皆川の会社は、21年間で売り上げが下がったことは、一度もないという。 その人気を支える理由のひとつが、オリジナルデザインの生地から服を作ることにある。 皆川が描くデザインは、花や動物、幾何学模様などの素朴なモチーフ。古い絵本に出てきそうで懐かしくて楽しい。 流行やマーケティングはいっさい考えない。よりどころは、自分の喜びに従うことだけだ「周りの人に喜んでもらえると思って描けば描くほど、自分の思いは小さくなる。自分が喜んで描くものは、人も喜んでくれると信じて、精一杯やるしかない」 周りを喜ばせたいと思いすぎると作為が勝ちすぎる。 描いている自分自身が喜べなければ、いいデザインは生まれないと考えている。 皆川のデザインは、日常にある普通のモチーフなのに、どこか不思議さがある。 その発想の秘密を、皆川は、「この世の中にマイナスしか持っていない事象はきっとないと思っていることが、デザインする上での