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ブックマーク / www.yorozubp.com (3)

  • 雑誌の流通、本の流通―日本の「出版不況」について : 萬晩報

    10年あまり前から日の出版界は不況だといわれる。業界全体の売上高は下降気味で、発行部数はへるというのに、売上高維持のために出版点数を増やそうとする。書店の書棚も飽和状態で読者の目にとまることなく返され、返品率は4割に近い。倒産する出版社や店を閉める屋さんが出て来ているという。人々の活字離れ、少子化、余暇の過ごし方の多様化といったことがこの傾向に拍車をかけると説明される。 私は、出版業界には関心があるほうである。それは、私が好きであるためだけでなく、以前二〇年間近くドイツの書籍業界で働いたことがあるからだ。ドイツでは業界全体の売り上げは昔から横ばいでごくわずか上がったり下がったりするだけで、人々もそれに馴れっこになっている。 ■解体しそうな 1980年代というと日が出版不況でなかった頃だが、当時私は日を手にするたびに、自分が関係するドイツ書籍業界を恥ずかしく思った。というの

    funaki_naoto
    funaki_naoto 2008/05/07
    「本の雑誌化」
  • 「オンブック」の可能性

    筆者はこの度、『カフカとキルケゴール』という著書を出版した。 カフカは20世紀の初めに執筆したドイツ語系ユダヤ人作家である。生前は無名であったが、第二次世界大戦後、その作品世界がナチス体制の到来を予告しているとか、生の不条理面を強調する実存主義の風潮に合致するとかの理由で、一躍その名が知られるようになった。『変身』、『審判』、『城』などの作品が有名である。現在では一時ほどの流行はないが、戦後の文学や思想で、彼の影響を直接的・間接的に受けていないものはない、とさえ言えるほどである。 キルケゴールは19世紀半ばのデンマークで活躍したキリスト教思想家である。キルケゴールは、世界と歴史を法則の視点から俯瞰するヘーゲル哲学に反抗し、個人の主体的決断を重視した。彼は実存主義哲学の始祖とされている。 カフカはキルケゴールの著作を熱心に読み、手紙やノートの中で様々なコメントを残している。だが、それらはきわ

  • 原爆で得した日本人

    昔土曜日に子どもがミュンヘン補習校へかよい、私が送り迎いをしていた頃のことである。補習校図書館で授業が終わるのを待っていた私は一番上の棚にある「日の原爆文学」・全15巻に好奇心をひかれて、その何巻かを手にとって読むようになった。 ■徹底的に抗戦する ある日、私は第15巻「評論・エッセイ」で長岡弘芳の「原爆文学と戦後ナショナリズム」のなかで著者が引用している次の一節を読んで仰天する。 《、、、突然誰か発狂したのではないかと思われるほど大きな声で「このまま敗けられるものか」と怒鳴った。それに続いて矢つぎばやに「今さら敗けるとは卑怯だ」「人をだますにもほどがある」「何のために今まで辛抱したか」「これで死んだものが成仏できるか」いろんな表現で憤が炸裂する。病院は上も下も喧々囂々全く処置なき興奮状態に陥った。日ごろ平和論者であった者も、戦争に厭ききっていた者も、すべて被爆この方俄然豹変して徹底的

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