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ブックマーク / blog.wtsnjp.com (12)

  • LaTeX News斜め読み (3) Issue 39, 2024年6月発行 | ラング・ラグー

    LaTeX Newsを斜め読みしていきます。完全な翻訳を目指す類のものではなく、私が興味を持った項目だけを、ざっくり説明しようと思います。網羅性と正確性には期待しないでください。 今回はLaTeX News Issue 39, June 2024 (LaTeX release 2023-06-01)を読んでいきます。 なお、記事の投稿に合わせて前回の記事も少し更新しました。これはZRさんの以下の記事に反応してのことです(話題にしていただいてありがとうございます)。 メモ:新しいLaTeXの文書プロパティ機能の現状 - マクロツイーター この記事の指摘は、簡単に言えば「オリジナルのltnews38の記述(およびその内容をほぼ忠実に記述した筆者記事の解説)を素直に読むと『新しい文書プロパティを用いると、LaTeXの相互参照(\labelと\ref)に紐づく情報が取得できる』と誤認しそうになる

    LaTeX News斜め読み (3) Issue 39, 2024年6月発行 | ラング・ラグー
  • とにかくWEB言語してみたい | ラング・ラグー

    稿はTeX & LaTeX Advent Calendar 2022の23日目の記事です。22日目はtasusuさんでした。24日目はgolden_luckyさんです。 TeXの実装言語といえばWEB言語ですが、皆さんは少しでもよいのでWEB言語でプログラムを書いたことがあるでしょうか? 多くの有名ソフトウェアはC/C++JavaRubyPythonといったメジャーな言語で書かれており(むしろ、だからこそメジャーとされるわけですが)、一般にプログラマと言われている人であればこうした言語に関しては何かしらの経験や知見があって、その気になればそのソースコードを読んで理解したり、場合によっては改造したりということができるかと思います。一方、TeXはその挙動が偏屈なのもさることながら、実装も現代的感覚からするとかなり風変わりです。実際、TeXの実装言語であるWEB言語もまたKnuthがオリ

    とにかくWEB言語してみたい | ラング・ラグー
  • jlreq + expl3 で学会文書クラスを作った話 | ラング・ラグー

    稿は TeX & LaTeX Advent Calendar 2021 の23日目の記事です.22日目は t-kemmochi さんでした.24日目は golden_lucky さんです. 今回はタイトルの通り,jlreq と expl3 を用いてとある学会の年次大会予稿集向けの文書クラス NLProceedings を開発した話をしたいと思います.具体的には,どういった目標や目的意識を持ち,どんなことに気をつけて文書クラスを設計したのかという話を中心に進めていきます.その中で,依拠する技術的成果物として jlreq と expl3 を採用した理由についても説明したいと思います. 一方で,一部の方は期待はずれに思われるかもしれませんが,文書クラスの実装の中身を技術的に詳しく解説することはしません.というよりも,そもそも NLProceedings の実装において,解説が必要になるほど技術

    jlreq + expl3 で学会文書クラスを作った話 | ラング・ラグー
  • 新作 (La)TeX パッケージ情報の追いかけ方 | ラング・ラグー

    稿は TeX & LaTeX Advent Calendar 2021 の9日目の記事です.8日目は ZR さんでした.10日目は t-kemmochi さんです. (La)TeX の新作パッケージは,クリスマスなど特定の時期に限らず1年を通して日々 CTAN や TeX Live に登録されています.今日の記事では,そうした新作パッケージ情報をいち早く入手するにはどのような手段があるのか,筆者が知っている情報ソースを特別に大公開しちゃおうと思います!(そんなにもったいぶるような内容はありません……) CTAN-ann メーリスを購読する 多くの人に広く使われるべきと考えられる (La)TeX パッケージは,ほとんどの場合 CTAN にアップロードされています.今日では「CTAN にないパッケージは,存在しないのと同じ」とさえ言われています(言われてません).ともかく,新作パッケージ情報

    新作 (La)TeX パッケージ情報の追いかけ方 | ラング・ラグー
  • TeX tuneup 2021: 7年ぶりの TeX アップデート | ラング・ラグー

    昨日 TeX Live 2021 がリリースされました.このリリースには例年通りさまざまな TeX 関連プロダクトの新しいバージョンが含まれていますが,今年は実に7年ぶりに Knuth によるオリジナルの TeX 処理系もバージョンアップしました.もちろん TeX は既に開発終了が宣言されており,今回も大きな変更が入ることはありませんでしたが,いくつかのマイナーなバグ修正が行われました.実用的な TeX ユーザにはほとんど影響のないところではありますが,TeX 言語者としてはその更新内容はとても興味深いものであるので,稿ではその修正内容について語ってみようと思います. 背景 Knuth によって開発されたオリジナルの TeX 処理系 (Knuthian TeX) は,バージョン3になった時点で既にその開発が概ね終了したと宣言されており,以降は原則としてバグ修正以外は行われないことになって

    TeX tuneup 2021: 7年ぶりの TeX アップデート | ラング・ラグー
  • llmk の基本 | ラング・ラグー

    稿は TeX & LaTeX Advent Calendar 2020 の20日目の記事です.19日目は hid_alma1026 さんでした.21日目は mattskala さんです. llmk (Light LaTeX Make) の開発を開始して約2年が経ちました.とてもゆっくりとしたプロセスではありましたが,多くの方にご協力をいただきながら llmk は少しずつ成長し,ようやく TeX Live, MiKTeX に取り込まれて一般の LaTeX ユーザにも広く使ってもらえる状況まで漕ぎ着けることができました. llmk のバージョン番号は未だに 0.x 台ですが,これは主に運用実績が乏しいことから「安定版」を称するには多くのバグが残っている可能性を危惧してのことで,仕様的には(よほど大きな欠陥が見つからない限り)このまま非互換な変更を入れることなくバージョン 1.0.0 をリリー

    llmk の基本 | ラング・ラグー
  • MacTeX をおすすめできる場合とそうでない場合(私見) | ラング・ラグー

    はじめに タイトルにわざとらしくカッコ書きしたように,稿で述べる内容はすべて筆者の「個人的見解」です.何らかの組織や集団の見解を代表もしくは代弁するものではありません. 稿の主な想定読者は,これから macOSTeX Live を導入しようとしている人です.残念ながら,既に MacTeX を導入してしまっている人が稿を読んでも特に何かが解決することはありません. さて macOS に対して TeX Live を導入する方法としては MacTeX というものが有名かつ一般的です.TeX Live として公式に,macOS においては MacTeX の利用が推奨されています1.しかし,結論から言えば MacTeX は万人に対しておすすめできるものではありません.特に,パワーユーザ(上級者,パソコンに詳しい人)であればあるほど,MacTeX のインストールはおすすめできません.ここで

    MacTeX をおすすめできる場合とそうでない場合(私見) | ラング・ラグー
  • LuaTeX の普及状況を LuaTeX で調べてみた | ラング・ラグー

    稿は TeX & LaTeX Advent Calendar 2019 の23日目の記事です.22日目は puripuri2100 さんでした.24日目は golden_lucky さんです. 2016年に LuaTeX 1.0 がリリースされてからおよそ3年が経ち,体感ではありますが私の周辺では LuaTeX の存在感は徐々に増してきているように思われます.LuaTeX が日で広まっていく上での障壁として「日語の文献が少ない」ということがかねてから指摘されていましたが,定期的に開催される技術書典で LuaTeX をテーマとする同人誌が複数頒布されてきたこと,恒例の TeX & LaTeX Advent Calanedar の重点テーマに2年連続で LuaTeX が採択されたことなどがあり,LuaTeX に関する日語の解説もその量が増えてきました.また LaTeX 文書クラスも l

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  • Package Gotoh: TeX で生物配列アライメント | ラング・ラグー

    ここで1, 2, 5列目は両者の文字が一致しています.この状態をマッチといいます.3列目は下の配列に . が差し込まれています.生物学的には,この位置で塩基の欠失(または上の配列への塩基の挿入)が起こったと解釈されるわけですが,これをギャップと呼びます.4列目は上と下の文字が異なっており,これはミスマッチと呼ばれます.もちろん,生物学的にはこの位置で塩基の置換が起こったと解釈するのが普通でしょう. ペアワイズアライメントとは,先ほどとは別の言い方をすると「2つの配列をギャップやミスマッチがなるべく少なくなるように並べる操作」ということになります. Gotoh パッケージ それぞれ $m, n$ の長さをもつ2つの配列について,そのペアワイズアライメントを $O(mn)$ 時間で計算するアルゴリズムが Gotoh アルゴリズムです.そして,これを TeX 言語で実装したものが拙作の Goto

    Package Gotoh: TeX で生物配列アライメント | ラング・ラグー
  • TeX by Topic ゼミ (2) カテゴリーコードの研究 | ラング・ラグー

    \catcodeプリミティブを用いると,TeX 言語からカテゴリーコードにアクセスすることができます.すなわち\catcode<number>全体を1つのカウンタレジスタのように操作することができ1,これを介してカテゴリーコードの取得や変更(代入)を行います. ここで<number>はカテゴリーコードにアクセスしたい文字の文字コードに対応する数値表現です2.<number>の書き方はいくつかありますが,\catcodeと共に使う場合には`<char>または`\<char>を用いて指定すると便利なことが多いでしょう.例えば,通常カテゴリーコードが12の文字@のカテゴリーコードを11に変更するには次のようにします. \the\catcode`@ %=>12 \catcode`@=11 \the\catcode`@ %=>11 ただし\catcode<number>に0から15の範囲にない数値を

    TeX by Topic ゼミ (2) カテゴリーコードの研究 | ラング・ラグー
  • TeX by Topic ゼミ (1) TeX 処理系の構造 | ラング・ラグー

    現在,東大 TeX 愛好会では隔週で TeX by Topic の輪読ゼミを行っています.当ゼミは毎回5人ほどの人数で,原則としては1回に2章というペースで TeX by Topic を読み進めています.既に3回ゼミが行われている状況ですが,今回から始まる当ブログの連載では,参加者レポートという形でこのゼミを通して得られた知見の一部を共有していこうと思います. といっても,ゼミ1回ごとに記事を書くのは大変で長続きしなそうなので,記事とゼミの回数は敢えて1対1対応させないことにします.また,ゼミで扱った内容すべてを文書化することは困難な上,そもそも TeX by Topic に書かれている内容を丸ごと書き写すようなことになってしまうので,連載では私が特に関心をもった話題に絞ってまとめていくことにします. 第1回の稿では,まず TeX by Topic についての紹介とその読み方について簡

    TeX by Topic ゼミ (1) TeX 処理系の構造 | ラング・ラグー
  • TeX と LaTeX の違い | ラング・ラグー

    稿は TeX & LaTeX Advent Calendar 2016 の19日目の記事です.18日目は VoD さんでした.20日目も VoD さんです. TeX と LaTeX は互いにまったく異なるものですが,どうやら(少なくても日においては)LaTeX ユーザであっても TeX と LaTeX の区別がついていない人が多いらしく,どう見ても LaTeX について書かれた文であるにも関わらず主語が “TeX” となっているようなものがよく見られます. そうした事例を擁護するように「TeX と LaTeX の区別がつかなくても,ほとんどの場合は問題を生じないから構わないではないか」という意見もあるようですが,それは思慮が浅いと言わざるを得ません.実際のところ TeX と LaTeX は真剣に区別されるべきものです. 稿では,TeX と LaTeX の違いを,すべての TeX ユー

    TeX と LaTeX の違い | ラング・ラグー
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