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ブックマーク / sorae.info (24)

  • 改善された反陽子冷却装置“マクスウェルの悪魔二重冷却トラップ”を開発

    私たちの宇宙には「反物質」はほとんどありませんが、その理由はよく分かっていません。この謎を解決するために、反物質の性質を測定し、物質と比較する実験が行われていますが、精密な測定をするには課題がいくつもあります。 欧州原子核研究機構(CERN)の国際研究チーム「BASEコラボレーション」は、これまでで最も効率的な反陽子冷却装置“マクスウェルの悪魔二重冷却トラップ(Maxwell’s daemon cooling double trap)”を開発しました(※1)。この装置は、従来の100分の1以下の時間で反陽子を冷却することができるため、反陽子の性質の測定回数を増やすことができます。これにより、反陽子の性質をより正確に測定できることになります。 ※1…マクスウェルの悪魔(Maxwell’s daemon)とは、物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェルが提唱した思考実験です。題から逸れるため

    改善された反陽子冷却装置“マクスウェルの悪魔二重冷却トラップ”を開発
  • 約7億年前の全球凍結「スターティアン氷期」はなぜ起きた? その謎に迫る研究

    地球はその歴史の中で、表面全体が氷河に覆われる「全球凍結(スノーボールアース)」が何度か起こったと推定されています。しかし、なぜ全球凍結が起きたのか、またどのように “解凍” されたのかについてのメカニズムはほとんど分かっていません。 約7億年前に起こったとされる全球凍結レベルの極端な氷河期「スターティアン氷期」の発生原因を、地質記録とシミュレーションによって調査したシドニー大学のAdriana Dutkiewicz氏などの研究チームは、火山からの二酸化炭素放出量が少なくて岩石の風化による二酸化炭素の吸収が多かったために、大気中の二酸化炭素濃度が現在の半分以下まで減少したことが原因であると推定した研究成果を発表しました。興味深いことに、この状況は遠い未来に地球で起こる状況と似ています。 【▲図1: 全球凍結した地球の想像図(Credit: Oleg Kuznetsov)】■赤道すら凍りつく

    約7億年前の全球凍結「スターティアン氷期」はなぜ起きた? その謎に迫る研究
  • 火星の赤道付近に大量の水を氷として含む堆積層が存在する可能性 推定厚さ最大3.7km

    スミソニアン協会のThomas Wattersさんを筆頭とする研究チームは、火星の「Medusae Fossae Formation(メデューサエ溝状層、以下MFF)」と呼ばれる地域に氷(水の氷)を含む厚い堆積層が存在する証拠を示した研究成果を発表しました。堆積層の厚さは最大で3.7kmに達し、火星全体を深さ1.5~2.7mで覆えるほど大量の水が氷として存在する可能性があるようです。研究チームの成果をまとめた論文はGeophysical Research Lettersに掲載されています。 【▲ 火星のメデューサエ溝状層(Medusae Fossae Formation:MFF)の位置を示した図。MFFはオリンポス山(Olympus Mons)の南西、赤道(Equator)のすぐ南に位置している。画像の色は標高に応じて着色されている(Credit: ESA)】欧州宇宙機関(ESA)によると

    火星の赤道付近に大量の水を氷として含む堆積層が存在する可能性 推定厚さ最大3.7km
  • 「天王星」と「海王星」の “真の色” を確定 色から見る大気の詳細な情報

    惑星の外観について、「天王星は空のような薄い青色」「海王星は海のような深い青色」というイメージが一般的と思われます。しかし、公開されている天体の画像は様々な事情で補正がかけられていることもあるため、実際に人間の目で見た状況を正確に反映しているとは限りません。 オックスフォード大学のPatrick Irwin氏などの研究チームは、独自開発した惑星の色モデルに「ハッブル宇宙望遠鏡(HST)」と「超大型望遠鏡(VLT)」の観測データを適用し、天王星と海王星の肉眼的に最も正確な“真の色” を確定しました。その結果、天王星と海王星の “真の色” は緑色を帯びた淡い青色であり、海王星のほうがわずかに青色が強いことを除けばほとんど区別できないほどそっくりであることがわかりました。 今回の研究は、長年の天王星と海王星のイメージを変えるだけに留まらず、天王星の極地と赤道の環境の違いといった、観測が難しい遠方

    「天王星」と「海王星」の “真の色” を確定 色から見る大気の詳細な情報
  • 【速報】JAXAの月探査機「SLIM」月周回軌道投入成功 2024年1月20日に月着陸へ

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2023年12月25日、小型月着陸実証機「SLIM」の月周回軌道投入に成功したと発表しました。SLIMは早ければ日時間2024年1月20日に月着陸を実施する予定です。【最終更新:2023年12月26日14時台】 【▲ 月周回軌道に到着した小型月着陸実証機「SLIM」の想像図(Credit: JAXA)】月面へのピンポイント着陸技術を実証するために開発されたSLIMは、JAXAのX線分光撮像衛星「XRISM」とともに「H-IIA」ロケット47号機に相乗りする形で、2023年9月7日に種子島宇宙センターから打ち上げられました。打ち上げから約1か月後の2023年10月4日には地球を公転する月の重力を利用して軌道を変更する月スイングバイが実施されており、SLIMは月を一度離れてから再び接近する軌道上で2か月半余りに渡って飛行を続けていました。 JAXAによると、

    【速報】JAXAの月探査機「SLIM」月周回軌道投入成功 2024年1月20日に月着陸へ
  • 観測史上2番目に高エネルギーな宇宙線を観測 「アマテラス粒子」と命名

    宇宙には高エネルギーな粒子である「宇宙線」が飛び交っていますが、その中でも非常に極端なエネルギーを持つものは「超高エネルギー宇宙線(UHECR; Ultra-High-Energy Cosmic Ray)」と呼ばれています。超高エネルギー宇宙線がどこで発生しているのかは明らかになっていません。 超高エネルギー宇宙線の観測を行う「テレスコープアレイ実験」の国際研究チームは、2垓4400京電子ボルト(244エクサ電子ボルト、39ジュール)(※1) という桁違いに高エネルギーな宇宙線の観測に成功したと発表しました。この宇宙線は、観測史上2番目に高エネルギーな宇宙線であることなどを理由として「アマテラス粒子(Amaterasu particle)」と名付けられました。陽子であると仮定した場合、アマテラス粒子の速度は光の速さの99.99999999999999999999926%に相当します。 ※1

    観測史上2番目に高エネルギーな宇宙線を観測 「アマテラス粒子」と命名
  • 宇宙ではニュートリノのほうが反ニュートリノよりも多く生成された 初期銀河の観測で証明

    私たちが住む宇宙は「物質」に満ちていて、一部の性質が反転している「反物質」はほとんど存在しませんが、現在の理論や実験では物質と反物質が常に同じ量だけ生成されることが分かっています。物質と反物質は出会うと消滅してしまうため、それぞれが同じ量だけ生成された宇宙は空っぽになってしまうはずですが、物質に満たされた現在の宇宙の姿は、宇宙誕生時に物質と反物質が生成されたプロセスの中で物質のほうが10億分の1だけ多く作られたことを示しています。わずかな差ですが、なぜこのようなことが起こったのかは物理学における大きな謎となっています。 この謎を解決するには、物質と反物質の性質の違いを示す具体的なデータを組み合わせることが必要であり、そのための観測や実験が進められています。カリフォルニア大学アーバイン校のAnne-Katherine Burns氏とTim M. P. Tait氏、そしてニューヨーク州立大学ス

    宇宙ではニュートリノのほうが反ニュートリノよりも多く生成された 初期銀河の観測で証明
  • ダイヤモンドより硬い「ロンズデイル石」は天然の “化学蒸着” でできる可能性が判明

    【▲ 図1: キャニオン・ディアブロ隕石に含まれる1mm未満のダイヤモンドの表面には、ロンズデイル石が非常に薄い膜として存在すると言われています。 (Image Credit: Arizona State University) 】この世で一番硬い物質はダイヤモンド、とよく言われますが、科学者はダイヤモンドを上回る硬さを持つ物質を長年探索してきました (※) 。そのような物質の候補として有力視されてきたものの1つが「ロンズデイル石 (Lonsdaleite)」 (あるいはロンズデーライト、六方晶ダイヤモンドとも呼ばれる) です。 ※…しばしば誤解されますが、この場合の「硬さ」は結晶の傷つきにくさや摩擦に対する強さのことで、ビッカース硬さなどで表されます。外から力を加えられた時に変形や崩壊しにくいという意味での「硬さ」は、剛性や靭性などと呼ばれます。 ロンズデイル石は、1967年にキャニオン

    ダイヤモンドより硬い「ロンズデイル石」は天然の “化学蒸着” でできる可能性が判明
  • 2つの恒星を公転する「周連星惑星」視線速度法による地上からの観測で初めて検出成功

    【▲ 連星「ケプラー16」の手前を横切る系外惑星「ケプラー16b」の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech/R. Hurt)】バーミンガム大学のAmaury Triaud教授を筆頭とする研究グループは、地上の望遠鏡による「視線速度法」(後述)と呼ばれる観測手法を用いることで、連星を公転するタイプの太陽系外惑星である「周連星惑星」を検出することに成功したとする研究成果を発表しました。 周連星惑星(circumbinary planet)は連星を成す2つの恒星をどちらも公転している系外惑星のことで、映画「スター・ウォーズ」シリーズの舞台のひとつである双子の太陽を持つ惑星「タトゥイーン」によく例えられます。研究グループによると、周連星惑星を視線速度法で検出したのは今回が初めてのことだといいます。 ■既知の周連星惑星「ケプラー16b」を視線速度法で初検出【▲ 連星を成す恒星「ケプ

    2つの恒星を公転する「周連星惑星」視線速度法による地上からの観測で初めて検出成功
  • タイガー魔法瓶の宇宙実験用の輸送容器、ISSから2度目の帰還

    【▲「真空二重構造断熱・保温輸送容器」の参考画像。2度目の帰還となる「NPS-A100」(左)と2018年に技術実験に用いられた「NPL-A100」(右)(Credit: タイガー魔法瓶)】タイガー魔法瓶は2022年2月15日、「真空二重構造断熱・保温輸送容器」がISS(国際宇宙ステーション)から無事帰還したことを発表し、2度目の再使用を報告しました。 真空二重構造断熱・保温輸送容器は、タイガー魔法瓶、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、株式会社テクノソルバが開発した宇宙実験サンプルを保冷状態で格納し、長時間保温できる構造の輸送容器です。 2018年には、「NPL-A100」(冒頭画像の右)が、宇宙ステーション補給機「こうのとり7号機」によってISSに運ばれ、同機の大気圏再突入後の回収技術実験に使用され、無事に宇宙実験サンプルを地球に持ち帰っています。 第2フェーズとなる「NPS-A100」

    タイガー魔法瓶の宇宙実験用の輸送容器、ISSから2度目の帰還
  • 40万もの銀河の位置を示した最新の「三次元宇宙地図」が公開される

    【▲ ダークエネルギー分光装置「DESI」の観測データをもとに作成された、地球を中心とした三次元宇宙地図(Credit: D. Schlegel/Berkeley Lab using data from DESI; Acknowledgment: M. Zamani (NSF's NOIRLab))】黄色から赤色へのグラデーションに彩られた扇のようにも見えるこちらの画像は、地球を中心とした半径100億光年(※)以内の宇宙に存在する銀河の位置を示した最新の三次元宇宙地図、その断面を示したものです。無数に描画された点の1つ1つが、それぞれ1つの銀河を表現しています。画像を公開した米国科学財団の国立光学・赤外天文学研究所(NSF/NOIRLab)によると、この宇宙地図では全部で40万個の銀河の位置が示されているといいます。 次の画像は中央付近を拡大したものですが、巨大な泡や蜘蛛の巣にもたとえられ

    40万もの銀河の位置を示した最新の「三次元宇宙地図」が公開される
  • 天の川銀河に存在する反物質星の数が推定される

    【▲ ガンマ線の分析によって絞り込まれた14個の反物質星の候補の分布図(Credit:S. Dupourqué/IRAP)フランスの天体物理学・惑星学研究所は4月28日、サイモン・デュプケさん率いる研究チームが、私達の天の川銀河に存在する反物質星(anti-stars)の数を推定することに成功したと発表しました。研究チームによれば、天の川銀河において、30万個の普通の恒星に対して、最大で、1個の反物質星が存在すると推定されるといいます。 ■そもそも反物質ってなに?反物質とは、反陽子、反中性子、反電子などによって、つくられた物質です。反陽子、反中性子、反電子は、普通の陽子、中性子、電子に対して、電荷は反対ですが、質量などのその他の性質はほぼ同じです。例えば、電子はマイナスの電荷を帯びていますが、反電子はプラスの電荷を帯びています。しかし、その他の性質はほぼ同じです。 ビックバンによって宇宙が

    天の川銀河に存在する反物質星の数が推定される
  • 昨年アルジェリアで見つかった隕石、太陽系誕生直後の火山岩だった

    太陽系誕生の様子を描いた想像図(Credit: Shutterstock)国立極地研究所の山口亮氏ら国際研究グループは、2020年にアルジェリアで見つかった隕石が知られているものとしては最古となる太陽系初期の火山岩であることが明らかになったとする研究成果を発表しました。研究グループは、こうした初期の太陽系における火山活動の状態を残す隕石の研究を通して、太陽系の進化についての理解が深まることに期待を寄せています。 今回分析された隕石「EC 002」(左)と偏光顕微鏡写真(右)(Credit: 国立極地研究所)■分析された隕石は45億6500万年前に噴出した溶岩が固まったもの初期の太陽系では塵が集まって微惑星や原始惑星が形成されていたと考えられています。地球をはじめとしたより大きな惑星の原材料となったこれらの天体は、放射性元素の崩壊熱に加熱されたことで融解した内部から溶岩が噴出し、火山岩ででき

    昨年アルジェリアで見つかった隕石、太陽系誕生直後の火山岩だった
  • かにパルサーの閃光とパルサーを発見した女性天文学者の「栄光」

    このわずか2秒の動画は、おうし座にある「かに星雲」として知られるパルサー(かにパルサー)の閃光を捉えたものです。画面中央のすぐ左上あたりを注視して見てください。この動画は、パルサーが点滅している時にだけ撮影された画像と、他の相対的な時間帯に撮影された画像を合成して作成されています。 かにパルサーは1054年に出現した超新星の残骸(中性子星)と考えられており、1秒間に30回も自転しています。パルサーとは「強い磁場を持ち回転する中性子星」のことです。 かに星雲の光学データ(赤色)とX線画像(青色)を合成した画像 中央の白い点がかにパルサー(Credit: NASA)かにパルサーの点滅は、1957年シカゴ大学で開催された公開観測に参加していた無名の女性によって、最初に発見された可能性があるとも言われています。しかし、1967年に最初のパルサーを発見したジョスリン・ベル・バーネル(Susan Jo

    かにパルサーの閃光とパルサーを発見した女性天文学者の「栄光」
  • 太陽系の形成に費やされた時間は20万年未満だった!

    太陽系の形成を表した想像図 (Credit: NASA)太陽系が形成された時間を見積るとざっと20万年だった――そんな研究結果が米国のローレンス・リバモア国立研究所のGreg Brennecka氏が率いる研究グループによって報告されました。 太陽や地球など太陽系の惑星は、ガスや塵からなる大きな雲(分子雲)が潰れることで誕生したと考えられています。ガスの雲が潰れてから太陽が「点灯」するまでに経過した時間は100~200万年と見積もられていますが、太陽系の形成に費やされた時間は不明でした。 研究グループは太陽系の形成に費やされた時間を推定するために、アルミニウム(Al)とカルシウム(Ca)を豊富に含む「CAI(calcium-aluminium–rich inclusion)」と呼ばれる物質に着目しました。 CAIは地球上に落下した隕石にマイクロメートル~センチメートルのオーダーで含まれている

    太陽系の形成に費やされた時間は20万年未満だった!
  • 「はやぶさ2」2020年12月6日に地球帰還 JAXA発表

    カプセルの大気圏再突入イメージ (Credit: JAXA)JAXAは2020年7月14日、小惑星探査機「はやぶさ2」の再突入カプセル地球帰還日が2020年12月6日(日時間/オーストラリア時間)になると発表しました。 着陸場所は、初代「はやぶさ」と同じくオーストラリア、南オーストラリア州のウーメラを予定しています。 ■現状と今後の予定各イベントの実施日時は7月14日現在未定(Credit: JAXA)「はやぶさ2」は、2019年11月13日に小惑星「リュウグウ」を出発し、地球への帰還軌道に入っています。2020年7月14日現在の地球からの距離は9200万km、リュウグウからの距離は404万km。打ち上げ以来の総飛行距離は49.2億kmで、残り3.2億kmで、順調に飛行中です。 5月12日以来イオンエンジンの加速運転が続いており、これは9月中旬まで続きます。10月以降は最終誘導フェーズと

    「はやぶさ2」2020年12月6日に地球帰還 JAXA発表
  • 太陽系の形成にも関係か。星々の動きから天の川銀河と伴銀河の衝突を読み解く

    宇宙において銀河どうしの接近や衝突はめずらしい出来事ではなく、天の川銀河も別の銀河と衝突・合体した経験があると考えられています。今回、天の川銀河とその近くにある矮小銀河によって過去3回に渡り繰り返された衝突の時期を絞り込むことに成功したとする研究成果が発表されています。3回のうち最初の衝突は、私たち人類の存在とも無縁ではないようです。 ■およそ57億年前の衝突が太陽系の誕生にもつながったか天の川銀河(中央)といて座矮小楕円銀河の相互作用を示した想像図。いて座矮小楕円銀河は3回に渡る衝突の過程で引き伸ばされ、一部が恒星ストリームとなって天の川銀河を取り巻いている(Credit: Gabriel Pérez Díaz, SMM (IAC))Tomás Ruiz-Lara氏(IAC:カナリア天体物理学研究所)らの研究チームは、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「ガイア」による観測データを利用して

    太陽系の形成にも関係か。星々の動きから天の川銀河と伴銀河の衝突を読み解く
  • 土星に近づく大迫力の動画。CGじゃなくカッシーニが見た本物の映像

    (In Saturn's Rings公開のオリジナル動画:https://youtu.be/UgxWkOXcdZU) もし宇宙船に乗って土星に近づくことができたらどのように見えるのでしょうか? 土星探査機カッシーニは2004年に土星に到着するまでの間に数千枚、土星軌道に入ってからは10万枚以上の画像を撮影しました。それらのうち初期の画像の一部をもとに、映画でもよく見かける「IMAX」形式(IMAX社が開発した規格)で作られた動画が公開されています。作成したのは「In Saturn's Rings」というプロジェクトです。 動画では土星だけではなく土星の衛星である「タイタン」、大きなクレーター(ハーシェル・クレーター)を持つ「ミマス」、そして厚い氷に覆われ、間欠泉がある「エンケラドス」も順に見ることができます。また、中盤ではカッシーニが土星の環の近くを横切るように移動していき、土星の環が非常

    土星に近づく大迫力の動画。CGじゃなくカッシーニが見た本物の映像
  • 【宇宙 SDGs】「持続可能な開発のための天文学」に関するプロジェクト募集。新型コロナ特別版も

    他の産業で開発された技術が天文学に応用されることはよくありますが、天文学を社会に応用し貢献するためのプロジェクトの募集が開始されました。これは国際天文学連合と南アフリカ政府が共同で設立した「社会発展のための天文学推進室」(Office of Astronomy for Development: OAD)が主催しているもので、年に一度行われます。OADは「より良い世界のための天文学」をビジョンとし、この募集(Annual Call for Proposals)では「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals: SDGs)に関するものを受け付けています。 SDGsとは持続可能でより良い世界を目指す国際目標で、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」といった17のゴールが定義されています。天文学とこれらのゴールは無関係のように思われるかもしれませんが、たとえば天文

    【宇宙 SDGs】「持続可能な開発のための天文学」に関するプロジェクト募集。新型コロナ特別版も
  • ブラックホールはどう見える? NASAが新しいシミュレーション動画を公開

    ブラックホールの見え方をシミュレートした想像図(静止画)NASAは9月26日、ブラックホールの見え方を視覚化した一連のシミュレーション動画を公開しました。こちらはそのひとつで、ブラックホールを横から観察するとどのように見えるのかをシミュレートしたものになります。 ■見えているのは「吸い込まれかけたガス」が輝く降着円盤といっても、光さえも抜け出すことができないブラックホールを直接見ることはできません。オレンジ色に輝いているのは、ブラックホールに吸い込まれかけている高温のガスなどが高速で周回する「降着円盤」と呼ばれるもの。円盤と名付けられてはいますが、その中心にはブラックホールがあるので、実際には幅の広い輪のような構造をしていると考えられています。 動画では、左向きに回転している降着円盤をやや斜め上から見下ろしたときの様子が再現されているのですが、右からブラックホールの裏側に回り込んでいくはず

    ブラックホールはどう見える? NASAが新しいシミュレーション動画を公開