有名な哲学者の名前を挙げてみてください。そう言われて女性の名前をそこに入れられる人は決して多くはないだろう。唯一の例外は、日本でも大人気のハンナ・アーレントかボーヴォワールくらいかもしれない。これが著名な文学者となれば、話は別だ。なんといっても世界で最初の長編小説家は紫式部だし、ウルフもデュラスもサガンもいる。現代の作家でもビッグネームが、わんさか思い浮かぶ。美術史でもそうだ。全体の割合は少ないが、まだかろうじて何名かの名前は浮かぶ。でも哲学は……。 本書では、哲学史のなかに埋もれた女性思想家たちの多くが、正当なアカデミズムの外に置かれてきた事態が、克明に綴られている。男性たちにひけを取らない強靭な思考の持ち主だった偉大な女性哲学者たちが、ことごとく時の大学や権威と闘い、あるいは利用してのし上がったりしながら、本来は不必要な戦いを強いられていた。哲学者である夫の仕事を手伝いながら名前を奪わ
コニー電子は、本体の大部分を紙で製作したスピーカー「Koala A-1」を開発した。紙材料は音響的に不要な響きを出しにくいという性質があり、スピーカーのキャビネットの材料として適しているという。また、紙ならではの温かみのある手触りがあり、環境性、インテリア性、音質の全てを両立したスピーカーが製作できるそうだ。 環境性については、本体の約95%を再生紙で作ることで資源を有効活用。本体はラップの芯の製法を応用した工法で製作することで、硬くて実用的な耐久性を持つ製品となる。 インテリア性では、 灰色を基調としたモダンなデザインを採用。さまざまな場所に溶け込み、質素で上質な暮らしを演出してくれるそうで、自宅やオフィス、待合室などに置いて使うことができる。 また、紙の良さを活かす音響設計により高音質を実現。高音質アンプλ Reality SDをはじめとして同社が持つ音響設計技術を生かして、ひとつのオ
書籍のデザイン、いわゆる装幀(装丁と表記されることが多い)をメインにされている水戸部功さんの連載が始まります。 ここで改めて紹介することでもないのですが、水戸部さんといえば、マイケル・サンデル氏の『これからの「正義」の話をしよう』に代表される、ミニマムにタイポグラフィで魅せる装幀で知られます。サンデル氏の単行本が発売になった当時のことをよく覚えていますが、水戸部インスパイア系とでもいえるような書籍が特にビジネス書に氾濫していました。過剰な意匠を施すではなく、コート紙に1色刷りは版元の懐にも優しく、ある種の“流行”となりました。 上記のタイトル以降も、昨今水戸部さんが手がけたタイトル、たとえば飛浩隆氏の『ポリフォニック・イリュージョン』、テッド・チャン氏の『息吹』を見ると、文字で魅せる装幀はなお一層先鋭化しているように思えます。 2021年には、同じくデザイナーの川名潤氏、長田年伸氏と共に編
「正規表現がこれだけ多種多様な言語やアプリケーションに取り入れられているのは、立派な理由があるからだ。正規表現は非常に強力なのだ。(中略)正規表現を使えば、データを自由に操れるようになる。データをコントロールし、自分のための仕事をさせられるのである。正規表現をマスターすることは、自分のデータを支配することなのだ。」(本書「はじめに」より) ―本書は正規表現の概念を詳細に解説し、言語やツールの実例を豊富に示しながら、正規表現への理解を深める解説書である。第3版では、前版のJavaと.NETに加え、新たにPHPの章が追加された。正規表現の本質を読み解く決定版。特に正規表現を使いこなしていると自負している人にほど読んでほしい。 正誤表 ここで紹介する正誤表には、書籍発行後に気づいた誤植や更新された情報を掲載しています。以下のリストに記載の年月は、正誤表を作成し、増刷書籍を印刷した月です。お手持ち
それは、水の動いた証。 かんらん岩+水→蛇紋岩。地球内部のマントルを構成する「かんらん岩」は、 地表に現れる際に水(流体)と反応し、「蛇紋岩」へと変化します。 岩石でありながら水を蓄え、水を放出し、再びかんらん岩へと戻る特異な性質。 また蛇紋岩と流体は、ひすいや軟玉といった美しい玉石の生成や、 様々な鉱物の晶出にも関わっています。 蛇紋岩を様々な角度から紹介します。
【▲ 図1: キャニオン・ディアブロ隕石に含まれる1mm未満のダイヤモンドの表面には、ロンズデイル石が非常に薄い膜として存在すると言われています。 (Image Credit: Arizona State University) 】この世で一番硬い物質はダイヤモンド、とよく言われますが、科学者はダイヤモンドを上回る硬さを持つ物質を長年探索してきました (※) 。そのような物質の候補として有力視されてきたものの1つが「ロンズデイル石 (Lonsdaleite)」 (あるいはロンズデーライト、六方晶ダイヤモンドとも呼ばれる) です。 ※…しばしば誤解されますが、この場合の「硬さ」は結晶の傷つきにくさや摩擦に対する強さのことで、ビッカース硬さなどで表されます。外から力を加えられた時に変形や崩壊しにくいという意味での「硬さ」は、剛性や靭性などと呼ばれます。 ロンズデイル石は、1967年にキャニオン
日本近代史・現代史の論文を書く、すべての初学者のために――。テーマの決めかた、史料について、調査の方法、目次のつくりかたなど歴史研究の基盤を、論文執筆の作業フローに即して基本から解説。第一線の研究者たちが提供する大きな見取り図が、研究史と向き合うあなたを助けてくれる。必要なことは、この一冊で分かる! はじめに 何が悲しくて研究するのか? この本は何のために書かれているのか なぜこんな本が必要なのか それでも研究するのか? 第Ⅰ部 研究を始めよう 論文を書き終えるまで……松沢裕作・高嶋修一 1 とりあえずテーマを決める テーマとは何か 最初は思いつきでもよい 史料の有無 たいていのことは誰かが研究している ──先行研究の有無 なぜその研究対象・研究テーマを思いついたのか 何も思いつかない場合 テーマの見直し 2 先行研究をつくる 何がどう「先行」するというのか とりあえず検索してみよう 入門
金属活字、写植書体やデジタルフォントなど、文字を同一の字形で繰り返し表現するものを「活字」といいます。活字による印刷は、1400年代半ば、グーテンベルクにより始められ、開国後、日本へ伝来しました。活字と印刷術の伝来により、印刷される文字数と印刷部数は、格段に増加しました。明治期以降、海外からの未知の情報や新たな知識、明治維新を機に新たに作られた組織の仕組みや法律などが、活字を通して、広く各地に伝播していきました。 本展示では、活版印刷と漢字活字の誕生、活字と印刷術の日本への伝来、そしてその後の発展の歴史をたどります。デジタルフォントに囲まれた現在の文字文化の原点を探り、身近にある活字の世界を振り返る試みです。 ▶特設サイトはこちら 展示構成Ⅰ 日本の印刷 Ⅱ グーテンベルクと世界三大美書 Ⅲ 漢字活字の誕生と伝来 Ⅳ 横浜の印刷物 Ⅴ 様々な活字と印刷物 Ⅵ 直彫からベントン・デジタルフ
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