ウクライナ南部ヘルソンで2022年11月14日、ロシア軍が撤退して3日がたってもなお中心部の広場に集まり、解放を祝う人たち=喜田尚撮影 ヘルソン州は大河ドニプロ川をはさみ、西岸・東岸の両地域に分かれる。ロシアが一方的に併合したクリミア半島の北隣にある要衝の地だ。 州都ヘルソンを含む西岸は、ウクライナ軍が11月中旬、解放した。ちょうどそのころ、州都から北東約50キロの村に住むグリゴーリー・ベルミエンコさん(68)は、妻ナタリヤさん(66)とともに自家用車で首都キーウへ脱出した。営んでいた養鶏業の会社は、ロシア兵が建物を占拠、兵舎に変えてしまったという。(以下、敬称略) ヘルソンから避難したグリゴーリー・ベルミエンコさん(右)と、妻のナタリヤさん=岡野直撮影 ――ロシア軍に占領されて、住民にとって、最もつらかったことは。 グリゴーリー 私たちは今月中旬までドニプロ川に近い西岸地域のガブリロフカ