本稿では、福岡市若年層方言における引用や伝聞などを表すッテについて、標準語の「って」と対比しながら記述を行った。その結果明らかになったのは、以下の3点である。(a) ッテは伝聞の用法においては、ト(標準語のノダに相当する)に接続することはできない。文末詞はヨ・ネ・ゼ・サが共起できる(引用・伝聞の場合)。(b)ッテの基本的な用法は、襟準語の「って」と同じく引用と伝聞である。また、話し手との知識・認識のずれを明示する用法がある。ノダ文に接続するッテは文末詞的な用法をもち、ッテが接続した文が「一連の発話のうち、話し手の最も伝えたいことである」ことをマークする。また、「そうトッテ」という表現は、「開き手の認識との一致」を表す。(c)ノダ文に接続するッテの用法(最も伝えたいことをマークする)は、話し手をの知識・認識のずれを明示する用法が拡張したものであると考えられる。また、伝聞には非ノダ文を、最も伝
日本のタイプデザイナー 個人的な興味から、日本のタイプデザイナーをまとめてみました。敬称略。 石井茂吉(いしいもきち) 1887年生まれ。東京都出身。 「写研」の創業者。森澤信夫(モリサワ創業者)と写真植字機を共同開発し、また数多くの美しい書体を生み出した。『石井明朝体』『石井ゴシック』など、質の高い書体の数々は後世に影響を与えた。 君塚樹石(きみづかじゅせき) 1900年生まれ。活字彫刻師で、精興社書体を作ったことで有名。 佐藤敬之輔(さとうけいのすけ) 1912年生まれ。 稲田茂(いなだしげる) 1928年生まれ。『昭和モダン体』 小塚昌彦(こづかまさひこ) 1929年生まれ。東京都出身。「Adobe」『小塚明朝』『新ゴ』 第6回佐藤敬之輔賞・個人部門 橋本和夫(はしもとかずお) 1935年生まれ。大阪府出身。「モトヤ→写研→イワタ顧問」 佐藤英夫(さとうひでお) 1938年生まれ。東
12月16日(月)まで国立新美術館にて開催されている、『カルティエ、時の結晶』が、これまでにない初めての試みを行い、世界中から注目されています。国立新美術館・主任研究員であり、『カルティエ、時の結晶』の監修者である本橋弥生さんが、J-WAVE 81.3FM GOOD NEIGHBORS(毎週月-木曜日13:00-16:30 ナビゲーター クリス智子)にゲスト出演。本展覧会の魅力を語りました。 本橋さんは、2003年の国立新美術館設立準備室の創設から現在まで同館に勤務。現在は主任研究員に。これまで手がけた主な展覧会は2007年開催の『スキン+ボーンズ––1980年代以降の建築とファッション』、2016年開催の『MIYAKE ISSEY展:三宅一生の仕事』、2017年開催の『ミュシャ展』などがある。 「今回の『カルティエ、時の結晶』では、キュレーターを担当しました。私のテーマとしては、常に新し
制作期間10余年、数十人規模の制作チーム、かつて膨大な手作業により指紋が消失する者もいた。――― これは巨大な建造物ではなく、“辞書”という1冊の本の話です。2019年9月、大型国語辞書『大辞林』(三省堂)から、13年ぶりの全面改訂となる第4版が刊行。本記事は、映画「舟を編む」の制作にも関わった編集長・山本康一さんへのインタビュー企画・第2回となります。 今回は、一冊の本に製本できない可能性もあったという「国語辞書の“物理的限界”」「“ネットで辞書が無料で引ける時代”の問題点」などについて伺いました。 取材参加者 山本康一さん:『大辞林』第4版編集長 ながさわさん:数百冊の辞書を保有する辞書コレクター。暇さえあれば辞書を引いている ねとらぼ編集部 国語辞書の“物理的限界” ――― 大辞林第4版は3200ページ。本として考えるとかなりの大きさですが、刊行するうえでの苦労は? 編集長:実は製本
富山県射水市(いみずし)近辺にはインド、パキスタンなど多数の南アジア料理店が点在する。 元々は、90年代から中古車輸出業を営むパキスタン人が多く在住し、ムスリムに提供するために営業していたが、現在では中古車輸出業の経営者の多くが飲食業をサイドビジネスとするようになり、射水市・高岡市を中心に急増。地元でも口コミで広がり、リピーターの中では、“射水”と“パキスタン”を合わせ「イミズスタン」と呼ばれているエリアだ。 各店は、元々パキスタン人向けに作られていたため、日本のインド料理店によくある「バターチキンカレー」や大きな「ナン」だけに留まらず、羊のスネ肉を使った「ニハリ」、モツ肉の「オジリ」、脳みその「マガズ」なども取り揃える。 その中でも人気メニューが、肉と豆を煮込んだシチューのような料理「ハリーム」だ。 具材の原型がなくなるまで、我慢強く約10時間煮込むことから、ペルシャ語で「忍耐」という意
泉屋博古館分館で11月9日から開催されている「金文展」に行ってきた。 僕が見てきたのは、開催前日に行われた「ブロガー内覧会」というもので、ようは記者は先行して見ていいよというヤツである。そういうわけで本来撮影禁止のところ、許可を得て撮影ができたので、ここでレポートしたい。 泉屋博古館分館は、東京メトロ南北線の六本木一丁目駅から一瞬で着く場所にある。 駅周辺にも金文展の宣伝ポスターやのぼりがたくさん貼ってあり、それを辿っていくと着いた。 18時なのでもう暗い。 入ると最初に広いところに出る。 ここにはモニターが設置されており、漢字の歴史を紹介したり金文とはなんぞやというビデオが流れていた。ビデオはあやしげな字源説を紹介したり、大盂鼎を「大孟鼎」と紹介していたり、正直あんまり良い印象はなかった。 展示スペースに入ると青銅器が並んでいた。 各青銅器は器種ごとにまとめられており、おおむね時代順に並
巻いたり、折ったり、貼り合わせたり……古い書物にはいろいろな形、大きさ、デザインがあります。そんな装丁の違いや、さまざまな姿によって分かる、古典籍の性格についてお伝えします。 「巻物」から「袋綴」まで 木や竹に文字を記した木簡(もっかん)や竹簡(ちっかん)を除けば、東アジアの書物で最も早く登場したのは、巻物。私たちは「巻子本(かんすぼん)」と呼んでいる。紙を継ぎ足せばどんどん長くでき、巻くだけだから、作るのに特別な道具や技術を必要としない。単純な形態だ。 巻子本を見る時、通常は、全てを広げるのではなく、右手で見た箇所を巻き取りながら、左手で新しい箇所を開いてゆく。一度に肩幅くらいの長さしか開かないため、最後まで見るには時間がかかる。見たい箇所をパッと開くこともできないので、調べものには不便であり、巻き取りの手間があるため、読むのにある程度時間がかかる。 そこで登場したのが「折本(おりほん)
《ヘッドがない!》ヘッドレスギター特集 [記事公開日]2023/3/12 [最終更新日]2023/9/30 [ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡 EGO「Super7 Earth Colors / Hard Tail」 「ヘッドレスギター」とは、その名の通り「ヘッドの無いギター」のことです。「弦楽器には必ずヘッドがある」という常識が覆されたのは1980年のことで、世界初のヘッドレスギターを開発したスタインバーガー社はこの時代の音楽シーンを席巻しました。 標準的な弦長のままコンパクトなサイズ感を達成 伝統的なスタイルから一歩抜きんでた未来感のあるルックス といった特徴が支持され、現在ではさまざまなブランドからヘッドレスギターがリリースされています。そこで今回は、ますます注目度を高めているヘッドレスギターに関していろいろ見ていきましょう。 ヘッドレスギターの構造と特徴 「ヘッドが無い」という
ヤフー株式会社は、2023年10月1日にLINEヤフー株式会社になりました。LINEヤフー株式会社の新しいブログはこちらです。LINEヤフー Tech Blog こんにちは。PayPayモールのエンジニア関と、Yahoo!ニュースのデザイナー萩野です。 皆様、突然ですがPortalsをご存じでしょうか。 Portalsとは、新しいHTML要素です。2019年11月11日〜12日にサンフランシスコで開催された「Chrome Dev Summit 2019」(以下CDS)でも紹介されました。 本記事では、Portalsが可能にする新しいWebでの体験をご紹介します。 Portalsとは? なにができるの? Webブラウザー上でユーザーにとって良い体験を提供するためには、表示速度の向上が欠かせません。 Portalsを利用すると、画面遷移の体感速度を向上させることが可能です。 まずはこちらの比較
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く