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ブックマーク / ch.nicovideo.jp/yamasitataihei (14)

  • 近代文学入門:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    近代文学入門です 今でこそ俺は講談速記などの明治大正B級作品ばかり調べているんですけども、もともとは日の近代文学からこの道に入りましたので、近代文学の入門法を書いておくことにしておきます。 ただし面倒くさくい上に回りくどくて、時間がかかる方法ですから、暇な人しか実行できないかもしれません。 教材は漱石全集がよろしい まずは教材ですけど、平成以降に出された岩波書店の漱石全集を使います。 なぜ漱石全集なのか、理由は次の三点です。 入手しやすい漱石がすごい明治の雰囲気がわかるまず岩波の漱石全集というのは、売れてるだけあって入手がしやすい。図書館に行けばありますし、購入しても全29巻で2万円ちょいです。買うなら月報と別巻が付いてるのを選びましょう。次に漱石というのが、とにかくすごい作家だというのもおすすめポイントです。 一例を挙げますと、吾輩はであるや坊ちゃんというのは、明治の三八年という時

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  • 夏目漱石とニコン:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    寒月君のガラス玉作り『ひとり鍋は実に良い』という記事を書いているうち、写真があまりに汚いのと、鍋の歴史が気になってしまった。そんなわけでデジカメの機種と鍋の歴史を同時に調べていると、どういう経緯かは忘れてしまったけど、夏目漱石が『吾輩はである』でニコンについて薄っすらと言及していることに気付いてしまった。 先に書いておくと漱石研究というのは盛んで、漱石について発見されていないことはないと言われるくらいだ。だからこれも私が知らないだけで、実は有名な話なのかもしれないが、面白かったので記事にしておくことにした。 『吾輩はである』は漱石の初期作品で、の目を通して人間社会が描かれる。登場人物の行動はかなり誇張して描かれているが、実在の人物がモデルになっている場合もある。 そんな『吾輩はである』に、水島寒月という理学士が登場する。寒月君のモデルは寺田寅彦とされていて、物語中で彼はこんな行動を

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  • 明治にヤマサ醤油専用活字があった:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    明治の小説を読んでいたらヤマサ醤油が出てきて、専用のフォントで表記されていた。 座光寺源三郎 放牛舎桃林 講演[他] 文事堂 明治三〇(一八九七)年広告なら分かるんだけど、文の中にいきなり出てきたので、違和感があった。よくよく見ると中途半端に再現されていて、物のヤマサ醤油のロゴと並べるとかなり違う。 なぜヤマサ醤油だけ特別にフォントを作ったのかは謎、恐らく気紛れだと思う。 それで醤油についてですが、私はワダカンのものを使っています。

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  • 近代デジタルライブラリーから資料をダウンロードする方法:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    近代デジタルライブラリーとは? 近代デジタルライブラリーとは、明治から昭和前期の資料を公開している電子図書館です。読もうと思えば無尽蔵に読めるという最高すぎるサービスなんだけど、ブラウザではかなり読みにくい。 そんなわけで近代デジタルライブラリーの資料を、ダウンロードする方法を紹介します。 MacOSX 向けには『近代デジタルライブラリーダウンローダ』 Windows 向けには『近デジPDFダウンローダー』が存在します。 ターミナルやらコマンドプロンプトを使うため、面倒くさいって思うかもしれないけど、ブラウザで近代デジタルライブラリーの資料を読むほうが100倍苦痛なので、少しだけ頑張ってダウンロードできるツールをゲットしたほうが良いと思う。 近代デジタルライブラリーダウンローダ これは ruby というので作ってあって、Mac だとターミナルを開いて『brew install ruby i

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  • 大正時代のヤバいは危険いで明治のヤバいはヤホイの仲間だった:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    火車軍次 : 韋駄天 第二編 旭堂南陵 口演[他] 島之内同盟館 大正一(一九一二)年 1912 大正時代は危険いと書いて、ヤバいと読んでいたらしい。それじゃ明治はどうなんだって調べたところ『日隠語集』 (稲山小長男 明治二五(一八九二)年)に、『ヤホイ又はクライ又はヤバイ』とある。 ヤバイ、クライはなんとなく理解できるが、ヤホイの意味が分からない ちなみに、夜に匍匐(ほふく)する様からヤバいとなったという俗説があり、『隠語辞典』 (栗田書店出版部昭和八(一九三三)年)でもそう解説されている。 不都合を意味する『やば』から来てるって説もあって、こちらは江戸時代からある。 「おどれら、やばなこと働きくさるな」 東海道中膝栗毛 だからなんだって言われると、なんでもないですって感じなんだけど、私はヤホイが気に入りました。

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  • より良い日本語文書の作製支援ツールを作りました(Emacs向け):山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    より良い日語文書の作製を支援するツールを作りました より良い日語を文書の作製を支援するツールを作りました。Nippon Go Sien を省略しnipposi と名付けました。 このツールを使用すると、文章から違和感を減少させることが出来ます。さらになめらかで洗練された文章を作る支援もします。 ただし日語の表記ゆれや誤字の指摘などはしません。 今のところ使用できるのは emacs のみです。さらに私はプログラム能力が高いとか低いとかではなくて、開発言語はグーグル検索で開発環境はコピペみたいな感じですから、emacs でもまともには動かないかもしれません。 機能 ダウンロードとマニュアルは次のリンクから。 https://github.com/ichibeikatura/nipposi 設定を終え、テキストファイルを開くと、次の様に表示されます。 色が付いた場所を確認し、微妙に思えたら

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  • 大正時代の「フイタwwww」:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    最近はあまり見ないが、ネットで時折使用されていた「フイタwwww」という用語が大正時代にもあった。ただし「フイタww」ではなく「フイタ……。」である。 豪傑由利鎌之助漫遊記 凝香園 著 博多成象堂 大正四(一九一五)年 1915 開いた口に魚の骨を投げ込まれた武士の発言、なぜフイタなのかは謎、後半の「ホヽヽヽ子(ネ)ヽヽヽノヽヽヽド……」は喉に骨がという意味だろう。 講談速記のカタカナ表現は、明治の時点でも他ジャンルと比べて圧倒的な豊かさを誇っていた。 大正時代に入ると豊かになりすぎ、現在では読解不能な表現も発生している。

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  • チェストの普及について:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    チェストについて日にはチェストという気合が存在します。 集英社(コミック版)キン肉マン8 ゆでたまご ジェロは全ての設定が曖昧ですからどうでもいいとして、チェストが積極的に使われる物語として有名なのは、イナズマンや空手バカ一代、最近の漫画だと日露戦争物語などでしょう。 このチェスト、一般的には鹿児島の示現流の掛け声だとされています。(諸説あり、陰之流のチェーが起原とも) 鹿児島では今でもスポーツ観戦の際に、『チェスト行けー』といった掛け声が用いられるそうです。 それではチェストが全国的に普及したのは、どの辺りの時代なのかというのが日のお話です。 大正時代の事例チェスト、明治大正の物語で何度か見た気がするのですが、探してみるとなかなか出てこない。 私が確認できた範囲で最も古いチェストが登場する作品は『旅順攻囲決死隊 凝香園 (大正二年)』です。 この作品の主人公茨城憲一郎は石川県玉津村の

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  • 新しいメディアが誕生するとしばらくコンテンツは長くなっていく:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    大きく長くなっていく新しいメディアが登場すると、最初は大きく長くなるという法則があります。その後、ほとんどの人間が快適だと思う長さに集約されていきます。 映画やら書籍やら、だいたいそういう感じですから、今回は明治の小説(講談速記)を題材にして、長くなっていく過程を見ていきましょう。 今後新しいメディアが登場した際には参考になると思いますよ。 石川一口の場合創作の世界には時折化け物みたいなのが出現し、圧倒的に素晴しい作品を作り上げてしまう。そういう作品は当然後の世に残ります。それを読んだ人々は、当時の水準をはるかに超えた作品を、当時の平均的なものだと考えてしまいがちです。その結果、時代のイメージが狂ってしまうという問題がままあります。 そんなわけで、今回は一人の才能控えめな作家『石川一口』に絞り、物語の長さの変化を見ていくことにします。ちなみに誰も知らないと思うので軽く紹介しておくと、石川

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  • OSX でより良い電子書籍読書環境を作る 簡単に開く:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    OSX 上に電子書籍読書環境を作りました MacBook Air の13inch が壊れたため MacBook Air 11inch に買い替え、電子書籍読書環境を一新しました。ここで言う電子書籍というのは、紙書籍を画像化したもので、いわゆる自炊ファイルとも呼ばれているものです。 前提です 近代デジタルライブラリーから近デジダウンローダーを使って電子書籍ファイルをダウンロードしています。 ファイルの構成は次のようになります。 metadata には URL が書かれており original は元の画像データ、trim には余白を切った画像データが入っています。だから読む場合 trim を開く必要があります。フォルダ名は基的に『凝香園 - 南郷三郎 / 冒険快男児』というように作者+作品名となります。 現状です ダウンロードした電子書籍の数は、ダブってるものも含めると2000程度です。

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  • ッ!について:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    ビックリマークというのは勢いを出すために使われます!!! ビックリマークに促音を加えると、さらに勢いが出ますッ!!! この様に『ッ』と『!』を合わせて『ッ!』とすることによって、さらなる勢いを出すという使用方法があります。取り立てて変でもないんですけど、歴史的に見てもこれは正しい使用方法です。 日語の文章の中で『!』が使われ始めたのは明治二〇年代、日で多用したのは二葉亭四迷の『浮雲』の三篇が最初だと思います。

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  • 明治人の創造力がレイシズムを超えたッ!!:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    日清戦争時のレイシズム日清戦争の時代、日人は清国の人々を、チャンチャン坊主、芥子坊主、豚尾漢などといった蔑称で呼んでいた。 これはなかなか歴史のある蔑称でして、明治十六(一八八三)年にはすでに新聞紙条約などで、お前らこういうの書くの止めとこうなって禁止されてもいる。 ところがそれらの蔑称が、日清戦争で復活する。なんでかっていうと日清戦争で日好きな奴らが興奮しすぎたからで、清国の悪口を歌にした書籍が大量に出版され大人気になってしまうのです。 こういうのが100とか余裕で続く地獄みたいな書籍で、今の人が読んでも意味があんまり分からないと思うけど、とにかくそういうが存在したのです。 [事例:日清戦争における李鴻章への悪口について , 日清戦争時の児童文学] 戦後の人らはこういう創作物を見て、日というのはレイシズムの国だッと怒ってたんだけども、そういうことを言う人は基的には忙しいし、頭も

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  • 明治二年の靖国問題:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    総理大臣が靖国神社参拝したら外人がすごい怒って、ヤッベーみたいになっている。 こういう時に感情的になってはならない。大切なことは過去から学ぶということです。そんなわけですから、日は明治二年に起きた靖国問題をひとつの事例として紹介したいと思います。 靖国神社っていうのは元々は招魂社っていう名前で、明治の二年七月に東京九段坂に設けられ、その時には五日間の大祭が施行されました。 大祭ですからいろんなオッさんが、様々な物品を奉納するわけですけど、残念なことにその中で熱血すぎるオッさんがいた。 このオッさんは熱血すぎる以外は良い人で、とにかく国のために死んだ奴らが喜ぶのもを奉納しようとすごく悩んだんだ。それは良いんだけども、いろいろ悩みすぎた結果、オッさんは武者がキリストを踏み潰している旗を奉納するという最低すぎるアイデアを思い付いてしまった。 これは再現画なんだけど、絵師が知識とか曖昧なまま描い

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  • 大正時代のチャップリン:山下泰平のブロマガ - ブロマガ

    映画を使って強引に小説を作るという文化があった 明治から大正の終りくらいにかけて、映画小説なんてものがありました。どういうものかっていうと、オッさんが映画を観て曖昧な記憶を頼りにして小説にするという形式のジャンルです。 この頃はまだまだサイレント映画の時代だから、はっきりいって観てもストーリーがよくわからないみたいな作品もあった。(文化も違うしね)だからオッさんはヤマ勘で映画小説を書きます。途中で理解できない部分があって、話が変になると、いくつか観た映画のなんとなく覚えている場面をつなげて書いたりもする。 そうこうするうちに、映画の登場人物で適当に小説を書くみたいなスタイルも登場してきます。今でも少しだけ有名な怪盗ジゴマは、こういった手法で大量の作品が作られました。 さらに講談速記では……などという風に細かく書くと大変ですから止めにして、とにかく日には映画を使って強引に小説を作るという

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