★★★★☆ (評者)安田洋祐 現代思想2009年12月号 特集=日本の数学者たち 和算から現代数学まで 著者:上野 健爾 販売元:青土社 発売日:2009-11-27 クチコミを見る 自然科学系の素晴らしい特集をしばしば組む『現代思想』。昨年の12月号も「日本の数学者たち 和算から現代数学まで」という心躍る特集を組んでいたので、年末年始の休みを利用して堪能させて頂きました。 個人的に特に興味深かったのは、上野健爾さんと黒川信重さんの対談「数学者たちの到達点 和算から現代数学まで」と、吉田輝義さんの書下ろし「高木貞治と類体論の謎」。前者は副題の示すとおり、和算のルーツから20世紀の日本人数学者の活躍まで、幅広い話題を語り合う刺激的な内容。対談としては非常に長い分量(30ページ!)なのですが、全く読んでいて飽きませんでした。 後者の吉田さんは、2008年11月の『現代思想』に寄稿された「類体論