1956(昭和31)年、大学受験のために上京した、一人の青年。それから半世紀以上が過ぎて、彼がその半生をかけて集めた3万冊にも及ぶ蔵書は、故郷に帰ることになりました。 長らく、みなさまにご心配いただいておりました草森紳一先生の蔵書ですが、このたび、ご出身地の北海道音更町にあります帯広大谷短期大学に寄贈させていただくことになりました。学長の中川皓三郎先生、中心になって検討してくださった田中厚一教授、事務局長の永井秀樹さまを初め、受け入れにあたってご尽力いただいたすべての方々に、篤く御礼を申し上げます。 思えば、この「蔵書整理プロジェクト」が始まってから1年半。あっという間に過ぎたようではありますが、いろいろな紆余曲折もありました。うだるような暑さの中での仕分け作業や、凍てつくような寒さの中での入力作業。新聞や雑誌の取材もあれば、チラシを作ったこともありました。花火も見れば、桜も見ました……。