タグ

ブックマーク / synodos.jp (205)

  • タイ総選挙と憲法裁判所――タイでは、いま何が起きているのか?/外山文子 - SYNODOS

    「微笑みの国」とも称されるタイは、2006年の軍事クーデタによりタックシン政権が打倒されて以降、政治的混乱が続いている。通称「赤シャツ」、「黄シャツ」と呼ばれるデモ隊の衝突は、ここ数年間、海外のメディアでも幾度となく報道されてきた。 2011年7月の総選挙でタックシン派のタイ貢献党が勝利をおさめ、タックシン元首相の末の妹であるインラックが首相に就任した。しかし昨年、同政権が2007年憲法の改正や恩赦法の制定を試みたことを契機に、再び首都バンコクの中心部で大規模な反政府デモが展開されるようになった。 デモ隊の圧力を受けて、12月9日インラック首相は下院を解散し、今年2月2日に総選挙を実施する旨を発表した。しかし、最大野党である民主党が「我々は2月2日の選挙が真の改革に結ぶつくとも、制度に対する国民の信頼を回復できるとも信じない」として、総選挙のボイコットを決議したため、同総選挙の実施は極めて

    タイ総選挙と憲法裁判所――タイでは、いま何が起きているのか?/外山文子 - SYNODOS
  • 「呪術」という癒し ―― 東アフリカのザンジバルにおける呪術利用/井上真悠子 - SYNODOS

    「呪術」というと、科学を知らない「未開」な人々がおこなう、近代に背を向けたおどろおどろしいもの、というイメージを持たれるかもしれない。 私たちは呪術などという不可思議なものと自分とは無関係だと思いがちである。しかし、受験の際に「すべる」「おちる」などの言葉を忌避したり、縁結びのご利益があるというパワースポットを訪れること、また、いわゆる「おまじない」を試してみることも、ある種の呪術的行為であるといえる。つまり、呪術は私たちにとっても身近なものとしてとらえることができる。 東アフリカに位置するタンザニア連合共和国の東部に、ザンジバルという島嶼地域がある。ウングジャ島と、それより少し小さなペンバ島というふたつの島を中心とした多数の島々からなるこの地域は、古くよりインド洋交易によって栄えてきた。近年では先進国からのリゾート客を対象とした観光業の進展もあって都市化がすすみ、特にザンジバル最大の都市

    「呪術」という癒し ―― 東アフリカのザンジバルにおける呪術利用/井上真悠子 - SYNODOS
  • インドは「世界最大の民主主義国家」か?――競合的多党制のもとでの政党政治/三輪博樹 - SYNODOS

    インドは「世界最大の民主主義国家」か?――競合的多党制のもとでの政党政治 三輪博樹 インド政治、比較政治学 国際 #インド#インド人民党#世界価値観調査#中央選挙管理委員会#インド国民会議派#競合的多党制 現在ではやや言い古された感があるが、インドについてしばしば用いられる表現のひとつに、「世界最大の民主主義国家」というものがある。インドは民主主義国家の中で最大の人口を抱える国である、というのがその意味するところである。この表現はインド国内の報道などにも頻繁に登場しており、そこには、共産党の一党独裁国家である(すなわち、民主主義国家ではない)中国とは異なるのだというインド人の自負心や、経済的・戦略的な重要性という点で先を行く中国に対する対抗心なども見え隠れする。 インドが民主主義の国であると考えられている根拠は、連邦議会選挙と州議会選挙が定期的に実施され、その結果にもとづいて政権が樹立され

    インドは「世界最大の民主主義国家」か?――競合的多党制のもとでの政党政治/三輪博樹 - SYNODOS
  • 効率化の世界で、生きる場所を管理される人々――オーストラリアの先住民族政策を事例に/塩原良和 - SYNODOS

    福祉国家的な社会政策には、十全なシティズンシップ(市民権)をもった「国民」として生きる人々に対して、労働市場に依らずとも一定水準の生活が送れる状態、つまり労働力の脱商品化を通じた時間的自律性の感覚を保障することを目指した側面がある。 その象徴が「ゆとり」という言葉であった。福祉国家は人々のゆとりある生活を社会保障によって実現しようとし、そのような社会保障がデモクラシーを発展させるとも言われた(田村2012)。 しかし今日、こうした理想はネオリベラリズムやグローバリズムの興隆とともに旗色が悪くなっている。富の再分配によって弱者の社会的包摂を進めようとすることは経済政策の「スピード感」を鈍らせ、「自己責任」によって弱者に転落した人々を甘やかすものだとみなされつつある。それとともに、経済グローバリゼーションの進行が「時間短縮」の論理の社会的影響力を増大させている。競争相手に先んじて「素早く」成果

    効率化の世界で、生きる場所を管理される人々――オーストラリアの先住民族政策を事例に/塩原良和 - SYNODOS
  • インドIT産業とグローバル化の幽霊――繋がること、切りはなすこと、そして折りたたまれる世界/久保明教 - SYNODOS

    インドIT産業とグローバル化の幽霊――繋がること、切りはなすこと、そして折りたたまれる世界 久保明教 テクノロジーの人類学 国際 #インドIT産業#グローバル#IT-es#IT enabled service テレビや新聞でごく自然に用いられ、ありふれた表現となった「グローバル化」。しかし、この言葉が何を指しているのかは漠然としています。もちろん経済自由化を基盤にした交易範囲の拡大、インターネットを通じた情報の共有、地球規模の環境問題への取り組みといった個別のトピックは思い浮かびますが、ではそうした現象が私たちの生活をどのように変えてきたのかは必ずしも明確ではありません。ここでは、インドIT産業の発展とそこで働くインドの青年たちの日常生活をみていくことで、グローバル化が私たちの生きる世界にいかなる影響を与えているのかについて考えていきます。 インドのIT産業は、国外市場向けのソフトウェアの

    インドIT産業とグローバル化の幽霊――繋がること、切りはなすこと、そして折りたたまれる世界/久保明教 - SYNODOS
  • 2020年東京オリンピック――「ホームレス排除」のない社会を目指して/大西連 - SYNODOS

    2013年9月8日、2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会(以下「オリンピック」)の東京開催が決定した。僕はこのニュースを複雑な想いで聞いていた。オリンピック開催ともなると、スタジアムやインフラ設備など、街の再開発の規模は想像を超えたものとなるだろう。これまで歴史的にも、街の再開発と同時に、駅や公園、公共施設などで「適正化」と呼ばれる「ホームレス排除」がおこなわれてきた。 近年だと渋谷の宮下公園や、江東区の堅川河川敷などが有名だが、行政機関が、時に荒々しいやり方でそこに起居している「ホームレス状態の方」を追い出してしまうことも頻発している。 もちろん、駅や公園、公共施設等に無断で違法な形で寝起きすることは、必ずしも良いことだとは思わない。しかし、当事者の声を聞かずに、またきちんとした代替も用意せずに、ただそこから追い立てていくことは、彼ら・彼女らの最後の「居場所」をも奪ってしまう

    2020年東京オリンピック――「ホームレス排除」のない社会を目指して/大西連 - SYNODOS
  • なぜ、運動で社会は変わらずに、権力によって流されてしまうのか――戦争とプロパガンダの間に/伊勢崎賢治×伊藤剛 - SYNODOS

    なぜ、運動で社会は変わらずに、権力によって流されてしまうのか――戦争とプロパガンダの間に 伊勢崎賢治×伊藤剛 国際 #特定秘密保護法#プロパガンダ 「紛争屋」と、「伝えるプロ」が語り合う――実務家として紛争解決や武装解除をしてきた伊勢崎賢治と、コミュニティ分野での様々な企画を手掛けてきた伊藤剛。共に東京外国語大学大学院「平和構築・紛争予防コース」にて、平和コミュニケーションに携わる二人が、戦争とプロパガンダの関係について議論する(構成/山菜々子) 伊藤 今日は、「戦争とプロパガンダ」についてお話しできればと思います。 伊勢崎 まず、「特定秘密保護法」について話したいですね。と、いうのもこれは、プロパガンダにも関わって来る大事な話しです。着々と法制定に向けて進んでいますよね。この対談が活字になっている頃は、すでに可決されているでしょうが、これはまずいな、と感じています。 伊藤 伊勢崎さんの

    なぜ、運動で社会は変わらずに、権力によって流されてしまうのか――戦争とプロパガンダの間に/伊勢崎賢治×伊藤剛 - SYNODOS
  • 「第三者による検証」という言葉をとらえ直す――事故や災害の検証を行うべきは「誰」なのか/八木絵香 - SYNODOS

    事故や災害が発生する。そしてその再発防止のためには、責任追及とは切り離した形での検証(調査)を行うことが必要である、という主張がなされる。またこの再発防止のための検証は、「中立的な」もしくは「第三者的な」立場から行われることが肝要であるとされる。 これまでこの第三者的視点は、「専門家」の側から提示されることが常であった。そしてその対となる「被害者(遺族や負傷者やその家族など)」の言葉は、専門知識をもたない素人の意見として、怒りや悲しみの感情が先に立つ人々の主張として受け止められがちであった(*1)。 (*1)柳田邦男「この解説書の大きな意義 納得感のある開かれた事故調査への一歩」http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kikou.pdf (2013.9.24現在) また場合によっては、被害者の言葉は、客観性や科学性を重視すべき検証を妨げる

    「第三者による検証」という言葉をとらえ直す――事故や災害の検証を行うべきは「誰」なのか/八木絵香 - SYNODOS
  • 過去を生きた人びとに寄り添って――「島」から学ぶ、歴史社会学/社会学者・石原俊氏インタビュー - SYNODOS

    歴史社会学」という学問をご存知ですか? 「歴史学? 社会学? いったいどっちなの?」と疑問に思う方も少なくないかもしれません。今回の「高校生のための教養入門」は社会学者の石原俊先生に、ご専門である歴史社会学についてお話を伺いました。なんだか難しそうな雰囲気の漂う「歴史社会学」。石原先生が歴史社会学にのめり込むきっかけとなったのは、かつては忘れられていたという、ある「島」との出会いでした。(聞き手/金子昂、構成/倉住亮多) ―― 歴史社会学とはどんな学問なのでしょうか? 歴史社会学は、社会学のおおもとになる分野だと私は思っています。社会学の歴史は、だいたい150年程度しかありません。政治経済学歴史学などに続くかたちで19世紀に社会学が誕生しました。社会学は、いわゆる「近代」と呼ばれる社会を、自己反省的に見る学問として誕生したと私は考えています。 日の学校における歴史の学習は、基的にた

    過去を生きた人びとに寄り添って――「島」から学ぶ、歴史社会学/社会学者・石原俊氏インタビュー - SYNODOS
  • イスラーム過激派とは?Q&A/髙岡豊 - SYNODOS

    Q1.中東やイスラーム世界での紛争やテロ事件政治的な混乱についての報道や議論で、「イスラーム過激派」と呼ばれる個人や組織が話題になることがよくありますが、一体どのような人々なのでしょうか? 各国の政府・報道機関や、そのほかさまざまな分野で大まかな共通のイメージはあると思いますが、「イスラーム過激派」についてきちんと定義されているわけではありません。各国の政府や報道機関は、「各国政府・報道機関の利益や価値観に反するような行為をイスラームによって正当化する」個人や団体に対し、イスラーム過激派との呼称を用いる傾向が強く、用語法は恣意的になりがちです。また、単にイスラーム教徒(=ムスリム)が政治・軍事的な紛争に関与するだけで「イスラーム過激派」と呼ぶことも、もちろんできません。このため、各国の政府や報道機関の間で類似する現象や運動を表す場合でも、用語の使用はまちまちです。 例えば、イスラーム過激

    イスラーム過激派とは?Q&A/髙岡豊 - SYNODOS
  • スポーツに暴力は必要か/山口香 - SYNODOS

    私が生まれたのは1964年(昭和39年)、東京オリンピックが開催された年である。当時のスポーツアニメ、ドラマを思い起こせば、『巨人の星』や『アタックナンバーワン』といったいわゆる根性ものが全盛の時代だった。苦しくても辛くても耐えて栄光をつかむという物語が多くの人の共感を得た。なぜなら、その時代は日全体が我慢して骨身を惜しまず働けば、豊かさを手に入れられると信じて突き進んでいた時代だったからだ。豊かさの定義も、テレビや冷蔵庫、車など物質的なものにあり、目に見える、わかりやすいものだった。その後、時代は進み、日は世界有数の経済大国となり、物が溢れ、何が豊かさなのかも判断できなくなっていった。人々の求めるものや価値観は多様化し、思い描く豊かさや夢は昔のように単純なものではなくなった。 時代が変化したにもかかわらず、スポーツだけは当時の根性主義をどこかに引きずってきてしまったようだ。おそらくそ

    スポーツに暴力は必要か/山口香 - SYNODOS
  • 「どうなっているのか」と「どうすべきか」を一緒に考える / 教育社会学者・本田由紀氏インタビュー | SYNODOS -シノドス-

    大好評「高校生のための教養入門」シリーズ! 今回は、教育社会学者の田由紀先生にお話を伺ってきました。「教育学はなんとなくわかる気がするけど、教育社会学ってなに?」そんな素朴な疑問をぶつけてきました。すると、思春期の若者のように自らのアイデンティティに苦しんできた教育社会学の姿が……。いじめ問題など、さまざまな教育問題が取りざたされるいま、まずは教育社会学について知っていただければと思います。(構成/金子昂) ―― 田先生のご専門についてお聞かせください。 端的にお答えすると、わたしの専門は教育社会学です。 どの学問にも狭義と広義があると思いますが、教育社会学の場合、狭義は教育という対象を社会学的なアプローチを使って研究する学問、広義は純粋な社会学に限らず、文化人類学や経済学政治学など、その他の社会科学的なアプローチも使いながら研究する学問といえると思います。どちらにせよ、他分野との境

    「どうなっているのか」と「どうすべきか」を一緒に考える / 教育社会学者・本田由紀氏インタビュー | SYNODOS -シノドス-
  • 固定化される言葉に挑む取材とは/開沼博×寺島英弥×水島宏明 - SYNODOS

    震災から2年がたち、関心の低下とともに「フクシマ」をはじめとした被災地のイメージが固定化、単純化されつつあるいま、ジャーナリストになにができるのか。『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』著者の開沼博氏、河北新報編集委員・寺島英弥氏、ジャーナリストで法政大学社会学部教授の水島宏明氏が語り合った。(構成/山菜々子) 水島 日ジャーナリスト教育センターでは、今年の5月にいわき市で「ジャーナリストキャンプ2013」を行いました。「震災後の福島に生きる」をテーマに、全国から集まった記者15名と5名のデスクが2泊3日で取材をし、その原稿はダイヤモンドオンラインにて現在発表しております(*1)。今回は、デスクを務めたお二人に、今回のキャンプの成果報告も踏まえ、ジャーナリストとしてなにができるのかをお話頂ければとおもいます。まず、開沼さんはどのようなことに気をつけましたか。 開沼 現場に来る

    固定化される言葉に挑む取材とは/開沼博×寺島英弥×水島宏明 - SYNODOS
  • 「反日」 韓国司法 ― なぜ「解決済み」の問題が蒸し返されるのか | SYNODOS -シノドス-

    相手の行動の結果や意味が分からないだけではなく、そうした理由や選択の基準、すなわち行動準則が分からないと、信頼できず、付き合うのも嫌になってくる。逆に、行動準則が分かると、一つひとつの行動には同意できなくても、辛抱強く相手に向き合い、粘り強く関係を進めることができる。 日韓関係は、今、双方、相手の行動準則が分からず、相互不信に陥っている。日からすると、韓国の司法が突然、「反日」化したことに発端があるように見える。稿では、その理由を説明した上で、日韓関係への含意を読み解き、日がとりうる対応策を模索してみたい。 この7月、韓国のソウル高裁(判決文(PDF))と釜山高裁(判決文(PDF))は、10日と30日にあいついで、それぞれ新日鉄住金と三菱重工業に対して、戦時期に徴用された韓国人労働者に賠償を命じる判決を下した。この判決は、日韓の過去の問題をめぐる訴訟において、個人に請求権を認めた韓国

    「反日」 韓国司法 ― なぜ「解決済み」の問題が蒸し返されるのか | SYNODOS -シノドス-
  • 中国人の愛国心と「国家」と「家」の伝統的な概念/西本紫乃 - SYNODOS

    8月15日、香港人活動家らが尖閣諸島に上陸したことをきっかけに、再び緊張がたかまった日中間の領土問題だが、19日に今度は日の地方議員ら10人が尖閣諸島に上陸したことが、中国国民の反日感情を極度に刺激することになった。赤い横断幕、ひっくり返される日車、打ち破られた日ラーメン店のガラス、こうした破壊行為に及んでいるのは、都市の労働者階級とみられる20~30代の若者が中心だ。 日ではこうした反日デモについて、中国国内のさまざまな矛盾や不平等をその背景にみいだし「不満のはけ口」と理解するむきがある。しかし、人々が日常的に抱える屈した感情だけが、かくも激しい憎悪感情をひきおこす要因だといえるのだろうか。 19日、私の中国人の知人が、日人の尖閣諸島上陸の報道に憤慨して微博で「悪くおもわないでね、でも、今回の日人のやり方は許せない!」と怒りのメッセージを送ってきた。広州在住の彼女は30代

    中国人の愛国心と「国家」と「家」の伝統的な概念/西本紫乃 - SYNODOS
  • 湖の、ひとつひとつが小宇宙――南極の湖で生きる植物たち/植物生理生態学者・田邊優貴子さんインタビュー - SYNODOS

    2013年8月6日に出版された『すてきな 地球の果て』(ポプラ社)。世界中を旅し、南極・北極に魅せられた研究者・田邊優貴子さんによる書は、普段私たちが暮らしている世界とはまったく違う世界が描かれている。そこで今回の「高校生のための教養入門」では、植物生理生態学と陸水学を研究されている田邊先生が、なぜ南極に魅かれたのか、そしてどんな研究をされているのかをお伺いしました。ぜひ『すてきな 地球の果て』とあわせてお読みください!(聞き手・構成/金子昂) ―― 最初に田邊先生のご専門についてお話をお聞かせください。 私の専門は、大きくわけて植物生理生態学と陸水学のふたつあります。 植物生理生態学ですが、一口に植物を研究するといってもいろいろな切り口での研究があります。例えば植物生理学は植物学の一分野なんですが、植物の生理機能(植物の内部でどんなことが起きているのか)を調べる分野です。光合成や呼吸は

    湖の、ひとつひとつが小宇宙――南極の湖で生きる植物たち/植物生理生態学者・田邊優貴子さんインタビュー - SYNODOS
  • 空襲の記憶を「つないでいく」ということ――日本とドイツにおける慰霊・記念碑から映像作品まで/柳原伸洋 - SYNODOS

    空襲の記憶を「つないでいく」ということ――日ドイツにおける慰霊・記念碑から映像作品まで 柳原伸洋 ドイツ・ヨーロッパ現代史 国際 #東京大空襲#ハノーファー#ドレスデン#風立ちぬ#はだしのゲン#火垂るの墓 稿では、日ドイツの空襲記憶に関する前提知識から両国の慰霊・記念・表象のあり方を紹介しながら、それらを比較し、空襲記憶の未来について考えたい。 結果として、多岐にわたる事項の羅列になってしまっている。しかし、これらは互いに絡み合う問題であり、また相互に関連付けて接続していくことこそ、将来の戦争記憶についての知恵を生み出すのではないだろうか。 いわば、稿は「今、自分のいる場に引きつける」あるいは「引き受ける」ための材料の整理といった側面を持つものである。 まずは「今」に引きつけるために、約70年前という大空襲時からではなく、ほんの数年前に世界が体験した空襲から話をスタートさせたい

    空襲の記憶を「つないでいく」ということ――日本とドイツにおける慰霊・記念碑から映像作品まで/柳原伸洋 - SYNODOS
  • 復興アリーナが復興しようしているものは「何か」? / 飯田泰之 | SYNODOS -シノドス-

    ―― 福島に関心を持った理由はなんですか 被災地に関心を持ったきっかけは、非常に単純に言うと、偶然です。この歴史的な事件の現場を一度見ないといけない。まず、単純に見てみようと思って、釜石に行きました。キャッシュ・フォー・ワークが、永松伸吾さんの主導で立ち上がり、その顔合わせでたまたま名刺交換した人が釜石の方だったからです。 まず、その人に会ってみよう。会って何をするか何も考えずに、ただ行ってみた。そうしたら、やはり、背筋がぞっとするというか、体とか脳の芯が冷たくなるような感じがしました。 岩手県に関しては、初訪問の三日であとから関わるようになる人には、ほとんど会っているんです。これはもう縁があったとしか言いようがない。そこから岩手のイベントを東京に持ってくるとか、または、東京の支援者と岩手の求めている支援というのを紹介するという活動を少し手伝っていました。 ぼくはマクロ経済学者ですから、経

    復興アリーナが復興しようしているものは「何か」? / 飯田泰之 | SYNODOS -シノドス-
  • 入会なんて聞いてない ―― 父親たちの語るPTA/川端裕人×木村草太 - SYNODOS

    保護者と先生の団体であるPTA(Parent-Teacher Association)。勝手に入会? 勝手に役員に? 10年近くPTAに関わる作家の川端氏と、憲法学者の木村氏がその問題点について語り合う、「父親たちの語るPTA」前編。(構成/山菜々子) 木村 川端さんの「PTA再活用論」はこの分野の代表的なです。お子さんがきっかけでPTAに関わられたとのことですが、いまおいくつなんでしょうか。 川端 中学一年生と高校一年生ですので、上の子どもが小学校に入学してから、かれこれ10年近くPTAと関わっていますね。木村さんの朝日新聞の記事を拝見しましたが、法学の立場からPTAについて書く人がやっとあらわれたと、心の中で大きな拍手を送りました。木村さんも子どもがきっかけで、PTAについて考えるようになったのですか。 木村 私の子どもは今、保育園に通っています。実は、PTAに興味をもったきっかけ

    入会なんて聞いてない ―― 父親たちの語るPTA/川端裕人×木村草太 - SYNODOS
  • 携帯電話を手にしたアフリカ牧畜民、その光と影/湖中真哉 - SYNODOS

    携帯電話を手にしたアフリカ牧畜民、その光と影 湖中真哉 アフリカ地域研究 / 人類学 / グローバリゼーション研究 国際 #アフリカ#牧畜民#携帯電話 サヴァンナに屹立し、携帯電話で通話する牧畜民(遊牧民)マーサイの美しい戦士が描かれた巨大な看板。ケニアの首都ナイロビの路上で、それを目にするようになったのはここ数年のことである。おそらくは、「我が社の通信網ではこんな僻地でも圏内ですよ」ということを強調するための携帯電話会社の広告なのだが、たしかに印象的ではある。 近年、国内外で、アフリカ牧畜民の携帯電話利用を扱った報道をよく目にするようになった。しかし、まさか、BBCや朝日新聞でもとりあげられるようになるとは、筆者も夢にも思っていなかった。携帯電話を利用するアフリカの牧畜民、とくにマーサイの姿は、相当印象的に見えるらしく、いまや世界中の注目を集めている。筆者も、グローバリゼーションの典型例

    携帯電話を手にしたアフリカ牧畜民、その光と影/湖中真哉 - SYNODOS