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ブックマーク / kappan.did.co.jp (29)

  • 凹みと引き換えに失うもの

    なに活にご注文いただくお客さまの大半が凹みを希望されますので、印圧によって変わる印刷品質をご覧いただこうと印刷実験をしました。 印刷条件は印圧と胴張りの仕立て方以外は同じです。 用紙はクレーンレトラの0.5mm厚で、版は亜鉛版です。 左から順に印圧を強くしています。 (それぞれ胴張りの仕立てが異なります。) 下の画像の左は文字品質優先で若干の圧を掛けたもの、右は私が文字品質の限界と考えるところまで圧を加えたものです。 圧を掛けると色が濃くなりますので来はインキ量の調整を行う必要がありますが、今回のテストでは同じインキ量のため右が濃くなっています。 また、文字が少し太くなっていますが、インキ量を抑えることで大半の方にとって違和感の無いレベルに収まるという判断でここまでが限界としました。 裏面はフラットのままで、凸にはならないように刷るのを基としています。 実際にどの位まで圧を加えるかはお

    凹みと引き換えに失うもの
  • インテロバング‽と金属活字 AMERICANA

    オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。 名刺、招待状、ステーショナリー、年賀状のカスタムプリンティング承ります。 ワークショップや、活版印刷機の時間貸しもしています。 大阪府公安委員会 第62113R030016号 株式会社大同印刷所

    インテロバング‽と金属活字 AMERICANA
  • 空押し(デボス)と凹みの演出テクニック

    インキを着けずに刷る活版印刷という感覚なので、取り組みやすい加工であるものの、実は意外と奥が深い加工です。 空押しの魅力を十分に引き出すためにお伝えしたいことをまとめてみました。 エンボス加工との違い 凹の型(雌型)と凸の型(雄型)で用紙に圧を加え、浮き出しとなるのがエンボスです。 紙に立体的な加工を施すという点では空押しに似てるとも言えますが、全く別の加工としてその違いを認識しておく必要があります。 エンボスは紙の断面が凹凸状になりますから、浮き出した面の裏面は当然凹んでいます。 よって、裏面の絵柄との兼ね合いに注意する必要があります。 また、厚い紙に細い線や文字の組み合わせの場合、浮き出しの量が不十分になることがあり、この点にも注意が必要です。 エンボスについてご興味のある方はこちらの記事もどうぞ。 【印刷実験】エンボス加工あれこれ http://kappan.did.co.jp/20

    空押し(デボス)と凹みの演出テクニック
  • 1954年MANUALE TYPOGRAPHICUM

    オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。 名刺、招待状、ステーショナリー、年賀状のカスタムプリンティング承ります。 ワークショップや、活版印刷機の時間貸しもしています。 大阪府公安委員会 第62113R030016号 株式会社大同印刷所

    1954年MANUALE TYPOGRAPHICUM
  • 本当の活版印刷???

    今また活版印刷が見直されているのは、商業・出版印刷の最大の使命である経済的な大量複製術としての効率性や標準化の追及で無いことは明らかでしょう。 活版印刷が商業・出版印刷の主役の座を完全に譲ったのは1970~80年代のことでした。 30年以上も昔の、商業・出版印刷としての活版印刷の価値観を今に当てはめるのは、とても窮屈なことだと思うのです。 下記の質問について、皆さまはどうお答えになられますでしょうか? (1)紙を凹ませるのは当の活版印刷ではない (2)活版印刷の裏面は全て凸状に出っ張る (3)樹脂版は金属版に劣る 私の答えは全てNOです。 (1)19世紀のプライベートプレスのウィリアム・モリスは、凹みは活版印刷の魅力と言いました(ただし、これを示すメモが貼付された黄金伝説には極端な凹みはない)。 (2)裏面が凸状に出っ張るのは軟らかい胴張りを用いる為ですが、文字や線の品質が劣り、活字の消

  • 活版印刷?凸版印刷?レタープレス?

    「活版印刷・レタープレスとは何か」を再定義することに関して、私はあまり関心がありません。 活版印刷が栄えた時代には、生産性向上を図る技術革新により紙型、ライノタイプ、モノタイプなど生産方式のバリエーションが産まれました。 また、欧米においては、大きな書体は木活字が好んで使われていました。 1文字づつ独立した金属活字を、手で文選し組版する事にはどれもあたりません。 これらは活版印刷・レタープレス? 活版印刷機だけが産み出せる唯一のもの…これが私の最大の関心事です。 そして、それを実践するということです。 樹脂凸版や金属凸版を活版印刷に含めるかどうかの議論のなかで、活字愛好家たちが抵抗を感じる心情にも一定の理解はできます。 では、樹脂凸、金属凸は何と呼べば良いのかという事なのです。 凸版印刷? レタープレス? 一般的な定義にもとづけば凸版印刷ということになりましょうが、それでは実在する印刷会社

    活版印刷?凸版印刷?レタープレス?
  • ワークショップレポート

    オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。 名刺、招待状、ステーショナリー、年賀状のカスタムプリンティング承ります。 ワークショップや、活版印刷機の時間貸しもしています。 大阪府公安委員会 第62113R030016号 株式会社大同印刷所

    ワークショップレポート
  • 強印圧による凹みが嫌われる5つの理由

    いま私が刷っている印刷物は、名刺、カード、招待状などが中心です。 頂戴するご注文は、厚い紙に凹みがつく強い印圧のご希望が大半です。 私も凹みは大好きですので、紙とインキの物質としての存在感を際立たせているものとして喜んでお引き受けしています。 皆さまと同じで、インキの有無を除けば空押しと同じ感覚です。 お客さまには大変驚かれることが多いのですが、活版印刷が商業印刷の主役だった頃を知る印刷人にとって、凹みは下手の証しとして忌み嫌う方が大半のようです。 これにはちゃんと理由があるのですが、いくつかの理由が積み重なって、ただ感情的に嫌悪感のみを語られるケースも見聞きします。 凹みが嫌われる理由を整理してみようと思います。 【第一の理由】活字の寿命 鉛、錫、アンチモンの合金から作られる活字は金属のイメージに反して非常に短命であり、過剰な印圧はその寿命をさらに縮めてしまうことになります。 私は強印圧

  • カッパンと写真表現

    オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。 名刺、招待状、ステーショナリー、年賀状のカスタムプリンティング承ります。 ワークショップや、活版印刷機の時間貸しもしています。 大阪府公安委員会 第62113R030016号 株式会社大同印刷所

    カッパンと写真表現
  • 活版ワークショップレポート

    オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。 名刺、招待状、ステーショナリー、年賀状のカスタムプリンティング承ります。 ワークショップや、活版印刷機の時間貸しもしています。 大阪府公安委員会 第62113R030016号 株式会社大同印刷所

    活版ワークショップレポート
  • LA Printers Fair 2013

    去年はとにかくガチガチに緊張していましたが、今年は少しリラックスして楽しめました。 去年出会ったRachelleをはじめ、1年ぶりの人たちがブースに遊びに来てくれて再会を喜びあえたのも凄く嬉しかったです。 Rachelleはレタープレスや手すき紙に取り組むアーティストであり、先生でもあります。 昨年の別れ際、彼女と来年も来ると約束したので再会の喜びも格別でした。 Barbaraは去年同じ会場にいながら会えずじまいだったけど、ようやく挨拶できました。 彼女はVandercookをリビングのグランドピアノの隣に置いているんです。 また、彼女はコロタイプで刷ったを出版したことのあるGeraldを紹介してくれました。 Timにブースを任せてGeraldのブースに遊びに行きました。 レタープレスとコロタイプという共通点からとても楽しくお話しできました。 Barbaraから私のことを聞いていた彼は、

    LA Printers Fair 2013
  • 壁文字プロジェクト@なに活 お披露目会&懇親会

    その壁文字の完成を記念して、4月6日(土)にお披露目会と懇親会を開催します。 14時からのトークイベントでは、制作にまつわるエピソードをお二人にたっぷりと語っていただきます。 また、18時からは軽とドリンクをご用意して立形式の懇親会を開催します。 完成したばかりの作品を眺めながら、清水さん、三戸さん、ご来場の皆さまと懇親を深めていただく絶好の機会です。 カリグラフィ、レターアーツ、タイポグラフィ、デザイン、アートにご関心をお持ちの皆さまでぜひお誘い合わせの上ご来場ください。 ※懇親会へ参加される方のみお申込みが必要です。 http://twipla.jp/events/45921 2013年4月6日(土) 開  場 13:00 - 18:00 (トークイベントは14:00‐14:30) ※予約不要、無料 懇親会 18:00 - 20:00 (「参加」申し込みが必要です。無料) 場  所

    壁文字プロジェクト@なに活 お披露目会&懇親会
  • Letterpress Mini-Poster “Anatomy of Type—Imaginary Lines, Areas, and Heights”

    Letterpress Mini-Poster “Anatomy of Type—Imaginary Lines, Areas, and Heights” なに活のスタート以来お世話になっているeszett design さんの新作をお手伝いさせていただきました。 実はこの作品には大変思い入れがあります。 2011年5月、NYへレタープレスの修行の旅に出掛ける直前、当時まだプロトタイプであったeszett designさんのデザインに一目ぼれし、無理をお願いして製版をさせていただいたのです。 出発直前まで業務に追われ、フラフラの状態で何とか製版を終え出国しました。 その版をブルックリンのThe ARMに持ち込んで刷った時の写真がこれです。 プライクのレッドとハーフエアのコットンを日から持ち込みました。 壁に吊ってあるのが、刷りたてホヤホヤのプライクです。 しかし、私の製版にミスがあり、細

    Letterpress Mini-Poster “Anatomy of Type—Imaginary Lines, Areas, and Heights”
    funaki_naoto
    funaki_naoto 2013/03/06
    欲しい。
  • LA Printers Fairに行ってきた(1)

    オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。 名刺、招待状、ステーショナリー、年賀状のカスタムプリンティング承ります。 ワークショップや、活版印刷機の時間貸しもしています。 大阪府公安委員会 第62113R030016号 株式会社大同印刷所

    LA Printers Fairに行ってきた(1)
  • 【日程変更】4月8日(日)京都の加藤第一印刷さんでフリマのお知らせ

    ※主催者様のご都合により、4月7日(土)は中止となりました。 (2012/3/25更新) イベントの開催内容は、主催者様のご都合により変更となる場合があります。 主催者様にホームページなどWebの告知手段がない為、「なに活」が広報宣伝にご協力しているものであり、イベントの内容については主催者様のご判断によるものです。 今後、開催内容の変更があった場合は速やかに告知するよう努めますが、主催者ではないことから若干の時間差が生じる場合もございます。 緊急を要する場合はツイッターでも告知をいたしますが、何卒ご理解の程よろしくお願い致します。 ※印刷機に関しては全て成約となりました。(2012/3/25更新) 【開催概要】(2012/3/27更新) 工場内のガレージを会場にし、ゲラや文選箱などの木製ケースや、メタルベース、インテルといった活版印刷に用いる資材を販売します。 工場内の見学会、トークセッ

    【日程変更】4月8日(日)京都の加藤第一印刷さんでフリマのお知らせ
  • 印圧について(1)

    なに活に印刷のご注文をいただくお客さまの多くは、強印圧による凹みを希望されます。 他の版式には真似のできない、視覚と触角に訴える表現に惹かれて。 私も同じくそこに惹かれて始めたものですから、喜んでお引き受けしています。 ところが、活版印刷の全盛期を知る印刷人にとって、紙が凹むほどの強い印圧(その目的が演出であっても)は忌み嫌うべき対象であることをお伝えすると、皆さん大変驚かれます。 強印圧が嫌われた理由とは何だったのでしょうか。 一番の理由は、活版印刷の主役であった活字の存在です。 鉛が主体の合金である活字は柔らかく、強印圧であっけなく文字が潰れてしまいます。 (印刷機の損傷を防ぐため、版胴や圧胴の材質より弱くなくてはならない) また、過剰な印圧は印刷機の精度の狂いや寿命を縮める原因になるのも理由の1つです。 それに加えて、強印圧の凹みが映えるのは紙厚0.4mm以上の厚紙ですから、当時の用

  • 変わったフォント?

    今さらですが、5月のNY出張の時の写真を整理しています。 未公開のものから少しご紹介します。 まずは到着初日から。 こちらはメトロポリタンミュージアム。 今回の旅の目的はナショナルステーショナリショーの視察、レタープレス事情の視察と仕入れでしたので、観光らしい観光はできませんでしたが、20年前にも訪れたメトロポリタンミュージアムにはどうしても行きたかったのです。 幸いにして到着日は金曜日で21時まで開館しています。 ホテルには19時前に到着しましたので、荷物を置いてすぐに出掛けました。 企画展はGUITAR HEROESで、John D'Angelico, James D'Aquisto, John Monteleoneという3人のルシアー(弦楽器製作家)のアーチトップギターやマンドリンなどが展示されていました。 http://blog.metmuseum.org/guitarheroes

    変わったフォント?
  • 手フートの飼い方③ 飼い主のお作法

    ご縁あって中古の手フートを入手できたら、まず最初にして欲しいことはオイルを差してやることです。 軸の部分を観察すると、小さな穴がいくつか開いているのが判ると思います。 この穴に注油するのですが、管理が悪いと汚れやホコリが溜まっていることがあります。 その場合は注油をする前に爪楊枝などを使って耳かきの要領で綺麗にしてください。 くれぐれもゴミやホコリを穴の奥に押し込まないように注意してください。 全体的にホコリの付着が酷いようでしたら、注油口を養生テープなどで塞いで先にホコリを落としてしまいましょう。 車の洗車と同じで上から下へと順に掃除するのがお約束です。 全ての注油口を綺麗にしたらオイルを差してください。 使う度に少量づつ差してやるのが理想的ですが、高速で回転する訳でもありませんので、プライベート・プレスではあまりシビアに考えなくても良いと思います。 でも、穴の湿り具合はいつも気に掛けて

    手フートの飼い方③ 飼い主のお作法
  • 手フートの飼い方② 買ってはいけない手フート

    手フートに限りませんが、中古機械を買うときのポイントは、オーナー(売り手)の機械に対する愛情を知る事だと思います。 オーナーの愛情が深ければ、まず失敗することは無いと考えています。 また、オーナーとの信頼関係ができれば、万一困ったことがあっても力になってくれるはずです。 なに活は「何を買うか」という事より、「誰から買うか」を大切にしています。 前回、欲しい印刷機は遠方でも必ず見に行くというお話をしましたが、機械のコンディションを見る目的と同時に、オーナーの人柄を知る為でもあるのです。 中古機械を買うということは、オーナーの人柄を買うことだと思うのです。 その理由ですが、そのような手フートは産業機械として役割を終えた骨董品やスクラップとして手荒に扱われた可能性があるからなのです。 つまり、破損、歪み、サビなどの深刻なダメージを負っていたり、チェースやインキローラー(大切なのは芯棒)、コロなど

    手フートの飼い方② 買ってはいけない手フート
  • 活字の里を訪ねて

    オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。 名刺、招待状、ステーショナリー、年賀状のカスタムプリンティング承ります。 ワークショップや、活版印刷機の時間貸しもしています。 大阪府公安委員会 第62113R030016号 株式会社大同印刷所

    活字の里を訪ねて