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ブックマーク / hachiro86.hatenablog.com (4)

  • 【1822冊目】『小林秀雄 学生との対話』 - 自治体職員の読書ノート

    学生との対話 作者: 小林秀雄,国民文化研究会,新潮社出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/03/28メディア: 単行この商品を含むブログ (6件) を見る このは「ジャケ買い」した。最初は「今さら小林秀雄……?」とも思ったが、表紙の写真を見ているうちに、この人の話をちゃんと聞いてみたい、と思った。すばらしい写真、すばらしい装丁に感謝。 いやいや、中身もすばらしかった。小林秀雄というと「批評の神様」なんて言われていて、文章もどことなくとっつきづらいというか「構えている」という先入観があったが、書の小林秀雄は非常にわかりやすく、しかも自由闊達。特に学生からの質問に答えるあたりは、なんとも変幻自在でチャーミング。にもかかわらず、鋭い発言でこちらにまっすぐ切り込んでくることもあり、片時も油断ならない。 繰り返し書かれているのが、歴史のこと。小林は歴史を単なる「自分の外にある知識」と

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  • 【730冊目】馬淵和夫『五十音図の話』 - 自治体職員の読書ノート

    五十音図の話 作者: 馬渕和夫出版社/メーカー: 大修館書店発売日: 1993/07メディア: 単行 クリック: 8回この商品を含むブログ (5件) を見る いまの五十音図の原型は平安時代にできたこと、ご存知だろうか。 ローマ字的な発想でできたもののようにみえるが、実はその来歴はずっと古いのである。ということは、その頃から、すでに「母音と子音」に類する区別があったのだ。実際、古い五十音図には、たとえば「カキクケコ」と並ぶ文字のそれぞれの脇に「クア クイ クウ クエ クオ(ヲ)」と、いわば音声を分節したものが載っている。書はそうした、昔の五十音図の図表を眺めているだけでも面白い。特に、梵語(サンスクリット語)に音韻の注のついた五十音図は圧巻である。 もともと日のコトバは、漢字という外来の文字に日固有の音声をあてるという二重構造のようになっているわけだが(万葉仮名にはじまり、ひらがなや

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  • 【740冊目】新村出『新編 南蛮更紗』 - 自治体職員の読書ノート

    新編 南蛮更紗 (講談社文芸文庫) 作者: 新村出出版社/メーカー: 講談社発売日: 1996/03メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る 著者の新村出氏の名前を「どこかで見た」という方も多いと思う。明治から昭和初期の著名な言語学者であり、キリシタン研究の草分けでもあるが、おそらく見覚えがあるのは、晩年に没頭した辞書編纂の成果である「広辞苑」の背表紙に、編纂者として名前が載っているためであろう。もっとも、書は辞書とは何の関係もなく、むしろ著者のキリシタン研究をベースにした、かなり研究色のつよい随筆集(この重厚さに、「エッセイ」という軽い名前は似合わない)である。なお、書が「新編」としているのは、オリジナルの随筆集『南蛮更紗』のうちいくつかの文章と、その後に編まれた『南蛮広記』の中からやはり数編をピックアップしたものであるため。随筆集というにはやや堅い印象なのは、研究色が

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  • 【672〜674冊目】白川静『桂東雑記1〜3』 - 自治体職員の読書ノート

    桂東雑記〈1〉 作者: 白川静出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2003/06メディア: 単行 クリック: 7回この商品を含むブログ (3件) を見る 桂東雑記2 作者: 白川静出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2004/04/11メディア: 単行 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る 桂東雑記〈3〉 作者: 白川静出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2005/05メディア: 単行 クリック: 5回この商品を含むブログ (5件) を見る 晩年の白川静がいろいろなところに綴った文章や対談を集めた「桂東雑記」全5冊のうち、前半3冊。 おなじみの文字解説から短歌論、東洋文化論まで、内容はとても幅広いが、これまでの白川東洋学の精華が随所にきらめいている。印象に残る部分も多いが、特に漢字がなぜ中国で「発明」されたか、という説明が興味深い。そもそも白川漢字論においては、「文

    【672〜674冊目】白川静『桂東雑記1〜3』 - 自治体職員の読書ノート
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