるのかを調べることができるという。「さらに工夫して500度まで耐える発光体を開発したい」と長谷川教授は話している
<ベクトラン> 一般名称 高強力ポリアリレート繊維 販売形態 ショートカット繊維、フィラメント、紡績糸、不織布、織物 <ベクトラン>は、1990年に(株)クラレが世界で初めて工業生産を開始したポリアリレート系高強力繊維です。分子と分子の結びつきが非常に強い液晶ポリマーを原料としているため、引っ張っても切れにくいこと(高強力)が最大の特徴です。さらに、「水を吸いにくい」(低吸湿性)、「伸びにくい」(寸法安定性)、「摩耗に強い」(耐磨耗性)などの特長を備え、世界各地で多様な産業の発展に寄与しています。ロープ、各種テンションメンバー、安全防護、航空宇宙、漁網、スポーツ用品、複合材料などに使われています。NASAの火星探査車の着陸用エアバックや、日本の「成層圏プラットホーム構想」に使われる飛行船にも採用されました。
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