本記事は、生活困窮から「犯罪」に手を染める高齢者の現状を見ていきます。※本連載では、高齢者が貧困に陥るきっかけとなる無駄な医療を受けずに、人生をまっとうするために知っておくべきことについて、データを基に解説します。 「犯罪」に手を染める高齢者たち 貧しい高齢者が増えている現状は、生活保護受給者の増加という形でも示されています。厚生労働省の「生活保護の被保護者調査」によれば、2015年度末の生活保護受給世帯数は163.5万世帯。このうち高齢者世帯は82.7万世帯で、半数以上を占めます。 また、2014年度末時点で生活保護を受けていた高齢者世帯は、74.4万世帯。たったの2年間で、11%も増えています。 経済的に追い込まれ、罪を犯してしまう高齢者も少なくありません。法務省の「平成27年版犯罪白書」によれば、1994年当時、窃盗による検挙総数は16.5万人でした。これに対し、2014年には13.