1991年5月 特集 Modern Lovers これがはじめて買った「STUDIO VOICE」である。14歳。 私にとって「STUDIO VOICE」とは「読む」ものではなく、「眺める」ものだった。デザイン重視で組まれていた誌面から文字は逃げ出していた。写真の上に重ねられていた白い文字を追うのは難儀だ。単語を拾うだけで、それがちょうど良かった。テキストは詩のように機能していた。 しかし、ビジュアルはどうだろう。 いまだに何処に何が配置されていたか、分かる。 マッキントッシュ導入によるDTPの革命を上げるわけでもないが、いちばんヒップでクールなビジュアルがそこにあったし、そう、読者に夢を見させた。持っているだけで豊かな気分になれた。そういう雑誌は他にはない。 雑誌は死んだ。 と、言うのは簡単である。 雑誌は殺された。 と、言うのは被害妄想が過ぎる。 そもそも、雑誌とは何なんだろう。 例え