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ブックマーク / kmhr.hatenablog.com (9)

  • ロルフ・ファステのハイブリッド的考え方:デザイン教育の系譜1 - Kamihira_log at 10636

    Rolf Faste(1943-2003), Stanford University professor 自分が影響受けたことの系譜を記述する、という超個人的なシリーズを思いついたので、時間みつけて書いてみたいと思う。 初回はロルフ・ファステ教授。日ではほとんど知られていないけれども、デザイン教育者として歴史に残る重要な人物である。ファステは、スタンフォード大工学部のプロダクトデザインプログラムのディレクターを長年務め(1984-2003)、在任中にがんで急逝した。ちなみにファステの前任はロバート・マッキム(ビジュアルシンキングの創始者)で、後任がデビッド・ケリー(IDEO Founder)である。 彼が中心となり、工学部の学生達の創造性を高めるために開発しつづけた教育は、単なるデザイナーの職能育成を飛び越えて、異なる領域と領域をつなぐ共通言語となり、非専門家のためのデザイン教育として体

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  • 【コ・デザイン執筆裏話#1】秘技・文末ゆらし!日本語を書く際の不思議なテクニック - Kamihira_log at 10636

    執筆を通してたくさんのことを学んだので、何回かにわけて執筆の裏話を書いていこうと思う。 ____ いまふりかえって真っ先に思い出すのは、文体や漢字/ひらがなのひらき方によってニュアンスが変わる、日語ライティングの面白さである。僕自身はこのブログにしても論文にしても、普段は「である」(常体)で文章を書いている。そのほうが圧倒的に書きやすし読み慣れている。とはいえ、ほとんどの読者にとっては、「ですます」(敬体)のほうが親しみやすさや丁寧さを感じて支持されるようだ。そのへんを考慮して『コ・デザイン』は、多くの人に読んでもらうために「ですます」で書くことを選択した。 ところが。 「ですます」で長い文章を書くのは、ものすごく難しい。とにかく冗長かつ単調になりやすいのだ。ブログやnoteを書いている人は、経験したことがあるだろう。その原因は日語の文末のバリエーションが極めて少ないことにあるようだ

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  • アラスカで見た人形に、デザインの本質を見た気がした - Kamihira_log at 10636

    Tea doll.  Fairbanks, Alaska,USA 2009 _______ これは2010年の夏、私がアラスカのフェアバンクスに一ヶ月ほど研究で滞在した時、現地の人形コレクターの女性の家で見せてもらった人形です。一見して年季が入った手作りのもので、21世紀の今の私たちの目から見ると、お世辞にもかわいいものとは言えません。しかし説明を聞いてみると、この古ぼけた人形が一変して見えてくるのです。 まず彼女に、「持ってごらん」と言われ、私は両手で人形を受け取りました。ずっしりと重みが伝わってきます。どうやら通常の人形のように中に綿が詰まっているわけでは無さそうです。うろたえていると、「嗅いでごらん」と言われ、私は鼻を近づけてみました。なんだか葉っぱのような、爽やかな匂いがします。この人形の中には綿ではなく、なんと〈お茶の葉〉が詰まっているのでした。 それはなぜでしょうか?彼女の説明

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  • 看護師のためのグラフィックデザイン - Kamihira_log at 10636

    データ整理しているときに、偶然懐かしいものを発掘した。10年前、看護師向けの専門雑誌で「看護師の方々にデザインの力を知ってもらう」という連載記事があって、僕にバトンがまわってきた時に作ったもの。見開き2ページを使って自由に考えるという企画だった。 この年のテーマは「手洗い」ポスターのリ・デザイン。病院で看護師達が見飽きているだろう題材が設定されていた。意外なことだが、忙しさのあまり手洗いを忘れてしまう看護師はけっこういるらしい。そこで看護師たちがふと目を止めて手洗いに新鮮な気づきがあるような思考実験的なコンテンツをつくれ、というものだった。 というわけで、ぼくが考えたのが「プロフェッショナルなマインド」に訴えるという作戦。ここで晒してみる。 左ページにグラフィックが配置。(当時ポスターのデータは出版社のウェブサイトからダウンロードして印刷して使えるようになっていた) 右ページにはデザインを

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  • デザイン・ウィズ・ノンヒューマン:Xデザイン学校公開講座より - Kamihira_log at 10636

    ちょっと前の話になるが、9/10にXデザイン学校公開講座で講演してきた。Xデザイン学校では他の講師陣が豪華なこともあり、僕は変わった問いを投げかける変化球投手の役割だと理解している。昨年度は「デザインすることはGiveすること」で、今年の題目は「デザイン・ウィズ・ノンヒューマン」。ほとんどの人が「ん?」と戸惑うような切り口である。しばらく時間経ってふり返ってみると、色々と言い足りてないことにも気付くもので、今回のスライドは非公開としておきたい。(連絡頂ければお見せします) 大まかな講演概要は以下の通り。 人類学はデザインリサーチの方法にも大きな影響を与え、人間とは何かを探求する学問として、デザインとは相互関係にある。その人類学は、21世紀に入って大きく変化していることはあまり知られていない。実在している「何か」を、特定の人々がどう認識しているかを調査・記述するという古典的なスタイルを経て、

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  • 巨匠達のデザイン態度 - Kamihira_log at 10636

    デザイン態度のリサーチを初めてから、過去の偉大なデザイナー達の発言が目に留まるようになった。時折ハッとさせられる真摯な言葉ばかりなので、メモとしてまとめていきたいと思う。そんなわけでDesign Attitudeのタグを作ってみた。いまのところ記事2つ。 Helmut Schmid(1942-2018) 伝説的タイポグラファー、ヘルムート・シュミット。未だに古びないポカリスエットのロゴを作った人と言えば、一般の人にも伝わるだろうか。彼はつい2週間前にこの世を去った。彼の作品集は、Helmut Schmid: Gestaltung ist Haltung / Design Is Attitudeと題されている。 it is not coincidence that makes a designer but his continuity. and continuity means workin

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  • 学食というサービスの明暗 - Kamihira_log at 10636

    大学に入っている学の運営会社が急遽倒産したそうで、野次馬根性丸出しで見に行ってみた。パートさんたちの怒号が飛びかい現場は混乱していた・・・ということもなく、春期休業中なので閑散としている。(ちょうど契約を終えたところだったそう。事業を続けられないのは事前に分かっていたのかも) 学が経営厳しいというのは端から見ていてもよくわかる話だ。我々としても他人事ではない。材も人件費も高騰しているのに学生相手に値上げするのも難しく、構造的に利益を上げにくいのは仕方ないところ。でももっと深刻に感じるのは、多くの学生にとっては「学でも高い」んだそうで、それで昼はどうしているかというとコンビニのでかいカップラーメン一つをスープまで平らげて済ませているのが大量にいるのである。健康に悪そうなことは言うまでもなく、あれをコンビニで定価で買うのは割高だろうに・・・。(外費が高いデンマークの学生達はもっと工

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  • 不屈のデザイン運動体の輝きを見た:ウルム造形大学アーカイブより - Kamihira_log at 10636

    10月19日(土)、フライブルグからウルムに移動した。この街は世界最大の大聖堂で有名だけれど、今回の旅の最大の目的地はこの古ぼけた校舎。デザインを学んだ者なら知らない人はいないHfG、通称 "ウルム造形大学"の跡地である。ちょっと前まではウルム大学(?)が入っていたとの記事をネットで読んだが、今はNPOが施設を管理してデザイン事務所などに貸し出したりしているようだ。 特に管理は厳しいということもなく、普通に中に入ることが出来る。うーん、この校舎に入れるとは、感無量。このデザインスクールの教育を色濃く反映している武蔵美基礎デ関係者のみなさんにとっては聖地のようなところだと思う。同僚のK先生(基礎デ卒)に自慢しよう。 校舎はMax billによる設計。かなり目立つ場所にサインが残されていた。 学跡。土曜と言うこともあり、ちょうど結婚パーティが企画されていてあくせくと数名が準備していた。そんな

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  • 視覚障害者をデザインパートナーにする:Blindes Arbejde訪問 - Kamihira_log at 10636

    11月19日(木),友人Rosaが招待してくれて,視覚障害者のみなさんの工房を見学してきた.9月末にKolding Design Schoolで開催されたカンファレンスの際に彼女が講演してて,取り組みがとても興味深かったので挨拶したのがきっかけである. Rosaは視覚障害者とのCoDesignによってテキスタイルをデザインする,という独自性のある活動をしていて.先日はデザインミュージアムの企画展でも作品を出品しているのを偶然見つけた.日企業とのコラボレーションも行っているそうだ.Kolding Design Schoolの卒業生だそうで,やはりあの学校は良い人材を育成しているのだな. 彼女の働いているBlindes Arbejde(英語Blind Work)というのは,目の見えない人達が職人として働いている工房で,ハンドメイドでいくつかのプロダクトを生産している. 彼女はここの職人さ

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