新しく定められたメートル法を用いるフランスの一般市民。1795年の版画。パリのカルナヴァレ美術館所蔵。(BRIDGEMAN/ACI) 数学者であり作家でもあったフランスのコンドルセ侯爵(1743-1794年)は、貴族でありながら初期のフランス革命に対して寛容だった。ルイ16世の処刑に反対した彼は、恐怖政治下で身を隠すことになるが、その間に科学と理性が導く未来を描いた『人間精神進歩の歴史』を著している。逮捕されると、侯爵は死刑を待たずに獄中で自殺した。 コンドルセの精神はしかし、今も世界中で採用されている計測方法の中に生きている。メートル法(メトリック法)だ。「人々が真に平等であるため、また真に自由であるため」には、普遍的で統一された基準によって人々が自らの利益を計算できるようになることが必要だと彼は考えた。 乱立しすぎた単位 1789年のフランス革命当時、パリは世界における科学の中心地だっ