すれ違いファースト・コンタクト SFに「ファーストコンタクト」というジャンルがあります。全く異なる知能と文化体系をもった知的生命と人類とが最初に接触したときに、どのように意思疎通するか、その後何が起きるかを描いたもので、想像力の極限が試されるジャンルです。魅力的な作品が沢山あるのですが、「知的能力にあまりの差があるために、人間が無視される」というのもあります。 恒星間の距離を克服して地球近くに飛来できるほどの知力は、人類のそれとはほど遠いでしょうから、「無視」というのは、一番ありうるケースだとも言えます。 このジャンルのSFで最も有名なのは、アーサー・クラークの『宇宙のランデブー』(原題:Rendezvous with Rama。ハヤカワ文庫SF、改訳決定版 2014)でしょう。 これがあまりに傑作であったために、クラークと他の著者の共著による続編、続々編、続々続編が何冊も書かれました。