偶然を飼いならす 統計学と第二次科学革命 イアン・ハッキング 木鐸社 1999 Ian Hacking The Taming of Chance 1990 [訳]石原英樹・重田園江 かつて「偶然」に立ちはだかっていた決定論。 その決定論を切り崩していった統計学と確率論。 これですっかり「たまたま」は剥き出しになった。 そして、みごとに飼いならされたのだ。 そして統計官僚が出現し、 「正常」と「そうでないもの」を分断していった。 これは近代国民国家による悪夢なのだろうか。 それとも今日に及ぶ金融工学がもたらした 統計的社会観の凱歌なのだろうか。 Q=今夜の「千夜千冊」は何ですか。リスク論の次ですよね。 A=うん、もう決めているんだけれど、それに答える前に、ぼくが『たまたま』から連環篇を始めたのはどうしてだったと思う? Q=いえ、わかりません。たまたまだったんじゃないですか。 A=ハハハハ、ま